伊藤巧さんのバス釣りマイクロベイト理論「小さければ釣れるけどリスクはある」

昔ならセコ釣りと呼ばれ虐げられていたような気もする極小ルアーの釣り。しかし、時代は令和に変わり、マイクロベイトと名前も変わり…なんだかイケてる感さえ醸し出されてはいないか? 今や、小さいは正義なのか? そんなマイクロベイトについて、猛者たちの見解はいかに? 今回は伊藤巧さんに伺った。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 シーバス特集

伊藤巧さんのプロフィール

伊藤巧(いとう・たくみ)

学生時代からTBCトーナメントで頭角を表し、H-1グランプリや陸王などでも大活躍。2019年からバスマスター・セントラルオープンに出場し、初年度でエリートツアー昇格を達成。2021年のセントローレンスリバー戦で米国初優勝を果たした。

ルアーを小さくすれば釣れるというのは間違ってないけど、それに伴うリスクは大きいですよ。

伊藤巧さんの「俺はこう考えるマイクロベイト理論」

伊藤「ルアーを小さくすると魚に気づかれにくくなるので、釣りが極端に難しくなってしまうんです。エサがそのサイズに合っている場合、あるいは、極端なプレッシャーでそれじゃなきゃ釣れないという条件以外では使わない方がいいと僕は思う」

広大なアメリカのレイクで戦う現状からの影響もあってか? マイクロベイトにやや否定的な伊藤さん。いつでもどこでもマイクロベイトという考えには賛同できないそうだ。

伊藤「ライブスコープを使いこなせている人なら話は別なんですが、釣り場の全体像を見ずにマイクロベイトを使うことにはリスクがあることも理解してほしい。その前提で僕が使うマイクロベイトの話をすると…まず、カメラバのスカートを全部取って、スイッチオントレーラーを付ける。特に関東はスカートを嫌っている個体が多いので、これはおすすめ。ただし、スカートのあるカメラバよりキャストが数倍難しいんですよ。スカートにはキャスト中の飛行速度を落としてルアーをコントロールしやすくする効果があるので。そこは要注意です。

あとは、パドチューは僕のなかではマッチ・ザ・ベイト系マイクロベイトです。霞水系はボラを食ってる強い個体と小さいエビやハゼを食べてるバスの二極化していると思うんですが、後者の個体にはパドチューのスプリットショ ットリグを切り札としてよく使いますね。エビハゼ系が好きな個体ならデカいバスも釣れます」

伊藤巧さんの対ヘビーカバー最終兵器

カメラバ4g【スカートなし】+スイッチオントレーラー【ノリーズ】

スカートがふわふわとフレアするのを見切っている魚に対しては、ネイキッドが効く。小バスの数釣りではなく、一級のカバーに潜んでいる百戦錬磨のデカバスを狙い撃ちするためのパワーフィネスウェポン。ただし、ノーマルカメラバにくらべてアピール力が下がるのとキャスト難易度が上がるので、そこは要注意。

伊藤巧さんの霞水系エビハゼパターン用

2-1/2in パドチュー【ノリーズ】

パドチューのスプリットショットリグ(シンカーはプロズファクトリーのラバ玉くん2gが基準)をテクトロなどで使用する。護岸際を横に泳がせたり、ゴロタ石のエリアをふわふわズルズルとさせたり、オカッパリとの相性もいい。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

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