九州サーフの聖地「鹿児島県吹上浜」のヒラメ攻略法をミッチー高橋が伝授!テレビロケの裏側も公開!【ミッチー高橋のサーフタクティクスEpisode.7後編】

近年日本のソルトルアーフィッシングシーンの中でも、圧倒的な人気を誇り、一大ジャンルへと飛躍したサーフからのヒラメ釣り。そんなヒラメゲームの新たな攻略法を探究し、発信し続けるアングラーが「ミッチー高橋さん」である。今回は、前編に引き続き「ザ・フィッシング」の撮影の舞台裏を公開!九州の大人気サーフフィールド「吹上浜(鹿児島県)」ヒラメ攻略法を解説していただきます!

●写真/文:高橋慶朗

2024 イカメタル特集

解説していただくのは2023年も超多忙なソルトエキスパート・ミッチーさん!

高橋慶朗(たかはし・みちあき)

ヒラメを始めとしたフラットフィッシュから、シーバス、青物、ロックフィッシュなどあらゆるソルトルアー魚種に精通するスーパーエキスパート。固定観念に捕らわれず、常に進化を求めるアグレッシブなスタイルに定評がある。またシーバスやオオニベにおいてはレコードホルダーとしての顔を持つ(シーバスJGFA・IGFA20lbラインクラス日本&世界記録【107cm9.5kg】、オオニベJGFA20lbラインクラス日本記録【150cm26.4kg】)。グローブライド(DAIWA)勤務。愛称はミッチー。

前回の「サーフブリ」攻略法の記事はこちら

吹上浜河口はヒラメ・マゴチ留まりやすい「塩水楔」の濃いエリア!

――前回は吹上浜サーフでの「サーフブリ」の攻略法を語っていただきましたが、今回は当連載のメイン魚種でもあるヒラメ&マゴチについて解説をお願いします!

ミッチー高橋「そうですね、まず吹上浜サーフは全体的に遠浅で、離岸流をメインに攻めていくスタイルが主流となります。サーフに流れ込んでいる中規模河川の河口域も実績が高く、特にサーフが荒れている日は、波の影響を受けにくい『河口域』が独壇場となるんです。 

河口周辺が平野である吹上浜一帯の中規模河川の特徴は、上潮時に海水が川の上流に向かって逆流し、上潮の時間帯は川の中が『海水』となること。ヒラメ・マゴチはこの上潮に乗って河川内に入ってくるんです」

ミッチー高橋「ちなみに、流芯部は川底の砂が流され、深く掘れているため水深があり、下げ潮により淡水の川水が流れている時間帯でも『塩水楔(くさび)』により川底は海水になっています。塩水楔とは、比重の重い海水が比重の軽い淡水の下に楔状に入り込む現象のことで、川の規模にもよりますが、中規模河川であれば河口から数100mの範囲はボトム付近のみ常に塩分濃度が高い状態となります」

ミッチー高橋「さらに、水深があることで沖からウネリが入ってきても波が崩れないので濁りも出づらく、汽水となる河口域はプランクトンも豊富なため、ベイトフィッシュも多い。これにより一度河川内に入り込んだヒラメ、マゴチは、下げ潮時も河口域に留まっていることが多い。 

シケ具合によっては周辺のサーフからもベイトフィッシュが逃げ込んでくることから、シケた時はさらに河口部がチャンスとなるんです」

――話を聞いてるだけでもポテンシャルが凄そう!サーフアングラーなら絶対行きたいフィールドです!

潮止まり以外はほぼ「チャンスタイム」!流芯のブレイクラインを効率よく攻めるべし!

――では具体的に吹上浜の河口域ではどのようなポイントへアプローチしていけば良いのでしょうか?

ミッチー高橋「サーフの場合、日中は離岸流など流れの出ている場所を探して、且つ流れが出ているタイミングで狙わないと釣果にありつけないですが、河口部は潮の干満によって必ず流れが発生するので、潮止まりの時間帯以外なら常に釣果が望めます。 ちなみに上潮下げ潮どちらでもヒラメ・マゴチの活性は上がるので、双方の時間帯とも釣果は変わりません。 

――マズメ時はどうですか?

