【シーバス入門者必見!】熊本シーバスは「コノシロ」がカギ! ベイトタックル好きアングラーが指南する「スーパーシャローランナー」を軸とした釣りの組み立て方とは?

シーバスフィールドとしての知名度が年々高まりつつある、熊本県。秋の深まりと共に、この地を訪れるアングラーもどんどん増えていくことだろう。そんな熊本エリアのシーバスフィッシングを得意とするのが、DAIWAフィールドテスターを務める浦田諒さん。真夏の高水温が和らぎ、秋らしくなる9月以降のシーズナルパターンについて解説してもらった。

●文:ルアマガプラス編集部

大型プラグで緻密にアプローチする熊本のシーバスハンター

浦田 諒(うらた・りょう)
澄んだ河川、濁った河川、干潟、海峡などの多彩なフィールドが広がる熊本県がホームグラウンド。主に、大型プラグでビッグバイトを狙うシーバスハンターで、パワータックルを駆使しつつもアプローチは極めて緻密。価値ある一匹を求めて正確な一手を繰り出していく。DAIWAフィールドテスター。

熊本全体MAP(菊池川、白川、緑川、球磨川、上天草含む)

熊本のシーバス釣りの代表的なベイトと言えば「コノシロ」

熊本のフィールドは多彩で、複数の1級河川を含む数多くの河川が八代海、有明海へと注ぎ込む。また、干潟や天草の瀬戸、海峡、外向きの磯、魚種も豊富で圧倒的なスケールの大きさも魅力のひとつとなっている。そんな場所でシーバス釣りをする際、カギを握るのが「コノシロ」の存在だ。

熊本のシーバス釣りで意識するべきは、こちらの「コノシロ」の存在だ。

浦田「熊本界隈では、河川に常駐しているイナッコやボラ、アユ、イワシ、サヨリなど、シーバスの捕食対象となるベイトはたくさんいます。でも、とりわけ河川でも天草界隈でも、最も意識するべきはコノシロです。コノシロが捕食ターゲットとなる場合は、数、型ともに爆発的な釣果が得られることもしばしば。これはコノシロの数が要因ではないかと思います。背負っていたランディングネットに勝手に入ってくるほど、辺り一面コノシロ…なんてことも。

また、春〜初夏から雨による増水の影響が顕著になってきますが、9月以降もこの増水のタイミングが釣果を出しやすいタイミングでもあります。増水直後はボラやイナッコ、上流から流されてくるアユやその他の川魚がメインベイトになり、河口付近にいるシーバスたちも嗅覚でそれを察知し、一気に河川に入り込んで捕食するといった構図ですね。その後、上げ潮で河川の塩分濃度があがると増水中のタイミングでもコノシロの河川遡上が期待できます」

――各フィールドごとにコノシロが入ってくるタイミングはありますか?

浦田「もちろん『傾向』はあります。河川よっては、真夏の高水温期を除き頻繁に遡上したりしますが、逆にほとんど見かけないという河川もあったり。このタイミングに関しては、まさにコノシロ次第なんですよね。カモメや鵜、トンビが目印になったりもします。水面ばかりでなく、空にも目を向けることも大事ですね」

一年を通した浦田さんのメインタックルセッティング

浦田「河川も海もどちらも共通で、1年を通してラテオのベイトモデル『93MB』をメインに使用しています。このロッドの魅力は基本的にはスーパーランカーに狙いを定めていて、使用ルアーも12cmクラスのスタンダードなものから、50gクラスのビッグベイトまで扱える上に、138gというモアザンシリーズに匹敵する軽さも持ち合わせています。

もっと具体的に言えば『ショアラインシャイナーZ バーティス』やシンキングペンシルの遠投はもちろん、モンスターウェイクやガルバストロングのような大型ルアー、ヘビールアーのキャスタビリティも高い。ウエイトの乗った90cmオーバーを余裕で受け止めるパワーもありながら、強すぎない調子、シャープな操作感で1ランク、2ランク上のクオリティです」

