激シャローは任せろ!『ブリッツSSR(O.S.P)』の実力を折金一樹さんが解説

O.S.Pが誇るコンパクトクランクベイトの決定版・ブリッツシリーズ。サイズや潜行深度の異なる様々なモデルをラインナップし、あらゆるフィールド、シチュエーションに対応してきたこのモデルがさらに盤石となる日がやってきた! そう。今まで苦手としていたごく浅いレンジに対応するスーパーシャローランナーが登場するのだ。今回はその実力を、折金一樹さんに披露していただこう!

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

折金一樹さんのプロフィール

折金一樹(おりかね・かずき)

ハードルアー・ソフトルアー問わず、あらゆる釣りに精通するO.S.Pのプロスタッフ。その独自のキャラクターにファンは多い。実はカエルが苦手。

ブリッツSSR【O.S.P】

激浅ポイントを激しく巻き切れ!

大人気のブリッツシリーズ最新作は、水深1.0m前後を巻き切ることのできるスーパーシャローランナー。ワンウエイトアンダーバランスシステムやハニカムスーパーHPボディといった基本設計は継承史しつつ、リップを始めとしたシャロー攻略を念頭に置いた設計がなされている。

ブリッツ(左)とブリッツSSR(右)のリップを比較。SSRではオリジナルの半分近い短さになっている一方で、横幅は1.5倍ほど広くなっている。 [写真タップで拡大]

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ブリッツの性能のまま対応レンジがもっと浅く!

岸釣り、ボート釣り問わず、多くのアングラーに定評のあるO.S.P製ルアー達。そのどれもが同社のコンセプトである「10 YearsStandard」を地で行く実力派なのはご存知のとおりだ。

中でもクランクベイトの「ブリッツ」シリーズは、その豊富なラインナップと確かな釣果で確固たる地位を築いていると言っても過言ではないだろう。

そしてそんなブリッツシリーズにこの夏、新たな仲間が加わる。今回の取材では、そのNEWアイテムを、O.S.Pのプロスタッフである折金一樹さんに実釣と共に紹介していただこう。

折金「名前は『ブリッツSSR』。ブリッツシリーズで最も浅いレンジを得意とするモデルになります。ボディデザインはほぼオリジナルのブリッツですが、若干丸みを帯びているのと、体高が低くなっていて一見するとコンパクトになったような印象を受けるかと思います。そして最大の特徴が、より浅いレンジを引くためのワイドスクエアリップ。オリジナルのリップよりも短く、かなり幅広になっています。深く潜らなくなっているのに加え、高いスナッグレス性能を誇ります。もちろん、基本構造やアクションは踏襲しているので、しっかり『ブリッツ』になっていますね」

ひと言で言えば浅く潜るブリッツなのだが、その登場には当然、必然性がある。ここから先は実釣と共に解説していただこう。

スーパーシャローランナーブリッツの実力はいかに!?

実釣は7月初頭、千葉県にある将監・長門川で行った。いわゆる巻き物のシーズンとしてはまだ早い季節だが果たして…。

将監・長門・利根川を攻めるなら長門川マリーナ!

今回お世話になったのは北総マリンの長門川マリーナ。ローボートに14ft、エンジンとフットコンがセットされたアルミボートまで揃う充実したレンタルボート店だ。シャワールームを完備しているので、帰りの道中も快適。

折金「このフィールドは全体的に水深が浅いので、この季節でもまだなんとかなると思います。本来であれば、プリスポーンの時期や、9月以降の巻き物が有効とされる時期がいいとは思いますね」

とは言え、厳しい季節に結果を出せてこそ本物。その実力が知りたい。

折金「SSRの潜行深度は遠投して1.3mくらい。撃ち物のようにショートピッチで使って短い距離を巻くと80cmぐらいまで潜りますし、ゆっくり巻けば水面で引波を立てて引くこともできます。この釣り場なら投げられる場所が多いので、SSRを投げ倒すには最適なんです。きっと真価をお見せできると思いますよ」

なお、浅いレンジを狙いたいタイミングであれば、場所を問わずSSRは活躍するとのこと。中でもシャロー主体となる溜め池は期待値が高そうだ。

期待と不安の入り乱れる中、長門川ボートマリーナを出船。すると将監川下流域にてエビボイルが散発している。そこで周辺にSSRを通すと、早速1尾目がヒット! 岸際の浅い場所をきっちりと泳ぐブリッツSSRならではの釣果と言えそうだ。

フリップキャストでシェード奥へ次々にアプローチ!

