大場所の回遊待ちでは、いつまで経っても釣れる気がしない…。そもそもこの場所にシーバスは回ってくるのか? そんな悩めるあなたにオススメするのが小場所の釣り。シーバスは小規模エリアもとっても好きな魚。実は足元にもシーバスのパラダイスは広がっている!
●文:ルアーマガジンソルト編集部
濱本 国彦(はまもと・くにひこ)
香川県在住。流れを読むドリフトの釣りと、小場所での接近戦を得意とする。その豊富な経験をルアー・ロッドプロデュースに注ぎ、ヒット作を生み出してきている。明るいキャラクターで人望も厚く、多くのアングラーに慕われる存在だ。APIAのアンバサダーをつとめている。
実釣フィールドは、濱本さんの地元の香川周辺
澄んだ水はNG! 近距離攻略の要は雨後の濁りにあり!
河川でのドリフトパターンの印象が強い濱本さんだが、それ同様に得意な釣りがある。それは小規模エリアの近距離戦だ。濱本さんのホームである香川県は、そんな釣りが通用する運河エリアがたくさんある。
濱本「年間を通じたら、ドリフトの釣りをやることのほうが少ないですね。近距離の釣りが普段の釣りの大部分を占めていますよ」
近距離の釣りをするようになったきっかけは?
濱本「30年ほど前、手探りでシーバスを探しているときに、俗にいう大場所でルアーを遠投してシーバスを釣ろうとしていました。でも、効率が悪くて最初は全然釣れなかったんよね。堤防の先端の立ってルアーを投げれば、いつかは釣れる。それは、今日かもしれないし、半年後かもしれない。それで、シーバスを求めるうちに、どんどんエリアも狭まって、釣りも接近戦になっていったというわけです」
回遊待ちではなく、シーバスがいる場所にこちらから直接ルアーを入れ込んでいくスタイルになっていった濱本さん。釣り場は小規模の運河などだ。
濱本「シーバスは小さい河川でもどんどん入ってくるということに気付いたんだよね。そして、大場所で釣りをするよりも圧倒的に当てやすい。また、サイズも決して小さくない。足元で普通にランカーが出たりしますよ」
そして、この釣りにもっとも重要なファクターが濁りだ。
濱本「魚との距離がとても近い釣りなので、濁りが入っていないとシーバスが喰ってきません。人の存在感も大きくなるし、ルアーも騙せない。大雨が降った直後の濁りがベストですね。水深20〜30cm下が見えてしまうような澄み具合ではアウトです。濁りによって、より貪欲になるし、積極的にルアーを追うようになり、スイッチが入りやすくなりますよ」
キャストせずロッド操作でルアーを足元で泳がせる
足元からランカー。小場所でもビッグベイト。そんなギャップが大きな魅力
今回濱本さんが見せた釣りは超ハイスピードランガンだ。2〜3回ルアーを通して次の場所に移動、ということも少なくなかった。
濱本「やっている場所が小規模だから、シーバスがいればすぐに喰ってくるからね。反応がなければ次に移動で大丈夫。粘る必要はありません」
また、潮位に関してもとても気にして釣りをしていた。
濱本「濁りの次に大切なのが潮位で、元々が浅い場所をやっているから、場所ごとにあった水深でエントリーしていかなくてはいけない。浅くなりすぎたらシーバスが抜けてしまたったり、逆に満水だとシーバスが定位しないで通り過ぎてしまうような地形変化もある。その潮位によってシーバスがいるいないも把握しているんで、時間に追われながらのランガンになりますね」
HITルアー:ラムタラ(APIA)
ドリフトミノーとして有名だが、あらゆる使い方ができるマルチなルアー。ただ巻だけでなくトゥイッチでも機敏な動きが出る。今回は壁際の水面直下をスローに引いてヒットに持ち込んだ。
そして、ついに待望のヒット。橋の下で掛けた魚を広いところに誘導し、最後はネットイン。堂々の80アップだ。
濱本「意外に大きかったね! 橋の下の護岸の角にドーバーを通したらすぐに喰ってきましたね。新しいナチュラルセブンも良い仕事をしてくれました、大満足です!」
HITルアー:ドーバー82S(APIA)
水噛みが良く、レンジコントロールがしやすいのが特徴。シンキングだが、ラインコントロールでサスペンド気味にステイさせることもできる。ちょんちょんとトゥイッチさせ、止めた瞬間にバイト、というパターンも多い。
濱本さんオススメの、小場所実績ルアーBEST5
【本気の喰わせ用ルアー】
- A.C.ミノー8inch(A.C.プラグ)
見た目に反して驚くべき魔力を秘めたルアー。表層をゆっくり巻くけでシーバスのスイッチが入ってしまう。今回もデイゲームでバイトの寸前まで70cmクラスがチェイスしてきた。 - BBZ-1 ラット40(スプロ)
こちらもお遊びじゃなく、あくまでシリアス。これも水面を巻くだけのウエイクルアーだ。流れ込みでワンバイト。「最初は面白半分でだったけど、使ってみたら結構釣れる(笑)」 - ブルージュ190F(ヒフミクリエイティング)
多関節の動きの滑らかさがあるルアーで、アクションの入力に機敏に反応。グライドの幅も自在に変化させることができる。ビッグベイト界隈では「ブルージュ投げときゃボウズなし」の格言があるほど釣れるルアー。
【確認&仕上げ用ルアー】
- パワーヘッド6g&アルカリシャッド(コアマン)
- VJ-16(コアマン)
シーバスがいるかいないか最後に確認するための仕上げとして投入。プラグでひとしきり釣ったあと、これを入れるとまた連発することも。ワームだからこそ釣れる魚も確実に存在している。
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