「ハーフテンションフォール」をはじめ独自のエギング理論を打ち出す関西エギング界のエキスパート・おかぴ~こと岡隆之さん。2019年DAIWAのエメラルダスチームに加入し、さらなる活躍の幅をひろげている。今回のテーマは普段ポイントとしては遠ざけられている「河口域」のエギングについて。アオリイカは真水を嫌うとされ、通常汽水域である河川河口部でのエギングは成立されないと思われがち…。しかし、岡さん曰くでかイカも狙える「ポテンシャル」を持つフィールドと考えている。既成概念を取っ払う河口エギングについて語っていただきました!
●写真/文:岡隆之
フィッシングショーでも引っ張りだこ!? サイン&撮影に大忙しだったおかぴ~さん!
【岡隆之(おか・たかゆき)】
明るいキャラクターとわかりやすいトークで多くのファンを持つ関西のエキスパートエギンガー。通称「おかぴ~」。おちゃらけキャラとは裏腹にエギングは超理論派。「ハーフテンションフォール」をはじめに様々なエギングメソッドを確立している。2019年からDAIWAのフィールドテスターに就任。
実はエギングの超有効ポイントな「河口域」!
岡「皆さんこんにちは!! DAIWA フィールドテスターの『おかぴ〜』こと岡隆之です。3月後半からすっかり暖かくなり、ついに春のエギングシーズン突入!エギングファンの皆様も、釣りに行きたくてウキウキ、もしくはソワソワしているのではないでしょうか(笑)。
さて今回は、エギングのポイントとしてもポテンシャルがあるものの、いまだに多くの方々がスルーしがちなポイントでもある『河口エギング』についてお話しをしようかと思います」
河口は、河川が海に注ぎこむ地点であり、淡水と海水が交わるいわゆる「汽水域」とよばれる場所。釣りではシーバスやクロダイ(チヌ)などが多く生息するフィールドだ。
岡「一般的には河口は淡水が混ざることで、真水を嫌うアオリイカにとって『行動しにくい場所』というイメージを持たれている方が多いのではないかと思います。
しかし、果たして本当にそうなのか。今回は『河口域での真水と海水の関係性』そして『デメリットを凌駕するだけの莫大な餌の豊富さ』の2点をフィーチャーし、私自身の釣行と照らし合わせながら河口エギングの有効性について解説していきます」
岡「では始めに真水と海水の関係性について。アオリイカが嫌うといわれる真水ですが、海水と混ざり合わさることはありません。真水に比べ、海水は比重も重く、汽水域では上層に真水・下層に海水という構図が完成されます。ゆえに、下層部の海水をアオリイカは行き来することができるのです。
とはいえ、満ち潮時や、下げ潮時での塩分濃度の変化等により、アオリイカの行動水深は変動します。よって、真水を嫌うと言われるアオリイカも容易に河口部での活動が出来るということになります」
塩分濃度が安定している時間帯や潮位であれば、アオリイカの行動範囲も拡大し、河口域への遡上も可能になるということだ。
岡「次に、その真水と海水の入り混じる水域、すなわち『汽水域』への侵入をなぜ行ってくるのか。それは、ズバリ!真水というデメリットを凌駕するだけの餌となり得る魚の豊富さが挙げられます」
岡「私が通う和歌山県の河川では晩秋になると、30cm弱のメッキが水温低下に伴い瀕死の状態となり、そのメッキを捕食すべく、大型のアオリイカが河口付近で釣れ始めるパターンが存在します。また厳寒期には、南の海に多く分布する『メアジ』が餌となるパターンが存在します」
岡「このように、中型の餌が瀕死状態となり、その餌を求め河口に流入してくるパターンを我々は『死滅回遊魚パターン』と呼んでいます」
河川へ遡上するフィッシュイーターと同様、アオリイカも大きいベイトを効率よく捕食するため汽水域へと行動域を広げるのだ。
河口域でのメアジパターンで良型アオリイカをキャッチ!固定概念を払拭することで「新たなポイント」の開拓に。
岡さんはすでに今年度、河口域でのエギングを行っている。
岡「実はもう今年も河口域エギングで釣果も出しているんです(ドヤっ!)。その日の釣行は、前夜に河口の常夜灯を見て回り、メアジの流入量を観察し、確認が取れれば翌日は満潮時の水量が多く、塩分濃度が濃いタイミング、そして餌となるメアジが常夜灯の効果で集結するタイミングを合わせてエギングを行うというプラン」
岡「メアジをアジングタックルで釣りながら、流れが出てきたらエギングタックルに持ち替えて、アオリイカを釣る!というなんとも忙しい(楽しい)ダブルヘッダー釣行です(笑)」
河口でアジングとエギングを楽しむ。両釣種とも河口域での釣りがイメージされにくいが、アジもベイトを求め遡上するという点では全く同じなのである。
岡「ベイトとなるメアジは20cm強のサイズで、使用するエギは4号がメインとなり、サイズ感を合わせることで、ヒット率を上げることができます。ベイトを求め、わざわざ河口や河川に流入をしてきたアオリイカは餌を採る気満々で流入している個体ばかりなので、活性は高く、エギへの反応も良いのが特徴とも言えます」
岡「また、晩秋・厳寒期だけでは留まらず、これから訪れる春の親イカシーズンでも、河口部や、流入河川等があるエリアは産卵場となり得る海藻の生育が良いケースが多く、良いポイントとなり得る場合もあります」
汽水域はプランクトンなどの微生物も多いことから、栄養素も豊富。だからこそ小魚やフィッシュイーターも多く集まるのだ。
岡「皆さんも既存の『アオリイカは真水を嫌う』という概念を捨て、今までノータッチだった河口部や河川といったポイントも、今後新たなポイントの開拓とし、チャレンンジしてみることをおすすめします!
そして『餌を知る』という意味で、アオリイカの餌となり得るものの行動を知る為に、エギング以外の釣りしてみて下さい。それが大きな手がかりになることもあるので、是非チャレンジしてもらいたいと思います!
さて、いよいよ桜も咲き乱れ、待ちに待った春のデカイカシーズンに入ります。我らがDAIWAからも待望の『エメラルダスピーク type S』が発売となりました。デカイカシーズンにきっと活躍してくれることでしょう!」
『エメラルダスピーク type S(DAIWA)』
岡「ぜひ皆さんも、今年の春は良型アオリを狙っちゃってください!では、次の機会までっっっ!またね〜!!」
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