全国的にバスアングラーにとって最も身近なフィールド、ため池。しかし、身近であるが故に人の出入りも激しく、その中のバス達は毎日のようにルアーを目にし、そして何度も釣られ、完全にスレ切っているケースも少なくない。今回はそんな「激スレため池」でバスを釣るためのおすすめルアーとその使い方を3人のお助け人に伝授してもらった! 今回はセンドウタカシさんのセレクトをお届け。
●文:ルアーマガジン編集部
センドウタカシさんのプロフィール
千藤卓(せんどう・たかし)
陸艇を問わず、豊富な経験と知識を活かし、それぞれのルアーがもつ機能を的確に把握し魚を仕留める、超現実派アングラー。遊びの釣りからトーナメントスタイルまで幅広くバス釣りを愛する男。愛称は「ニンジャ」。
激スレ池でも食ってくれる「優しい魚」を選べ! &究極論はリアクション!
「変数」を固定していくことで情報の質は上がる!
自然相手のバス釣りには、天候、時間帯、水質や流れの変化などほかにも様々な「変数」が存在します。そんな中で、釣り人側までコロコロと頻繁に場所を変えたりルアーを変えたりして「変数」を増やしてしまうと状況を捉えきれない。
なので、1つのフィールドやエリアで、少数に絞ったルアーチョイスで1日やり切るっていうのは1つの正解。そうすれば「釣れるタイミング」がより信頼度の高い情報として増えていく。今回はその前提の上で、激スレため池で1尾を釣るために俺が皆さんにぜひ使ってほしいルアーを紹介しますよ!
野良ネズミ【ティムコ】
やる気のある魚を選別して釣るのがトップウォーター
カバーも攻められるトップウォーター信頼度ナンバーワン!
もちろんオープンウォーターで使ってもよいのですが、このルアーを使う最大のメリットは、誰もが撃ちにくいカバーの奥をストレスなく撃っていけることです。トレブルフックがついたプラグだとどうしても限界がありますから。ハイプレッシャーフィールドで釣るためには、ルアーが投入されにくいヘビーカバーは重要な鍵になります。使い方の基本は連続トゥイッチです。あとは、テールを切ってカバー越しにちょうちんで使うのもオススメですよ! テールがないほうがより強く水面を叩くことができます。
推奨タックル
- ロッド:6.6ft前後・L~MLパワーのスピニングロッド
- リール:2500番ハイギアのスピニングリール
- ライン:PEライン0.8号
出しドコロ
トップウォーターに出てくれるのは、やる気のある気前のいいバスです。どんなに激スレのため池でもそういう心優しい魚が数匹はいる(笑)。それをこちらから選別して釣る戦略になります。ハイプレッシャーになるとトップウォーターのような景気のいい釣りをしない人が多くなる傾向があるので、ぜひ試してみて下さい! トップウォーターの中でも小さくてクイックな動きが出せる野良ネズミはバイトが出やすいと感じます。
TGジャカブレード【ノリーズ】
ブレードによるブレーキ力が肝!
足元のカバーに落とし込むのもアリ!
食わせに走る人が多い中でいかにリアクションでスイッチを入れるか。沖目の魚を狙うのであれば遠投してからのリフト&フォールやズル引きが基本的な使い方になります。ただし今回のテーマのような激スレため池でぜひ試してほしいのが、足元のカバーに落とし込んでシャクる釣り。ダブルフックなので、至近距離でルアーをコントロールできる足元であれば、そこまで根掛かりを恐れる必要はないです。ウエイトは、本当は重ければ重いほうがリアクション効果が高いんだけど、サイズは小さいほうがいいので、9gのモデルが基準になります。
推奨タックル
- ロッド:6.6~7ft前後・ML~Mパワーのベイトロッド
- リール:ハイギアのベイトリール
- ライン:フロロカーボン10lb
出しドコロ
これはもうね、リアクション以外の何ものでもない釣りです(笑)。なぜジャカブレードをおすすめするのかというと、この特徴的なブレードが最大の理由。このブレードがブレーキになってリフト&フォール時の前方への移動距離を抑えてくれるんです。ほかのメタルバイブと比べて、1投でより多くの回数を刻める。それだけバスにアピールしてバイトに持ち込める確率が上がるということです。
ベビーシャッド50SP【ラッキークラフト】
リアクション狙いの先発部隊は名作シャッド!
トゥイッチでリアクションバイトを誘発!
