全国的にバスアングラーにとって最も身近なフィールド、ため池。しかし、身近であるが故に人の出入りも激しく、その中のバス達は毎日のようにルアーを目にし、そして何度も釣られ、完全にスレ切っているケースも少なくない。今回はそんな「激スレため池」でバスを釣るためのおすすめルアーとその使い方を3人のお助け人に伝授してもらった! 今回は秦拓馬さんのセレクトをお届け。
●文:ルアーマガジン編集部
秦拓馬さんのプロフィール
秦拓馬(はた・たくま)
「俺達。」や「ダウザー」の愛称で親しまれ、JBトップ50プロ、琵琶湖プロガイドを経て、現在は釣りYouTuberとして大活躍中。ダウズビドーやダウズスイマーなど数々の名作ルアーも手がけてきた。ジャッカル×シマノプロスタッフ。
地形サーチは必須! そこからリアクション&食わせの信頼ルアーを投入すべし!
激スレため池を制する秘策!「人がよくやる場所だけやる」のもアリ!
人がやらなそうな場所に入って釣りをするっていうのは、多くの人が考えることだと思います。ただ、釣り場が「超ハイプレッシャー」ため池となると、人が入っていない場所はほぼ存在しないと考えた方がいい。
逆に人がよく入る場所はバスがストックされている良いエリアやスポットであることが多いので、あえてそういう場所だけに的を絞ってタイミングを変えて入り直す方が釣れる確率は上がると思います。
あとは複数のため池が近くにあるのであれば、釣れない時は粘らずに釣り場を移動してタイミングを変えて何度も入り直すのが良いです。
ドーン3/8oz・1/2oz【ジャッカル】
まずはドーンで地形をサーチ!
ボトムをゆっくり巻いてハードボトムを探し出せ!
具体的な使い方としては、池の真ん中に向かって遠投してボトムに着底するまで待ち、あとはボトムをゆっくり巻いてきます。池全体を歩いて移動できる野池であれば、ぐるっと1周このキャストを繰り返しながらチェックして回ります。がんばってハードボトムを見つけましょう。ボトムが柔らかい場所はパスしてもいいくらいです。3/8ozを基本として、水深があってボトムを取りにくい場合は1/2ozを使用して下さい。
推奨タックル
- ロッド:ポイズンアドレナ172M【ジャッカル×シマノ】
- リール:アンタレスHG【シマノ】
- ライン:フロロカーボン14lb
出しドコロ
まずは魚を釣るというよりは、水深や地形変化など、そのため池の状況を探るために僕がよく先発投入するルアーですね。泥底なのかハードボトムなのか、あるいは岩や何かの沈み物があるのか…などをチェックします。
ドーンはブレードの波動が弱めで、かつ浮き上がりにくいスピナーベイトなのでハイプレッシャーため池のボトムサーチに最適です。
ブレディー【ザップ】+リズムウェーブ2.8in【ジャッカル】
より繊細にサーチするならコレ!
ブレディーの具は決めつけない方がいい!
使い方はドーンと同様、ボトムまで沈め、ボトムを感じ取れるスピードでゆっくり巻いたりズル引きしたりします。ブレディーの具は何でもいいです! 逆にひとつに決めつけないほうが良い。僕は3in前後の色々なワームをローテーションさせて使うことが多いです。横に引いてきやすいのは定番のシャッドテールですが、ピンテール、カーリーテール、イモなど色々と試したほうが釣れる魚が増えると思います! タックルは僕はC3000番のスピニングを多用するのですが、これはスプール径が大きいほうが飛距離が出るからです。
推奨タックル
- ロッド:ポイズンアドレナ268UL【ジャッカル×シマノ】
- リール:ヴァンキッシュC3000MHG【シマノ】
- ライン:PEライン0.5~0.6号+フロロカーボン5~6lb
出しドコロ
ブレディーの場合もドーンと同じで、目的はボトム変化のサーチです。ただ、ブレディーの場合はスピニングタックルでより繊細にボトムを感じ取りながら、キャストも細かく刻んでいきます。ドーンで広くサーチした後に、気になった場所をブレディーでより細かく探っていくことも多いですね。
TN60【ジャッカル】
ハイシーズンにあえてのバイブレーション!