シーズンを通して大型のベイトが存在し、常にランカーサイズが狙える熊本のフィールドに、非常にマッチしたロッドとのことだ。

浦田「スピニングを使っていたこともありますが、その場合は1号から2号のPEラインをフィールドや使用したいルアーサイズに応じて使い分けていました。ラインの径が変わると、操作性やタックルバランス、飛距離など気にするべき点が非常に多かった。

ですが、ベイトスタイルになってからはその問題も解消されました。ベイトリールの構造上、ラインは無駄な抵抗を受けることなく真っ直ぐ放出されるため、PEの径はほとんど影響されないんです。なので、普段はPE2号を巻いています。

ただ、強いラインで飛距離も出せるというメリットがある反面、ライントラブルが気になる…といった デメリットも聞こえてきますので、一長一短ではあることは違いないですが、今はリールの性能もものすごく高いので、 恐れず使い続けることでトラブルも減ってくるものです」

●ロッド:ラテオ ベイトモデル93MB●リール:ジリオンTWHD1000XHL●ライン:UVFソルティガデュラセンサー8+Si2 2号●リーダー:モアザンリーダーEX Ⅱ TYPE-F 30Lb ※すべてDAIWA

浦田さんの熊本シーバス攻略概要

攻略項目熊本河川攻略情報
季節9月後半〜
ベイトコノシロ(15〜20cm前後)
パターンミノープラグによる明暗周辺の攻略、橋脚周辺の流れ(ヨレ)の攻略
ルアー例【実釣時使用ルアー】
「ショアラインシャイナーZバーティスR140F-SSR」
「ショアラインシャイナーZバーティスR125F-SSR」
「ショアラインシャイナーZバーティスR125F」
「モアザン ミニエント70S」
「モアザン レイジーファシャッド70S」
【秋終盤に期待の大型ルアー】
「モアザン モンスターウェイク156F」
「モアザン ガルバストロング120S」
「モアザン モンスタースライダー160F」
「モアザン レイジーファシャッドJ170.5F」
「モアザン レイジーファシャッドJ170.5S」
ロッド例「ラテオ ベイトモデル 93MB」

入門者でも使いやすいミノープラグを軸とした釣りの展開

――浦田さんの普段の釣り場選択の基準は?

浦田「私のメインフィールドは、状況によって河川を巡ったり天草の瀬戸や地磯等を巡ったりと様々です。その時の状況と、やりたいシチュエーションで気ままに釣りをしています。

河川では基本的に橋の明暗や、湾曲部、地形変化に富んだエリアを狙います。熊本では、潮の干満差が5mとなる時期もあり、フィールドは刻一刻と姿が変わり、釣り場の水位がポイント選び、移動のきっかけになったりします。

干潮時にフィールドをチェックしておくと水位が高い状態でも、ボトムの形状や、瀬などのストラクチャーの位置や水中の様子もイメージしやすいです」

ナイトリバーシーバスゲーム

浦田「明暗の境目をメインに、明部・暗部とシーバスに対してアプローチをかけていきます。この場合、活性が高い個体が表層を意識していることが多く、表層付近から探っていくことでシンプルに反応を伺うことができます」

橋梁明暗部ではベイトの種類に関わらずシーバスがいることが多く、ベイトの存在も確認しやすく、シーバスフィッシングでは非常に重要なポイントである。

浦田「橋梁のライト下では、ベイトは水面での群れ方や跳ね方で種類と大きさの判断がしやすいんです。数種類のベイトが混在しているときもありますが、各ベイトの種類が判断できるようになると『何を喰ってんだろう?』 『ベイトのサイズはどのくらいだろう?』などの小さな疑問はなくなります。これだけでも、釣りのモチベーションは上がってきますよね」

初心者でも扱いやすいミノープラグでのアプローチ

こちらはショアラインシャイナーZバーティスR140-SSRでの釣果。この冬リリース予定の新作ミノープラグだ。

今回メインとなるのは、入門者でも扱いやすいミノープラグ『ショアラインシャイナーZバーティスRシリーズ』を軸とした釣りの展開だ。

浦田「上の魚を釣り上げた時、ちょうど明暗の境目より上流側の少し明るい辺りに15cmほどのイナッコが群れていました。そのイナッコたちが、シーバスがいるであろう暗部に入るまいとしているタイミングで『バーティスR140F-SSR』をキャスト。水面下30cmほどのレンジをトレースすると早速バイトがありました」

――浦田さんの明暗攻略のコツなどあれば教えてください!

