村上晴彦さんのバス釣りマイクロベイト理論「細い糸でしか操れないのが良い」

昔ならセコ釣りと呼ばれ虐げられていたような気もする極小ルアーの釣り。しかし、時代は令和に変わり、マイクロベイトと名前も変わり…なんだかイケてる感さえ醸し出されてはいないか? 今や、小さいは正義なのか? そんなマイクロベイトについて、猛者たちの見解はいかに? 今回は村上晴彦さんに伺った。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

村上晴彦さんのプロフィール

村上晴彦(むらかみ・はるひこ)

1990年代に常吉リグ、根こリグ(ネコリグ)を世に解き放った天才釣り師。日本におけるマイクロベイターの始祖と呼ぶべきひとりかもしれない。現在はisseiのプロデューサーを務め、バスだけでなく海でも釣りの楽しさを提案し続けている。

マイクロベイトはなにがいいかというと…細い糸でしか操れないところだね

村上晴彦さんの「俺はこう考えるマイクロベイト理論」

村上さんといえば、ライトラインを使ったフィネスフィッシングを、ボートではなく岸から世に広めた張本人。当時はセコ釣りと揶揄されたりもしたが、すぐにトーナメントシーンでも必須テクとなった。マイクロベイト論の開幕に最もふさわしい人物だろう。

村上「僕のなかにマイクロベイトというのはないのね。狙う魚によって適正ルアーサイズは変わってくるから。その前提のうえで…小さいルアーは何がいいかというと、細い糸じゃないと操りにくい。だから、大きなバスを釣るために糸を太くするとマイクロベイトとして成り立たなくなるのね。そこで、細い糸のメリットというのはオープンウォーターで時間をかけられるところにある」

早速、逆説的にマイクロベイトの極意を示してくれた村上さん。

村上「経験からいうと、ワームを小さくしたらこんなにデカいバスが連発するんだ! というのは何回もある。例えば、琵琶湖なら5月後半のアフターになるかならないかくらいの時期か、2月くらいの夜のオカッパリ。あとはエサかな。昨日まで桧原湖で釣りをしていたんだけど、バスは4cmくらいのワカサギを食ってるのね。そのサイズにワームを合わせるとかなり反応する印象があった。まあ、エビやゴリを食うために下を向いているときは効くような気がする。マッチ・ザ・ベイトとは別に、小さなルアーが音もなく気配を消して動くのが効くというのもあるかもしれない。その逆がビッグベイトで、スレたバスに投げたら寄ってくる。これって、デカいエサを食ってるからじゃないよね」

村上さんおすすめマイクロベイト

第1期

ビビビバグ 2.6in【一誠】

スパテラ 3in【一誠】

小さいながら複雑な形状のビビビバグは、動いたときに生じる水の流れも複雑。サイズに反して存在感は大きい。スパテラは微妙な入力でもそれを打ち消すことなくよく動いてくれるという。

第2期

ライアーミノーフラットサカナサカナ 3.8in【一誠】

ライアーミノー 3in【一誠】

サカナサカナはペラペラボディで、弱い入力でもリニアに動く。ライアーミノーはリアルなシルエットで、遠くから見たときに「魚かも? 」と思わせてそのまま食われてしまう。「見た目のシルエット、乱れる水流波、視覚的な生命感」この3要素を村上さんは重視する。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

最新の記事