DAIWA・ミッチー高橋提唱の「SDメソッド」はタフコンを打破するヒラメ必釣メソッドだった!【ミッチー高橋のサーフタクティクスEpisode.5後編】

近年日本のソルトルアーフィッシングシーンの中でも、圧倒的な人気を誇り、一大ジャンルへと飛躍したサーフからのヒラメ釣り。広大な砂浜から、少ない情報や自身の観察力を駆使し、導き出さなければいけないその釣りは、決してイージーとは言えないが釣り上げたときの感動と爽快感は図り知れない。そんなヒラメゲームの新たな攻略法を探究し、発信し続けるアングラーが「ミッチー高橋さん」である。今回は昨年の晩秋に取材に訪れた爆シケな常磐サーフの攻略秘話を公開!「帰りたくなるような」サーフをどのよにして攻略したのか!?

●写真/文:高橋慶朗

高橋慶朗(たかはし・みちあき)
ヒラメを始めとしたフラットフィッシュから、シーバス、青物、ロックフィッシュなどあらゆるソルトルアー魚種に精通するスーパーエキスパート。固定観念に捕らわれず、常に進化を求めるアグレッシブなスタイルに定評がある。またシーバスやオオニベにおいてはレコードホルダーとしての顔を持つ(シーバスJGFA・IGFA20lbラインクラス日本&世界記録【107cm9.5kg】、オオニベJGFA20lbラインクラス日本記録【150cm26.4kg】)。グローブライド(DAIWA)勤務。愛称はミッチー。 [写真タップで拡大]

前回のシケサーフでの「横コブ」攻略記事はこちら!

イワシ接岸で座布団チャンス! と思いきやまさかの激シケ…

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――前回はミッチーさんに昨年の晩秋取材された、激シケサーフでの実釣における攻略法「横ヨブ×SDメソッド」の解説をしていただきましたが、今回は具体的な実釣内容の詳細について語っていただきたいと思います。

ミッチー高橋「激シケ、いや爆シケと言っても過言ではなかったかも…(苦笑)。ちょうどシケになる前に常磐サーフでイワシの接岸が始まり、良型ヒラメが釣れ出したとの情報をキャッチしたので、常磐エリアでの取材を計画したんです。

取材2日前の情報では『釣れている!』との事だったのですが、前日の予報で、本命の茨城エリアは波が高い予報に変わり、急遽、穏やかな予報の出ている福島県いわきサーフに変更することとなったんです」

――なんと言いますか、釣りあるある(笑)。行こうとしたタイミングで風向きや波が高くなるんですよね(泣)。

ミッチー高橋「そうそう、とはいえ、前回にも解説したように常磐サーフは晩秋~初冬にかけては季節の変わり目で3日程の短い間隔で凪とシケが交互に繰り返されるので慣例なんですよ。なので少し北上していわきサーフに行ったのですが…」

――シケの影響は広範囲に及んでいたと。

ミッチー高橋「そうなんです。穏やかな予報が出ていたのですが、夜明け前にポイントへ到着し車を降りると、風は殆ど吹いていないのですが、海岸方向からゴーゴーと大波の崩れる音が聞こえてきました。

準備を終えて浜に降りてみると、嫌な予感は的中し、大波が海岸線に押し寄せて寄せ波と引き波の幅は20mを超えていた。これでは釣りにならないと移動も考えたのですが、沖にサンドバーがあってその手前が深い横ヨブになっている場所が1か所だけあったので、駄目元でその場所から開始することにしました」

――シケ且つ暗い状況ですぐに釣りが出来るポイントを見つけ出せるのが既にスゴいですw

ミッチー高橋「その場所は、ウネリが沖のサンドバーで崩れ、波打ち際は何とか釣りが出来る状況だったんですよ。まずは横ヨブの状況を確認すると、波打ち際から50m程沖合までが深く掘れているのが月明かりで確認できたので、FJバーティスR125Sのアデルチャートマーブルをセットし、横ヨブの幅が急激に広くなり始めている場所の流れの上流側に向けてフルキャスト」

FJバーティスR125S アデルチャートマーブル(DAIWA) [写真タップで拡大]


ミッチー高橋「まずは着水直後からデットスローリトリーブで引いてみると、波打ち際までリップを擦らずにルアーが戻ってきたので水深は2m以上あると推測。次のキャストでは着水後糸ふけを取ったのちリトリーブせずに流れに乗せてルアーを沈めてみると、ルアーが底に当たったようなゴンっという感触が手元に伝わってきたのでロッドを煽り一度ルアーを浮かせると、直後、今度はガツンと明確なアタリ! すかさず合わせを入れると、バタバタというヒラメ特有の引きが手元に伝わってきました。今日はこのチャンスを逃すと苦労しそうなので慎重にファイトしたのですが、波打ち際まで引いてきたところで運悪く大波が来てしまい、痛恨のフックアウト」

――バラしたのは残念ですが、ミッチーさんの狙い通りでしたね。SDメソッドもドンピシャ!

ミッチー高橋「高活性な証拠ですよね。気を取り直してすぐにキャスト再開し、先程と同じパターンでルアーを沈めていくと、今度はいきなりゴンっとヒット!しかし、直ぐにエラ洗いしたことからヒットしたのはシーバスであることが判りました」

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ミッチー高橋「程なくして上がってきたのは80cmの良型シーバス。釣れてくれて嬉しいが、今回はヒラメ狙いなので直前のバラシが悔やまれました…」

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――本当は嬉しいサイズなんですけどね(苦笑)。とはいえ元々はシーバス用ミノーをルーツとするので釣れるはずです。

更にこの数投後にも同じパターンで75cmのシーバスがヒット。

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ミッチー高橋「この魚で、ベイトフィッシュの群れが周辺に居ると判断、なるべくシーバスが掛からないようボトムを意識してより下のレンジを攻めてみたのですが、結局、周辺のアングラーも含めシーバス以外のヒットは無いまま朝マズメは終了となりました」

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同行者に待望のヒラメ!『SDメソッド』がタフコンディションを打ち破る!