浦田「ざっくりとしたコースでバイトするときもあれば、明暗の境目ギリギリ、暗よりも明部、明部よりも暗部など、その時々でヒットポイントとなるトレースレーンを探していきます。 立ち位置(橋に近いのか遠いのかで狙いたいポイントとの角度が変わる)、ルアー着水点から ロッドまでのラインの描く角度、リトリーブスピードなどその日の状況にマッチする方法を探し出していきます。

ベイトが少ない時、ベイトがいても追う雰囲気がない時など、厳しい状況の時ほどあらゆるパターンを試してみるべきですね。

いずれにせよ、どのフィールドでも、同じヒットポイント付近で釣果を伸ばすには、こまめなルアーローテーションが有効です。アクションは違えど、同じレンジでバイトが続くと、シーバスのレンジが下がったり散ったりします。またその逆も然り。その中で、その日の始まりのタイミングでパイロットルアー的存在となるのが『ショアラインシャイナーZバーティスR140F-SSR』です」

パイロットルアーだけじゃない! ショアラインシャイナーZバーティスRシリーズの使い分けで釣果アップ!

『バーティスR140F−SSR』から『バーティスR125F−SSR』にチェンジすると、グッドサイズのシーバスがヒット。

――浦田さんが愛用しているという『ショアラインシャイナーZバーティスR』シリーズですが、具体的に使い分けの方法などあれば教えてください。

浦田「ひとつはサイズダウンですね。ルアーのサイズを小さくし、さらに潜航レンジを少し入れることでシーバスが違和感を感じにくくなり、バイトを引き出すことができます。

『バーティスR140F−SSR』と『バーティスR125F−SSR』。この2つのルアーの使い分けだけでも、水面下60cmくらいまでのレンジの攻略に効果的ですね

また、SSRで引けるレンジよりさらに下へ、オリジナルの『バーティスR125F』を入れてやるのも効果的です」

こちらは『ショアラインシャイナーZバーティスR125F』での釣果。SSR(スーパーシャローランナー)よりさらに下のレンジを引いての釣果だ。

明暗だけじゃない! 橋脚を絡めた攻略

『バーティスR140F-SSR』ビジブルパールコノシロカラーでの釣果。

橋梁には明暗の釣りの他、橋脚を絡めて流れを利用する釣りだ。

浦田「橋脚に流れがぶつかりその下流には流れの反転流が発生します。『ヨレ』や『たるみ』などと呼んだりしますが、本流の流れが強いほど、反転流の流れが周囲より弱くなっており、その場所にシーバスがステイすることもよくあります

これはシーバスが本流筋から押し流されてくるベイトを橋脚下流のヨレで待ち伏せている状況だ。

浦田「 このような場所は、着水点が見えにくいうえにポイントに正確にキャストしなければなりません。そのためには、安定した飛行姿勢と視認性の良いカラーの組み合わせが重要です。具体的にはナチュラル系やメッキ系より、パール系、チャート系が暗闇の中での視認性が良く、シーバスにとっても釣果実績のあるカラーです」

浦田さんのお気に入りが『ビジブルパールコノシロ』カラーだ。

『ショアラインシャイナー バーティスR140F−SSR』に新たに採用される「ビジブルパールコノシロ」カラー。

浦田「このビジブルパールコノシロは、これから発売になる『バーティスR140F−SSR』で初めて採用されるカラーで、ナイトゲームや濁りが入っているシチュエーションにオススメです。 しかも! 暗闇でライトなしでルアーケースから取り出せるという、大きなメリットが!! とにかく暗闇でも見つけやすいんです」

