巻きモノ使い分けをバスプロ4人に聞いてみた【クランクベイト/バイブレーション/スピナーベイト/ブレーデッドジグ】

秋と言えば巻きモノが最も有効的になる季節。ひとえに巻きモノと言えど、クランクベイト、スピナーベイト、バイブレーション、ブレーデッドジグなどなどランナップは様々で正直何を使えばいいのかが曖昧な部分も多い。そこで巻きモノの正解をいち早く導き出すべく巻きのスペシャリスト4名が徹底解説。このページを読めば、釣り場で迷うことないルアーローテができること間違いなしだ!

●文:ルアーマガジン編集部

2024 秋エギング特集

4人のプロフィール

北大祐(きた・だいすけ)

ハードベイトを多用するスタイルを得意とし、国内最高峰カテゴリーJBトップ50において通算4勝、年間優勝2回の実績を持つ。2018年に自身のブランド『ペイフォワード』を設立。2019年からはバスフィッシングのさらなる深奥を求めてアメリカでのトーナメント活動を本格化させている。

杉村和哉(すぎむら・かずや)

琵琶湖のプロフェッショナルガイドとして活躍し、そのホスピタリティ溢れるガイドスタイルから予約が取れない人気ガイドとしても有名。ブレーデッドジグやスピナーベイトなどの巻きの展開を得意とし、実直な釣果を追い求めるリアリストでもある。メガバスのフィールドテスターも務める実力者。

並木敏成(なみき・としなり)

国内外で華々しい成績を残し、今なお最前線で活躍し続けるレジェンドアングラー。卓越したキャスティング技術及びキャスト理論は本人の代名詞ともなっている。O.S.P inc代表。

秦拓馬(はた・たくま)

元国内最高峰カテゴリーJBトップ50のトーナメントプロにして、現ユーチューバーとして知られるスーパーアングラー。その軽快なトークと確かな釣りのスキルに加え、驚異的なキャスト能力でも世のアングラーを魅了する。

北大祐さんのクランクベイト使い分け論

頭の中のイメージを具現化しやすいのが『クランクベイト』の最大の武器です。

クランクベイトの有効性

秋に限らないことですが、『魚を探す』ということを考えたときに、ほとんどの状況下でクランクベイトが一番スピーディーかつ正確なんですよ。

スピーディーという点だけを見るとバイブレーションなどもあるのですが、クランクベイトの一番の強みは狙ったレンジを引きやすいということ。だから魚がどのレンジを意識しているのかということが1番探りやすいですね。

バイブレーションやスピナーベイトもブレーデッドジグも曖昧なんですよ。3mで釣っていると思っていても実は2mで釣れていたとか、そういう勘違いが起きやすいルアーなんですよね。

でもクランクベイトは最初の潜りはじめとピックアップ以外は同じレンジを巻き続けられるので、自分の頭の中で思い描いていたことが再現しやすいんですよね。

クランクベイトの効果的な使い方

基本的には投げて巻くだけです。

ミスを犯しやすいのは、ボトムノックをすれば釣れると思い込んでしまうこと。クランクベイトにコンフィデンスを持てない人はボトムノックをすれば釣れるだろうと思い込んでいる人が多いと思います。

クランクにおいてのボトムノックは、ライトリグに言い換えるとシェイクのような、ただ1つのアクションに過ぎないということです。

ライトリグって、シェイク以外でも巻きでもズル引きでも釣れるじゃないですか。クランクが1番秀でている能力は、レンジを刻めるということなんですよ。

秋が深まってくるとターンオーバーとかいろいろな要素が入れ替わってくるので、その時に絶対に有効になってくるレンジは決してボトムだけではありません。色々な層を刻みながらその日の当たりレンジを見つけてあげることが大切です。

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杉村和哉さんのブレーデッドジグ使い分け論

ブレーデッドジグは夏から秋へと季節が進行するタイミングで威力を発揮します。

ブレーデッドジグの有効性

ブレーデッドジグは基本リアクションで口を使わせるルアーになると思うんですよ。秋って気温の変化が激しい季節なので、バスも様々なエリアに散らばりやすいし、魚のコンディションもバラバラだと思うんです。だから魚が高活性であれ低活性であれリアクションバイトをしっかりととることができるのがブレーデッドジグだと思いますね。

なので、広範囲に散らばっている色んなコンディションのバスに対して、スピードや波動、着水音などのリアクション要素で本能的に口を使わせることができるルアーかなと思います。