狙い所に応じて様々なキャストを織り交ぜる折金さん。中でも目を見張ったのが超近距離戦時のフリップキャスト。水面との隙間が50cmしかないようなブッシュやオーバーハングの下へ、フリップキャストを駆使して次々にアプローチしていた。技術のみならず、タックルセッティングにもキモがあるのだ。

折金さんが投げるのは主に3パターン。オーバーハングやブッシュの下、レイダウンや冠水ブッシュの上、カバーのすぐ横。かなり際どい場所も巻いてきている印象だが、不思議と根がかりは少ない。

折金「それこそがSSRの強みなんです。1m未満の浅い場所をオリジナルで速く引ひこうとすると、潜りすぎてボトムにタッチし過ぎてしまう。また、不意の根がかりも必然的に多くなってしまいます。だからこそ、潜らないブリッツが必要なんです。しかもそのリップは幅広のスクエア形状。ぶつかっても大きく弾くことでフックを障害物から離し、根がかりを回避してくれるんです」

カバー内を引く距離は長いほど期待増!

ちょっとしたカバーにも果敢にSSRを投げ込む折金さんだが、ルアーを通す距離はまちまち。その基準は簡単で、いかにもいそうな場所ほど長く、プアな場所は短くなる。カバーの奥にキャストできれば釣れる確率も倍増だ。

根がかりを恐れずにガンガン投げる!

クランクベイトに不慣れない人は間違いなく躊躇してしまうであろう場所にもガンガン通していく。SSRなら、ブリッツシリーズの特徴でもある高い直進安定性を引き継いでいるので、自信を持って攻められるはずだ。

ただ巻きだけじゃない!

スローに巻けばバジング風にも使えるし、シェイク巻きなら移動距離を抑えてアピールすることが可能。さらにはトップウォーター的にショートジャークで使ってもOK。汎用性は高いのだ。

さらに上流部では、水深50cmほどしかない水路でエビボイルに遭遇。折金さんはシェイク巻きでアプローチしていく。

折金「水深50cmとか、ただ巻くよりもさらに浅いレンジを狙えますし、短い距離でもしっかりと誘うことができる使い方です」

シャローフラットを広く探る

速い速度のリトリーブでも安定して泳ぐSSRはカバー周りだけでなく、シャローフラットにも対応。折金さんもライブスコープを覗きつつ、シャローの広範囲に投げまくっていた。

エビボイルの周辺を狙ってキャッチ!

この日は岸際に多くのエビを見ることができ、それを狙ったバスの捕食音もあちらこちらから聞こえていた。そんなエビボイルが発生した周辺に通してキャッチした1尾。エビの泳層にマッチしているのだろう。

そんなテクニックを披露してくれている眼の前で、折金さんのロッドが強烈に引き込まれた。これはデカい…! 近距離戦でも、中段性ブランクスのBLX LGがバスの突っ込みに柔軟に追従。そして…!

オリキン真夏のビッグフィッシュに大興奮!

破顔一笑! 折金さんがキャッチしたのは40アップ!

季節外れをものともしない! SSR炸裂!

折金「水路の壁沿いをシェイク巻きで通したところ、エビを追い込む感じで食ってきましたね」

季節感を考慮すると、間違いなく値千金。ブリッツSSRの底力を魅せるに十分な釣果と言えるだろう。

その後はエビボイルが起こるシャローにてさらに3本を追加。サイズアップは叶わなかったものの、実釣は終了となった。

折金「朝イチは将監川に逆向きの流れが入っているのに加えてローライトコンディションで良さげだったんですけどね。時間がたつにつれて流れが順流に戻ってしまい、日差しも強くなってしまいました。途中、雨具を着るほどの雨も降りましたがそんなに恩恵もなかったような…。3ヶ月分くらいの気候を体感した気分です(笑)」

たしかに出船して間もない時間帯が最もエビボイルも激しかったように思える。

折金「その辺りの状況が重なって、後半サイズが出なかったのかなと思います。それでもSSRだけを使ってこの数、サイズが釣れるのは悪くないとも思いますね。一日自由にやってもどのくらい釣れるかはわかりませんし…」

ブリッツSSR。シリーズ最新作の実力は、やはり本物のようだ。

ビッグフィッシュをキャッチ後、長門川下流域、将監川のほぼ全域をチェックしてまわったものの、サイズアップすることはできなかった。それでもエビボイルが起こるカバー周りを通すことで、追加で3尾をキャッチした。

タックル

  • ロッド:BLX LG632MLFB(DAIWA)
  • リール:アルファスSVTW 800HL(DAIWA)
  • ライン:モンスターブレイブZ 12lb(DAIWA)

SSRはもちろん、幅広い範囲のブリッツシリーズを投げるのに用いるタックル。スプールの回転レスポンス抜群のアルファスに、キャスティング時のリリースポイントが広いLG632MLを組み合わせることで、高い精度のキャストを実現する。

ブリッツシリーズの使い分け

豊富なブリッツシリーズだが、その使い分けは至ってシンプル。基本はボトムを取りたい、あるいは狙いたい魚のレンジにあった潜行レンジのモデルを選ぶだけ。タイニー、オリジナル、マックスのサイズ感は、魚にいかに気づいて欲しいかを意識してアピール力の強弱使い分けるのだ。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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