
アングラーの成長に合わせて、次々と新しい世界を見せてくれるホワイトウルフ。ホワイトウルフの中には開発者・松本幸雄の「やりたいこと」のすべてが凝縮されている。今回はそんなホワイトウルフの中から「低伸度系ライン」に対応した「操作系ロッド」の世界を徹底解説! 4本目は現在開発中という「L」アクションの高弾性素材ロッド『ホワイトウルフ 606LS(仮称)』を先駆けて紹介しよう。
●文:ルアーマガジン・マス王編集部
松本幸雄さんのプロフィール
62MLSと同じ高弾性素材で『L』アクションの味付けを持った62LS(仮称)の開発に着手!
高弾性カーボンを活用した新たなる挑戦!
そして現在、松本幸雄さんが新しいホワイトウルフとして開発しているモデルが62LS(仮称)。簡単に言うと62MLSの『L』バージョン。
松本「62MLSはアングラーの操作が主体のロッドです。風が吹こうが、流れがあろうが、主導権はアングラーが握っています。一方、現在制作中のロッドは、もっと自然環境を武器にできるタイプのロッドです。62MLSよりも大分マイルドな味付けにしてあります。水を噛ませることによって、流れを利用したドリフトなどがやりやすいトータルセッティングを出して、設計を進めています」
ブランクスの素材は62MLSと同じ高弾性カーボン。だけどアクションなどのトータルセッティングは、62MLSよりもマイルドな味付けの『L』基準。ホワイトウルフシリーズの『L』といえば、真っ先に思い浮かぶのが62L-TRZ(通称・エルトル)だと思うが、エルトルとはブランクスの素材が異なるため、別タイプのロッドといえる。
松本「完成までは時間が掛かると思いますが、現状でも凄くいいトータセッティングが出ています」
すごくイイ感触がつかめています!完成までは時間が掛かりそうですが楽しみに待っていてください。
ホワイトウルフの新しい世界観に期待感しかない
松本幸雄開発のホワイトウルフシリーズにはプロアングラー松本幸雄としての「理論」や「やりたいこと」が詰め込まれている。その奥行きはとてつもなく深い。とてつもなく深い奥行きがあるからこそ、使い込んでいるアングラーの成長と足並みをそろえるようにして、ホワイトウルフはひとつずつ新しい扉を開いてくれる。
「こういうことだったのか!!!」と、使い込んだ3年後に新しい発見に気が付く…なんてことが当たり前に起きるのがホワイトウルフの世界。だからこそホワイトウルフは一生モノのロッドとして熱狂的に支持されている。もしホワイトウルフに詰め込まれている「すべての奥行き」を、本当の意味で悟ることができた日がきたとしたら、それはユーザーが松本さんの「やりたいこと」と肩を並べたことを意味する。
そんな日が来たら…と想像しただけでもワクワクするのではないだろうか。だからこそホワイトウルフは一生楽しめるロッドなのだ。
ちょっとだけマニアックな使い分け・実話編「松本幸雄開発低伸度系ロッド」
例えば、とある全国区トーナメントでの一場面
とある全国区のトーナメントで、自分はスプーンをメインに勝ち上がっていました。そして準決勝、対戦相手はノブ(佐野亘彬・ロデオクラフト)。状況的にはハントグランデ1.3g(ニュードロワー)なのですが、準決勝になると普通に巻いて釣れるトラウトは残っていません。グランデで細かく誘いを入れるとスイッチは入りますが、スイッチを入れ過ぎると、トラウトのテンションが上がり過ぎて、興奮した子犬のようにグランデの周りを激しくチェイス。結果的にフッキング効率は悪くなります。
このときは2パターンのメソッドが有効でした。ひとつは鋭くパンパンとアクションを入れて、そこから速めに巻いて食わせるパターン。この方法は食わせるときは巻きになるので、適正タックルは62UL-e。そしてもうひとつのメソッドは細かくシェイクさせっぱなしで食わせる方法、なのですが…最初に説明したように誘い過ぎるとフッキングしません。
必要なのは適度な弱さを伴った誘い。グランデを横に飛ばさずにシェイクさせながら泳がせるような誘いです。そのときに必要なのが606L-e。ここまで繊細な調整には606L-eが最適です。ちなみにラインセッティングはどちらもエステルでした。
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