超巨大マダイも出現し盛り上がりっ! あのレイドジャパン、江口俊介プロ監修のアジング/マイクロベイト専用スピニングロッド開発開始!?



さて、ルアマガ・アジングチーム畳み掛けます。もう、アジングメーカーなんじゃねぇかってくらい畳み掛けます。あの、金森隆志プロ率いるレイドジャパン・チームの要石の一角、江口俊介プロとアジングロッドを作る計画がブチあがりました。もちろん、ただのアジングロッドではありません……。どんなロッドかというと、そう、今、バスフィッシングのシーンでも注目されている超超フィネスリグを扱う、マイクロベイトパターンを操作することも念頭に置いたアジングロッドであります。

4月某日、どんなロッドを作るべきかセッション!

実は、チーム・ルアマガの小生。レイドジャパンの総帥、金森隆志プロ、ことカナモとは旧知の間柄。そして、そのレイドジャパンチームに所属する江口俊介プロは、バスの師匠の一人だったりします。雑誌の企画でご一緒いただいて、ローカルなバス・トーナメントの年間優勝をサポートしていただりと、縁が深いこともあり、今回の計画を打診。

取材最終日に釣り上げたアオリイカ。本命のアジ、ヒラスズキ、巨大マダイ、アオリイカと専門プロも真っ青なマルチ釣果。釣りセンスの塊。結果を出す本物の釣りプロのひとり。

【Profile】

江口俊介(えぐち・しゅんすけ)

2021年まで、JBトップ50のトップランナーの一角を担い活躍してきたバスプロ。多くのタイトルを手中に抑め引退。ブラックバスだけでなく、さまざまな釣りをマルチにこなして経験を積んでいることから、釣りの総合力が極めて高い天才肌のアングラー。ロッドデザインやルアーデザインの経験値も高く、戦闘力の高いアイテムをプロデュースし続けている。現在は金森隆志プロ率いる、人気バスタックルメーカー『レイドジャパン』のスタッフとして活躍中。YouTube。レイドチャンネル内で人気コーナー『ブンボカン』担当。

江口俊介プロは昨年までブラックバスの国内最高峰コンペティション、JBのトップ50に在籍し、数々のタイトルを獲得してきた実力は折り紙つきのバスプロ。そして、超がつく釣りウマ。ブラックバス釣りが本職とはいえ、さまざまな釣りに積極的に取り組み、その道のプロも顔負けのセンスで対象を仕留めてきた『釣り総合力』の非常に高いタイプのアングラーです。

過去に在籍してきたメーカーではアジングのロッドを手掛けたり、ワームのデザインを手掛けたりとアジングに関しても造詣が深いのです。ルアマガソルト誌面では人気の1vs1のアジングコンペティション企画、『アジング王BATTLE』で、あの家邊克己プロとの乱打戦で惜しくも敗れたものの、レジェンド家邊プロが、『バスプロは凄いですね』と、バスプロとしての江口さんのアジングの実力を高く評価。その釣りセンス、いや、アジングセンスは他のアジングプロに匹敵、もしくは凌駕するほどです。

シーバスロッド? エギングロッド? いや、やっぱりアジングロッドでしょ!

江口「とりあえず、一緒にロッドを作りにしろ、実際に釣りしながら決めましょう。色々と釣れる島があるんで」

そこで、四国の宇和島地区に急遽向かうことになりました。江口プロはバスだけでなく海のルアー釣りも精力的に取り組むことから、地元の遊漁船の知り合いなどにコンタクトを行い、アジ、ヒラスズキ、マダイ、アオリイカなどなどが同時に狙える戸島に渡ることに……。

海道丸の船長・酒井保明さんが今回のミーティング釣行の助っ人に!

江口「すごくいい島ですね! 魚狙いつつ、ちょっと色々練り込みましょう!」

現地に到着後、宿にチェックイン。既に午後もいい時間。

実は、島まで送迎してくれた遊漁船『海道丸』の船長は、戸島の出身ということで、釣りのポイントにも詳しい。情報によると、夕方にヒラスズキが入るという港があるらしく、マヅメまで少し時間を潰しつつ、そのポイントに入ろうということになりました。

基本ライトゲームをメインに釣りをすることに。荷物も最小限。1本はエギングロッド、もう一本はアジングロッドを準備した江口プロ。

ヒラスズキ狙えるロッド持ってきているの?

江口「とりあえず、エギングロッドを用意したのでそれで遊んでみます。エギングロッドも万能なので、作り込んでみたいですけど……」

さて、ポイントに到着早々、港の堤防の突端に陣取った江口プロ。日が傾くにつれて、ヒラスズキが港まわりに集まってくるとのことだが? と、思ったら到着数投で、江口プロのロッドが大きくしなった。巻いているラインは0.8号のPE。ライン的には強度はあるが?

江口「え? いきなりデカいの来たんだけど、ヒラスズキ!?」

外野の茶化しを受けながらやりとりする江口プロ。しかし、ヒラスズキにしてはスタミナが尋常じゃないし、ファイトの質が違う。慎重にやりとりしていると、堤防の際に浮いてきた巨大な魚体が……。



まさかの巨大鯛が陸っぱりで!

江口「ん? 何あれ? 鯛??? めちゃくちゃでかくない!?」

数分のやりとりののち、堤防脇に浮いてきたのは、巨大なマダイ!!! そう、記者はどうしても魚を『巨大な◯◯』みたいな使い方をしたく無い派。そういう煽りで記事に誘い込みたく無い派!