ミッチー高橋「朝イチの魚も、引きはヒラメであったが姿は確認していないこと、周辺のアングラーもシーバスしか釣り上げていないこと、潮位が上がり始め、沖のサンドバーをウネリが超え始めてきたことから、このタイミングで移動を決意します。

潮位の高い時間帯でもウネリをかわせる場所を検討したのですが、該当箇所がなかった為、茨城県方面に南下しながら各ポイントをチェックするも、満潮と重なったことで全てウネリが高く釣りにならない状況。再度朝のポイントに入り直すこととしました」

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――取材のときにポイントが選べないのは本当にキツイ…ですが、朝のポイントにエントリーできるのはせめてもの救いですね。

ミッチー高橋ところが14時過ぎにポイントへ到着すると、朝よりはウネリも収まり、横ヨブも姿を現していたんです」

――朝よりも状況が良くなっていたと!

ミッチー高橋「そうなんです、この状況であれば間違いなくヒラメは潜んでいるので、夕マズメまで粘れば1チャンスあるはず。ここぞと思われる横ヨブの幅が急激に広くなることで流れが穏やかになり始める場所に狙いを絞り、SDメソッドで徹底抗戦する作戦を決行しました。

FJバーティスR125Sをキャストし続けること2時間、16時を回ったところで、同行の野上君のロッドが弧を描きます。上がってきたのは、42cmの待望のヒラメ!」

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ミッチー高橋「正直、今日は厳しいと思っていたので、野上君とガッツポースをしてしまう程の嬉しい1枚となりました。
ちなみに、ヒットの直前にヒイラギのような小魚の群れが見えたとのことで、その部分をFJバーティスR125Sのマットピンクのデットスローリトリーブで繰り返し攻めていたところ、横ヨブの沖側にキャストした後、ルアーが横ヨブの沖側のカケサガリに到達したところでガツンとヒットしてきたとのことでした」

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ミッチー高橋「その後、2枚目を狙って日没まで粘るも、その後はノーバイトのまま終了となりました」

朝マズメチャンスを逃すも…日中にSDメソッド炸裂!値千金のヒラメゲット!

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ミッチー高橋「取材2日目は、前夜の予報では波が落ち着くとのことでしたが、朝に再度予報を確認すると前日よりもシケる予報に悪化していたので、予報では波の収まりが早いと出ていた茨城県北茨城サーフに夜明け前からエントリー。

この場所も、沖にサンドバーがありその手前に横ヨブが形成されている初日と同じような地形だったことから、初日と同じパターンで攻めていく。しかし、如何にも釣れそうな場所をラン&ガンするも、ノーバイトのまま朝マズメは終了してしまいました。残念ながら、この場所はベイトフィッシュの群れが入っていなかったようでした」

――やはり横ヨブはベイトの有無も重要なんですね。

ミッチー高橋「まだ潮位は低いタイミングだったので、一か八かで大きく移動して同じような地形の場所にエントリーし直す作戦に急遽変更します」

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ミッチー高橋「30分程で釣期のポイントに到着。この場所は、沖にサンドバーがあり手前に横ヨブが形成されいるところまでは一緒ですが、波打ち際の海中をよく観察すると、イナッ子の群れが見て取れました」

――まさに条件が整った場所!

ミッチー高橋「今日釣果を出すならここしか無いと確信し、日が高いことからナチュラル系カラーのFJバーティスR 125Sアデルレッドゴールドピンクベリーをセレクトし、イナッ子の群れが居る場所で徹底抗戦を決め込む」

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ミッチー高橋「デットスローリトリーブでキープキャストすること1時間、そのときは突然訪れました。ルアーが横ヨブの中央部に差し掛かったところで、ゴンっとロッドティップが絞り込まれる。これをバラしたら次は無いのは明白なので、しっかりと追い合わせを入れたのち、寄せ波に乗せて一気にランディングしたのは、起死回生となる47cmのヒラメでした」

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ミッチー高橋「時計のハリは、既に10時を指しており、粘ればまだ釣れそうでしたが、この1枚で納得できたので、これで今釣行は終了としました」

――座布団狙いがまさかの激タフ釣行でしたが、SDメソッドの横ヨブ攻略で見事ミッションコンプリート!これからの時期、全国各地のサーフをみても今回のようなコンディションは増えてきそうですね。そんなときに今回の釣行のハウツーは参考になりそうです!

ミッチー高橋「そうですね、サーフゲームはイージーな状況がそう多くない釣りです。だからこそ喰わせのメソッドとなる攻略法やルアーは必ずもっておきたいですね。今回使用したFJバーティスRはきっと皆様が通われているサーフでも活躍するときがあると思いますので是非SDメソッドを実践していただきたいですね」

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ミッチー高橋使用タックル

ロッド:オーバーゼアグランデ109ML/M(DAIWA)

ミッチー高橋「この釣りではスローリトリーブでルアーのアクションを感じ取る必要があるため10~11ftのミディアムライト~ミディアムクラスサーフ用ロッドが適しています。私は軽さと感度を重視してオーバーゼアグランデを使用しています」

リール:イグジストLT4000-XH(DAIWA)

ミッチー高橋「リールはダイワLT4000番がお薦めで、私はイグジストLT4000-XHを使用、PEラインはモアザン12ブレイドの1号で、これにフロロカーボンのモアザンリーダーEXタイプ20LBを1m程リーダーとして結束しています」

SDメソッドを知りたければこちらの動画も要チェック!

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