中層やボトムの魚は別のルアーでフォローする

浦田「静まり返った雰囲気の中で、意外と中層やボトムぴったりにステイしているシーバスも多く、『モアザン ミニエント70S』や『モアザン ファシャッド70S』と言ったルアーでのフォローも効果的です」

モアザン ミニエント70S

浦田「デイゲームでは早い展開で使うバイブレーションですが、ナイトゲームでは、流れに乗せボトム付 近をドリフトさせます。振動しないくらいでリトリーブし、時折、細かいトゥイッチを入れたり、明確に リフトアンドフォールで食わせの間を作り出します」

モアザン レイジーファシャッド70S

浦田「ある程度ゆるい流れから、強い流れまで対応でき、操作はバイブレーションと同じような感じでOKです。キャストして流れにラインをなじませ、ゆっくり巻くだけでゆらゆらとスラロームしながらドリフトさせるのも効果的。 バイブレーションとはアクションを入れた時のボディの揺れ方の違いで使い分けて釣果を伸ばせます」

飛距離も出せるルアーなので、ロングレンジのボイル撃ちにもオススメだ。

浦田「ミノーでは、あの辺りでバイトあったんだけどな〜、という場所をもう一度攻めてみると意外とバイト連発! しかもランカーヒット! なんてこともよくあります」

大型を狙うなら街灯などの影響の少ないエリアを探ることも重要!

前項では橋脚周りの明暗について触れているが、そうした場所は「比較的小型のシーバスが入ることが多い」と、浦田さん。

浦田「大型を狙いに行くのであれば、 街灯などの影響の少ないエリアを選択することも重要です。河川の湾曲部、地形が複雑なポイント、河口の流れが効くエリアや潮通しが良く海からの回遊が期待できるエリアなど、心房強く粘る ことも多々ありますが、ランカーと出会える確率も高くなりますね。

このようなポイントでも、パイロットルアーは『バーティスR140F−SSR』です。回遊してくる大型のシーバスは数匹の群れで入ってきて表層付近にいることが多いです。なので遠投性能も高く、表層をナチュラルにアプローチできる『バーティスR』のSSRモデルがオススメです」

――大型を狙って釣る方法はある?

浦田「目視で流れの変化が分かるようであれば、そのエリアを丹念にサーチします。また、 地形変化があるところにはベイトも溜まりやすく、移動せずにピチャピチャと跳ねていることもあります。周囲の変化を常に意識していると「あれ? 今ベイトの跳ね方が違ったな? 数匹が一気に跳ねたような…」など、一瞬でも違いを感じたときは必ずチェックするようにしています」

わずかな違和感でも、少しの変化でも、貴重な一尾にたどり着くきっかけになるということだ。

浦田「好きなタックルで、信じたルアーで、お気に入りのカラーで、厳しい状況であっても投げ続けることが、シーバスに辿り着く近道になると思います。何を投げても釣れるようなこともありますが、様々なシチュエーションを経験して、手を変え品を変え苦労して掴み取った1尾はサイズを問わず嬉しいものですよね!」

使用ルアーまとめ

1「ショアラインシャイナーZバーティスR140F-SSR」、2「ショアラインシャイナーZバーティスR125F-SSR」
3「ショアラインシャイナーZバーティスR125F」4「モアザン ミニエント70S」5「モアザン レイジーファシャッド70S」

秋の深まりとともにビッグベイトへの反応もよくなっていく!

浦田「秋が深まるにつれ、ウエイトを増したパワフルなシーバスが増えてきます。あちらこちらで釣果を聞くようになると、羨ましくなるのは釣り人の性ですが、近年マナーでのトラブルも増えています。地元アングラーも遠征で訪れるアングラーもお互いに思いやりを持ち、釣りを通して良い交流ができれば幸いです。この先、皆様の釣りがいつの日も思い出に残る釣行になりますように!」

左上から時計回りに「モアザン モンスターウェイク156F」「モアザン モンスタースライダー160F」「モアザン レイジーファシャッドJ170.5F」「モアザン レイジーファシャッドJ170.5S」「モアザン ガルバストロング120S」

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