でも、これは巨大でしょ(笑)! 粘りながら浮いてきたマダイのサイズはその形容にふさわしいサイズ。これが陸っぱりで釣れるのか!? 江口プロ持ってます。計測すると90cm!!

産卵シーズンということもあり、岸に寄ってきたのか? にしてもでかすぎます。魚を大きく見せる写真の撮り方が、デカすぎて、大きすぎてできません……。船から狙っても90cmを超える大鯛はそうそう釣れません。

掛けることはまだしも、やりとりも慌てることなく、「エギングロッドなら大丈夫でしょ!」と、じっくりとファイトをして見事ランディング。ロッドもこの釣行用にあつらえてきた市販品。すぐにロッドのパワーやラインの強さなどのバランスを理解し、不安なく扱うあたりはさすがです。

90cm、7.59kg。いや、船からでもなかなか仕留められないサイズ。

本命? のヒラスズキも立て続けに仕留めて、マヅメタイムを終了

さて、90cmのマダイを仕留めた後に、海道丸の船長も1尾、でかマダイを追加。それも大きくて80cmくらい。どうなってるんだとテンションが上がる取材陣。そこから、本命の60cmを少し超えるくらいのヒラスズキを2本、サクッと仕留めた江口プロ。

いや、大物狩り用のロッド作ります?

江口「いやいや、本命はやっぱりアジングロッドでしょ。とりあえず、アジ釣りに行きましょう。アジングロッドを作りたい理由もちゃんと聞かせますから」

遊漁船『海道丸』の船長も負けじと1尾!「翌日の遊魚予約、この港に来ようかな(笑)」という魚影の濃さ。
結局、当初予定のヒラスズキもあっさりゲット。「マダイよりやりとりは楽だったかも(笑)」
続けて2尾。出来過ぎな釣行。ソルト専門のプロではない江口さんですが、やっぱり長年、身も心も削るコンペティションの場で戦ってきたアングラーだけあります。圧倒的な釣りセンスでこのステージもこなしていきます。

江口俊介プロがアジングロッドの開発にこだわった理由

さて、日も暮れたこともあり、今度は、ある意味この旅の本命となるアジングに移行することになります。そう、今回、江口プロと共同開発しようというロッドの有力候補はアジングロッド。その理由はなんなのでしょうか。

江口「今、バスフィッシングのシーンではアジングで使うような小型のワームを使ってブラックバスを誘い出すマイクロベイトパターンというのが注目されてるんですよね。繊細なリグをこれまでのバスのフィネスを超えて、より繊細に扱ってバスを狙っていく……。僕自身は色々な釣りをするんですが、バス釣りとアジングって結構、親和性があって、アングラーの嗜好や思考も似ているところがあるんですよ」

確かにブラックバスはパターンフィッシングを突き詰めていく釣りで、アジングもある意味、釣り方の再現性を楽しむパターンフィッシングの釣りでもあります。

江口「単純に僕自身がアジングを好きだというのもありますし、なにより、今、説明したマイクロベイトパターンに必要なロッドというのは、割にアジングロッドのアクションに近いんですよね。なので、せっかく僕が手がけるというのなら、ルアマガさんの得意のアジングと僕のバスフィッシングの知見、そしてアジングの知見を融合させて、バスのマイクロベイトパターンをこなすことができる、アジングロッドっていうのを作ってみたいんですよね。バスアングラーはマイクロベイトやるのに買ってくれればいいんだけど、そのまま最前線でアジングを楽しめるロッドだったらと思うんですよね」

そんな話をしながら、移行した夜の部。あっさりとアジングで、釣果を重ねていく江口プロ。アジング自体は実は、久しぶりだという話だが、感を取り戻すのの時間は掛かっていなかった。

江口「ブラックバスのバイトにしっかりフッキングから障害物への突進などを止めて、いなしていくパワーは必要。だけど、アジングロッドとしての繊細さがスポイルされたら、マイクロベイト用のロッドとしても、アジングロッドとしても機能しななります」

そこで、ルアマガチームはサーティフォーと開発した、6ft5inのAdvancement65をベースロッドとして提示。実物を触ってもらった。

江口「うわっ、さすが家邊さん! めちゃくちゃいいバランスに仕上がっていますね。このトルク感で繊細なリグを使って違和感がない感じ、ちょっと混乱しちゃいますね。6ft5in。。。このテイストで5ft10inくらいのロッドができると面白いかも。このロッドをベースにしつつ、粘りのあるトルク感と繊細さを融合させたいですね!」

ちなみに、この江口プロのロッドデザイン能力は、天才的。使えるマテリアルと販売する予算感に合わせて、まさに最善の一本をデザインしてくる。

Advancement65はただバットが強いロッドというわけでなく、突進する魚の向きをいなしながら、アングラーに引き戻す。「魚がロッドのトルクに徐々に負けて、うわん! と翻って向きを変えさせる感じ」。江口プロはルアマガスタッフの抽象的なイメージを理解し、それに近いアクションのイメージを提示してきました。

現在は、そんな江口プロの要望を再現すべく、サンプルロッドに取り組んでいる最中。

マイクロベイトというバスの繊細なメソッドと、アジングロッドとしての性能を融合させて、江口プロがゴーサインを出す、そんなロッドが出来そうであれば、皆様にも販売したいと思います。しばし、お待ちくださいませ。