効果的な使い方

基本的には投げて巻くだけですが、僕は遠投は必要ないと思っています。琵琶湖のガイドを長年やって僕が見えてきたのは、ブレーデッドジグって水深1.5mぐらいを引くことが多いんですよ。なので、着水音が一つのアピールポイントかなと思っているので、ショートピッチでおおよそ10~15mぐらいキャストして、着水音を大きめに立ててから5巻き目ぐらいまでが1番チャンスがありますね。

ショートピッチでキャストしてウィードエリアのストラクチャーに2回ぐらい当たるような速度で巻きます。トレーラーは5in程度のワームであればぶっちゃけ何でもアリです(笑)。でもシャッドテールはNG。速く巻くとやたら浮き上がりが多くなるし、アクション的に美しくなくなっちゃうので。それに僕は必ずT・Nトレーラーフック2/0(ハヤブサ)をつけています。

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並木敏成さんのスピナーベイト使い分け論

天候やレンジ、フィールドなどありとあらゆる要素に左右されない万能さがあるね。

スピナーベイトの有効性

スピナーベイトはバスの目線の上も下も引けるし、フォールさせたりもできるし、目の前を通してリアクションやサイトとかでも使えるのがいいよね。あと、基本フラッシングが中心なので、クリアウォーターでもだましやすい。

クランクベイトやブレーデッドジグは、音がするから水が濁っていないと釣りにくいけど、スピナーベイトって無音なので、クリアウォーターでも使えるからね。バイブレーションとかもクリアだと見切られるけどスピナーベイトは波動が少なくて真っ直ぐスーッと引くことができるからね。あと、根掛かりしにくいという点も大きい。

トレーラーワームをセットすればスキッピングでカバーの奥にも入れることができるのもメリットだよね。

効果的な使い方

タックルは基本MH~Hぐらいの硬めのロッドがいいですね。でかバスはアームごと丸飲みするんですよ。

アームってラバージグのブラシみたいにフックをガードする役割もあるから、丸飲みしたスピナーベイトをシングルフックにガツンとかけるにはそれなりに張りがあるほうがいいし、リールも8.1ぐらいのハイギアを使ってフッキングした後に魚をすぐに手前に寄せることができるしね。

トレーラーワームやフックは状況によってつけたり外したりします。たとえば水が濁っているとか、カーブフォールでカバーに入れたりとか、フォール中心の誘い方をするときには、針が裸になってしまうので針を隠すためにトレーラーをつけるね。あとは、同じウエイトでよりゆっくり引いたり、浅いレンジで浮き上がらせたい状況でもつけると効果的だね。

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秦拓馬さんのバイブレーション使い分け論

スポットの優位性が薄れる秋だからこそのルアーかなと思いますね。

バイブレーションの有効性

秋のバスフィッシングはスポットによる優位性が薄れるタイミングなんですよね。

たとえば3mのカバー、2mのカバーという水深とかレンジの違いによる差が生まれにくいんですよ。たとえば夏であればよりディープのほうが反応が良くなるとか考えられるじゃないですか。そういう差がなくなってきて、いろいろな所を効率よく攻めたいタイミングで、最もパイロットルアー的に使用できるのがバイブレーションかなと思いますね。

魚のコンディション的にもエサを食いたいときも食いたくないときもバイブレーションって良さを発揮してくれるんですよね。低活性でフィーディングを起こし辛いタイミングでも、バスが定位しているストラクチャーにルアーを当ててリアクションによって食わせるということができるので、どのコンディションでもバイブレーションは魚を釣ることができますね。

効果的な使い方

野池で使ったり、リザーバーのフラットエリアで使うことが多いんですけど、基本的には3mよりも浅いレンジで使うことが多いですね。立ち位置として、自分が立っている浅い側からルアーを深い側に投げて、ブレイクをなぞりながら巻いてくるイメージですね。

ロッドの長さは7ft以上でやることが多いですね。今僕がメインで使用しているロッドは72Mというモデル。リールはハイギアを使用しています。

ラインに関しては12lbをメインにするんですけれど、8~10lbクラスの細いラインを使用する場合もありますね。これはルアーをローテーションするのと同じで、タックルをローテーションすることで、釣果がでるケースがあるからなんです。さらに言うと、巻き方とかフックのセッティングも場合によっては変えると効果的に魚を探れますね。

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『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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