『アジング好きスギー』が集まるルアマガプラス&ルアマガソルトのスタッフのアジングへの思いを乗せて、現在開発中のアジングワームの続報をお届け。コンセプトは、『そこらへんにはないワーム』。前回は、ちょっといけてる『ペティ』なるワームを紹介しましたが…その他も調整中!
そもそもアジングワームに必要な性能ってなんぞや?
まず、市販されているほぼ10割のワーム。どれを使ってもアジは釣れるはずです。なぜかというと、アジは水中に漂っている手頃なサイズの物体ならば、とりあえず口に入れる傾向のある雑食性の高い魚だからです。
恐ろしいことを言いますが、どんなワームでもアジング専用を謳っているものであれば8割の状況で大きく釣果は変わらない。と、いってもいいかもしれません。
概念的に言えばどのワームでも最高点を10点としたときに、及第点となる6点を叩き出す実力があると言えます。しかも6点を切るような『釣れない』ワームを作り出すのが逆に難しいと言えばわかっていただけるでしょうか。
ちょっと抽象的なお話で恐縮ですが、チーム・ルアマガとしては、目指せ7点超え。でもある条件下や状況下では8点、9点、10点がとれるアイテムができないかと開発を進めています。
なので、敢えてあまり市場にない形を模索しています。
完成した小粒ながらピリッと大アピール『ペティ』
こちらはワーム開発を一緒にやってきた工房『and』から提案があり、そのまま採用したモデル。すでにテストも完了して完成形だった面白いワームです。
1g以下のジグヘッドに装着し、ジグ単で使ってもシビアな状況で結果を出してくれるし、水深30m以上のキャロ系リグでの使用で、超小型(1in程度)ながらアジはもちろん、オオニベなども喰ってくる謎のアピール力も持っています。
『縦ではなく横の動きで誘う』というベーシックコンセプトが効いているのでは? というのをチームに意識させた1本。しかも、ホントよく釣れる。現状、条件付きではあるものの9点以上の出来栄えです。
現在ブラッシュアップ中! 開発コード名『サヤエンドウ』
『サヤエンドウ』はルアマガチームのアイデアから生まれたワーム。ファーストサンプルのテスト結果は、なぜか型のいいアジを拾ってくるが、釣りをしているエリアにシーバスがいたらシーバスの反応がしこたまいい….。
ということで、最初のアイデアラフに近い形で豆の部分を大きくすることで、引き抵抗を演出させ、豆のくびれで、入力された縦方向のロッドアクションに対して、左右方向に動いてくれるように調整しました。そのうえで、幅広すぎてアピール力が強すぎるのか? ということで ボディをスリムにしています。
ファーストサンプルでは、流れを受けると予想通り左右の動きを見せていたので、そこをさらに強調させられないかとリファインしてます。
これも『ペティ』で得た知見で、下から見た時の横方向のアクションでアジにアピールさせられるがベースコンセプトになっています。ファーストサンプルの時点では条件付き7点くらいの出来栄えでした。
ルアマガソルト編集長が「変態ですか?」と気持ち悪がった、宇宙人ワーム。開発コード『アクアッホ』
実は『サヤエンドウ』のサンプル制作時に製造元の『and』が「1、2種類の型サンプルだともったいないので、なんか、ほか、作りたいワームありません?」と打診してきたので1分でデザインして提出したとは口が裂けても言えないオマケワーム。
『and』からは「斬新ですねwww」と。ルアマガソルト編集長からは「うわっ、変態チック」とたぶん罵られた曰く付き。
ファーストサンプルなので動きはこれから確認ですが、コンセプトは「他にない形状による状況打開のパンチ力」。アイデア提出側としてはアリだと思うのでありますけどね…。先に申し上げたとおり、アジングワームは6点を切るワームは作ろうと思ってもなかなか作れません。
なので、パイロットワームにはなり得ないけど、このキテレツな形状と動き、シルエットで8点以上の反応が出るような局面を演出できないかと考えました。アジングワームとしての吸い込みやすさやサイズ感はもちろん内包されていますので、チームとしては楽しみな1本です。
ワレカラとかが間違って漂っちゃった。みたいなイメージもあります。あと、こんなプランクトンいたとかいう曖昧な記憶からデザインされています。テストもできていないので、妄想上で特殊条件下10点。
堅実に、あ、なんか釣れそう? と思わせてくれる、見上げてアピールコンセプト、その2。 開発コード『ヴォラギルノアール』
『and』の開発陣から「アジってまぁ、泳層次第ではありますけど、フォールしてくるものを基本的には下から見ているわけですよね? 横の動きは効果あることはわかったのですが、単純に見た時にアピール力のある幅広のワームってダメなんですか?」と質問が。