使い方は2種類あって、まずはただ巻きです。ただしこれは比較的簡単に口を使うイージーな魚を拾って釣るイメージ。ルアーを見つけてバスのほうから寄ってきて食ってくれたら、それは激スレじゃないでしょ(笑)。激スレバスはリアクションでしか口を使ってくれないのでトゥイッチを取り入れましょう。もし見えバスを発見したら、バスに当たるかもと思うくらいの至近距離で高速巻き、もしくはトゥイッチです。「リアクション」にバスという生物は抗えないのです。ベビーシャッドは定番ですが、ただ巻きでもトゥイッチでも安定したアクションが出せる優秀なシャッドです。
推奨タックル
- ロッド:6ft前後・Lパワーのスピニングロッド
- リール:2000番ハイギアのスピニングリール
- ライン:フロロカーボン3~4lb
出しドコロ
琵琶湖などの大きいフィールドであればハイプレッシャーであっても、フレッシュな魚が差してきて釣れやすい場所やタイミングが発生する。でもため池のような極めて小規模なフィールドでは基本的にそういった魚の入れ替わりがないので難易度は高いです。そこで激スレバスの攻略法として必須となる要素は「リアクションバイト」まずはキャストを繰り返し、バスの眼前を通すことをイメージしてただ巻きで池全体を引き倒してみて下さい。リアクションバイト狙いの早巻きも有効です。
レインズスワンプミニ【レインズ】
日本全国のバスはこいつが大好き(なハズ)!
食わせもリアクションもいける超現実的選択肢
ボトムを攻める場合はネコリグ、中層に浮いた魚を狙うなら軽めのジグヘッドワッキー、ストラクチャーに引っかけてハングオフでリアクションバイトを狙うならダウンショットリグ、といった具合にこれひとつで「食わせ」も「リアクション」も両方いける便利なルアーです。この万能性のおかげで、冒頭に「変数」の話をしましたが、「ルアーチョイス」という変数をこのルアーで固定できてしまうんです。これで1日やり切るのも有用な経験値を得るための良い手だと思いますよ。
推奨タックル
- ロッド:6.2ft前後・ULパワーのスピニングロッド
- リール:2000番ハイギアのスピニングリール
- ライン:フロロカーボン3lb
出しドコロ
日本全国、ルアーを食うバスは漏れなくスワンプミニが好きだよね、って決めつけてます(笑)。それくらい信頼度が高い。普通の釣りだったら通常サイズのスワンプクローラーを使うけど、激スレため池では、よりリアクション効果を出すため、あるいは食わせに関してもより口を使わせやすくするためにミニのほうを使います。
センドウタカシのお助け神ルアー:SVSB【ディスタイル】
ハイプレッシャーでも圧倒的に効くルアーパワー
これまでにハイプレッシャーフィールドで幾度となく助けられた正真正銘、俺のお助けルアーですね。シャッドやメタルバイブのようにリアクション要素で釣るというよりは、わずかでも食い気があるバスに口を使わせる「食わせのパワー」がある不思議なルアーです。吊るしで使ってもいいし、水中をフォールさせたり、ボトムをズル引いたりしても効く。僕はルアーパワー云々というより、そのルアーがもつ機能や性能をどう使いこなすかが重要だと思っているルアー現実主義者なんですが、このルアーにはとてつもない魔力を感じます(笑)。
推奨タックル
- ロッド:6.6ft前後・UL~Lパワーのスピニングロッド
- リール:2000番ハイギアのスピニングリール
- ライン:フロロカーボン3lb
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
関連する記事
全国的にバスアングラーにとって最も身近なフィールド、ため池。しかし、身近であるが故に人の出入りも激しく、その中のバス達は毎日のようにルアーを目にし、そして何度も釣られ、完全にスレ切っているケースも少な[…]
バスアングラーなら誰もがワクワクしてしまうため池。一見すると楽しそうなこのフィールドだが、釣りができなくなる可能性とは紙一重。我々には何ができるのだろう? 身近で楽しさの詰まった『ため池』をいつまでも[…]
その名の由来は「レッドゾーンに挑む、超える」ラインの意。無類のクルマ好きとして知られるジャッカル小野俊郎CEOが命名。2011年に登場して以来、今なお定番として君臨する『レッドスプール』が、満を持して[…]
全国的にバスアングラーにとって最も身近なフィールド、ため池。しかし、身近であるが故に人の出入りも激しく、その中のバス達は毎日のようにルアーを目にし、そして何度も釣られ、完全にスレ切っているケースも少な[…]
今、スピニングタックルの常識が進化しつつある。いわゆるフィネスタックルに、PEラインを巻くスタイルが浸透してきているのだ。そしてその革新の背景には、PEラインの進化があった…。YGKテスター高須賀豊さ[…]