バイブレーションだから出せるスピードトリック!
使用法としてはただ巻き、リフト&フォール、障害物に当てながらのボトム巻きが中心になります。バスはたとえ食い気がなくても、目の前をすばやく通り過ぎたり、急に目線に入ってきたものには反射的に口を使ってしまう魚です。素早くバスの目線を横切らせるイメージでキャストコースやリトリーブスピードを調整しましょう。バイブレーションであれば、サウンドやフラッシングでもバスを誘うことができますし、特にTN60はアウトメタルシステムで飛行姿勢が安定するのでかなり飛距離を出せて、かつボトム感知能力も高いのでおすすめです!
推奨タックル
- ロッド:ポイズンアドレナ1611ML+【ジャッカル×シマノ】
- リール:メタニウムHG【シマノ】
- ライン:フロロカーボン12lb
出しドコロ
ドーンやブレディーで野池全体の地形を把握できたら、ぜひ試してもらいたいのがバイブレーション! 晩秋~初冬のイメージが強いルアーかもしれませんが、今回のお題は超ハイプレッシャーの激スレため池。普通の釣りでは口を使わせられないとなると、リップがないバイブレーションにしか出せない「スピード」が強力なリアクション効果を生みます。ハイシーズンに使う人が少ない点でもほかの釣り人と差をつけることができます。
DBユーマフリー3.8in【ジャッカル】
ブレディーよりもさらにスローダウンした「食わせの一手」
「表層」「ボトム」「フォール」「放置」なんでもできるすごいやつ
基本的な使い方はオフセットフックのノーシンカーリグです。表層を巻いてきてもいいし、ブレディーのようにゆっくりボトムを巻いてもいい。縦ストラクチャーをフォールで攻めるのもアリです。DBユーマの特徴である2対のシザーアームが微振動で艶かしくバスを誘います。もうひとつおすすめなのが「放置」シザーアームとリーチテールが僅かな水流で勝手に動いてくれるので、放置しておくだけでバイトに持ち込むことができます。これは「ラインを張らない」アプローチなので、ハイプレッシャーであればあるほどその効果は絶大!
推奨タックル
- ロッド:ポイズンアドレナ2610L-S【ジャッカル×シマノ】
- リール:ヴァンキッシュC3000MHG【シマノ】
- ライン:PEライン0.5~0.6号+フロロカーボン5~6lb
出しドコロ
DBユーマはTN60の「リアクション」とは対極の「食わせ」の釣りになります。ハイプレッシャーため池ということであれば、リアクションか食わせどちらかに振り切ったアプローチを意識したほうがいいでしょう。僕はよく小型のベイトフィッシュやエビを意識して投入するルアーです。
秦拓馬のお助け神ルアー:ガヴァチョフロッグ【ジャッカル】
誰も撃てないヘビーカバーの最奥を制圧
僕のハイプレッシャーため池の攻略法としては、上記の4つがメインになりますが、これにあと1つ加えるとしたら「フロッグ」での攻略。ほかの人が撃たない、いや「撃てない」ヘビーカバーの最奥を攻めるときの僕の必須ルアーがガヴァチョフロッグです。ヘビーパワーのロッドにPEライン50lbという専用タックルが必要になってきますが、だからこそ誰にも釣られていない魚が釣れる可能性が高いので、ぜひ挑戦してみて下さい! ヘビーカバーに対応できるヘビータックルで扱うという意味で小型のスピンガヴァチョよりもオリジナルサイズをおすすめします。
推奨タックル
- ロッド:ポイズングロリアス170H【ジャッカル×シマノ】
- リール:アンタレスDC【シマノ】
- ライン:PEライン50lb
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!
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