ブラックバスにはブルーギルを模した幅広形のワームが既に存在していますし、別に変じゃないですよ? と返答。じゃ、アイデアラフを描きますとルアマガチームが提出した数種類のうち採用されたひとつ。
『サヤエンドウ』で採用したボールフレキシブルジョイントデザイン(今適当に命名しました)を採用したサヤエンドウコンセプトを流用して作ってもらったのがコレ。
上面は楕円。下面はちょっとボールを大きくした半円を配置し、フォール時の安定性を意識。裏と表で使い分けて変化が出れば面白いね。とか遊び心も取り入れたモデルです。フォール速度はストレート系より遅くなるはずなので、ドリフト系の釣りなんかにはいいんじゃないかと思います。
さらに、レンジステイ能力の高さがウリ。と言ってみたいところです(まだ未テストにつき)。
『サヤエンドウ』もそうなんですが、どっちもある部分、イカをイミテートしています。ヴォラギルノアールは、まんま子イカでしょ? こちらは、まだ未テストですので釣果が良ければ、開発を続けます。
フェイスブックで紹介したら某痔の薬みたい!と言われたので、開発コードが怪しげな名前になっています。こちらもテスト待ちですが期待値を込めて特殊条件下9点以上を狙いたいワーム。
見上げてアピールコンセプト、その3。開発コード『ツインテール』
こちらは、製造チーム『and』からの提案。ウルトラマンに出てくる怪獣ツインテールみたいなワーム。前3つの玉をちぎっちゃっても面白いし、そのまま大きめのアジングワームとして活用してもいい感じです。
アジはかなり視覚に頼って捕食対象を判別している魚と言われていて、発見させるための動きも、誘いだすひとつのファクターとなります。
ただの棒のようなワームも必要なのですが、視覚アピールに振ったワームも必要なのは経験則で間違いないと考えています。
アジングというのは、10尾のうち6尾までは細かいことを考えなくても釣れる優しさがあるのですが、その釣果を8〜10尾にするのにワームの差や道具の性能差、アングラーの腕が出てくる釣りです。
釣果を伸ばす選択肢になってくれる1本になればと思っているワームです。特殊条件下で8点以上を目指しつつ、汎用性も備わればグッド!
変哲もないけれど、無難な形に収束! 汎用力を投影した対尺アジ専用ロングワーム。開発コード『ナルコアンパレス』
離島取材などで尺を超えて、ギガアジを狙っている地元アングラーが、とにかく「えぇっその大きさ???」というワームを使っていたりします。で、それで、釣っていたり…。
その大きさは、3inなど余裕で超えていて、例えば4in前後のバス用ワームだったりします。
ストレート系ワームはそもそもパイロットワームとしても有能ですし、前半で紹介した4種は正直パイロットワームになるのか疑問なところがあります。ペティはかなり優秀な釣果を出していますが、どちらかというとアンダー0.8g以下の攻防が予想されるときに先発できる系のアジングワームです。
じゃ、ちぎったら汎用的なワームサイズで、反応の無難なストレート系。ボール連結型のロングワームを作りましょうか。ということでこれになりました。
元々はもう少し尖っていて、こちらはサードサンプルになります。ファーストサンプルはトライアングル形状にこだわったストレートワームですが、よくよく考えたらロデオクラフトさんに『ナル』という優秀なトライアングル系ストレートワームがありました! 作った後に気づいたのでボツ…。
で、千切って使えるボール連結型。なおかつ真ん中が細くなってテールは少しまた太くなるというちょっと変わった形状に変化しました。それが下の写真のワームです。
ただ、これ、ホント30cmを超えるようなサイズのアジには反応よかったですし(すいません、何匹かいいサイズ掛けたのですが防波堤が高くてキャッチできなかったです)、なんか、アジ以外の魚にも反応よかったのですが、20cmクラスのアジの反応がイマイチでした。6点の釣果は出るのですが…。
いや、ある意味それでもいいんですけどね。一定のシチュエーションで尖っているワームということで…。ただ、もう少し汎用的でありながら、少しだけ捻りのあるというところで、最後のサンプルにたどり着きました。こちら、最終的には総合点で8点以上目指したいワームです。
ということで、ルアマガチームはどこに向かっているのだと思いつつも、現在開発中の6種でした。何種かは販売予定ですので続報をお待ちください。開発コードはあくまで開発コードです。製品名でないので安心してください(たぶん)。