ミッチー高橋「もちろんヒラメ・マゴチともに良く釣れるのは朝夕のマズメ時、ですが潮流により流れが出ている時間帯は日中でも活性が高いです。

そして流れの出ている時間帯に水面を良く見ると、一際水面がざわついている帯状の箇所がでてきます。 そこが川の流れの中心部で、底の砂が流されて深く掘れている『流芯部』。流芯は水深があり流れも強いので、ボトムを探ることが多いヒラメ・マゴチ狙いでは、潮止まり前後の流れが緩む時間帯以外はルアーが流されてしまい攻略することは困難となります」

ミッチー高橋「実際、ベイトフィッシュも流芯の強い流れを避け、流れの緩い流芯の両サイドのカケアガリを回遊するので、ヒラメ、マゴチもカケアガリ周辺に潜んでいることが多い。 これらの理由から、河口域でのフラットフィッシュ攻略のキーポイントは、いかに『効率よくカケアガリを攻略する』かになるんです」 

――なるほど、河口域は釣りをする時間帯やポイントもハッキリしてるんですね!

「メタルジグ」&「ワーム」でカケアガリのボトムを「丁寧」に探るのがキモ

ミッチー高橋「次に使用するルアーですが、河口部では潮位によって流速が刻々と変化するので、流れが一番強い時間帯だと流芯部では40gのメタルジグでも流されて底まで沈まないこともあります。ですが前述した通り、狙い目は『流芯の両サイドにあるカケアガリのボトム』となるので、ジグであれば30~40g、ジグヘッドワームであれば14~28gのヘッド+3~4inワームがあれば事足ります。 

ちなみにメタルジグは『ヒラメタルZ(DAIWA)』の 32~40g、『ヒラメタルZTG(DAIWA)』の30~40gなどスローリトリーブでもバタバタと激しくテールを振って泳ぐタイプが効果的。 

ジグヘッドワームは『鮃狂ロデム3(DAIWA)』14~18g、TG30g、『鮃狂ロデム4(DAIWA)』18~28gがあればOK。 

カラーローテーションは、朝夕のマヅメ時はグローやピンク、オレンジなどのアピール系、日中は定番の赤金・緑金系、キラキラとしたフラッシングでアピールできるホロ系といった使い分けでよいです。 

――2種類のルアーを使い分けていけば良いんですね、カラーセレクトも思ったよりもスタンダード!

ミッチー高橋「メタルジグでの攻め方は、対岸のカケアガリの先の浅場に向けてややアップストリーム(上流側)にキャストし、ストップ&ゴーやリフト&フォールでボトムを丁寧に探るパターンが基本となります。

ミッチー高橋「流れの上流に向けてアップストリームにキャストすることでラインの抵抗が無くなり、いち早く底までジグを沈めることができます。自分の正面でジグが着底するようにキャストポイントを調整し、メタルジグが着底したら、底から50cm程度の高さまでフワッと浮き上がるようソフトにしゃくり上げたのち、再度着底させるリフト&フォールをカケアガリに沿って繰り返す。ジグが流れの強いエリアに入ると着底が確認できなくなるので、この状況になったら回収。 

コツは、如何に自然にメタルジグを50cmの高さまで跳ね上げ、更にその後自然にフラッシングフォールさせられるかで、底にへばり付いたベイトフィッシュが瞬間的に流されてしまった情景をイメージすると良いでしょう。活性が高いときは強めにシャクリ上げでもヒットしてきますが、渋いときはソフトなシャクリが効果的なので覚えておいてください。 

ジグの重さは、前述した一連の動作が一番スムーズにおこなえるように選択。 イメージは、リフト&フォールの際に着底が感じ取れるギリギリの軽さで、リフト後、着底が感じ取れないときは重く、逆にリフト後のフォールが早すぎてボトッと落ちてしまうときは軽くすればよいでしょう」 

――あくまで「ナチュラルかつソフト」なリフト&フォールができるジグの重さが重要なんですね!

ミッチー高橋「また小潮回りや潮止まり前後の流れが緩い時間帯は、ストップ&ゴーで狙うのが効果的。 誘い方はキャスト後一度底まで沈めたのち、スローリトリーブでハンドルを約5回転巻いたのちにストップしてフォールさせ、ボトム着底を確認したら再びスローリトリーブを開始する操作を繰り返すだけ。特にハイシーズンの高活性時には、こちらの方が広範囲を効率的に探れます。この場合も、ルアーのウエイトは、着底が確認でき且つゆっくりリトリーブしても底に触れない重さをセレクトする。ゆっくりリトリーブして底に当たるときは軽く、底が取れないときは重くしていき、一番ベストなウエイトを探してください」

ジグヘッドワームの攻め方も基本的にはジグと同じで、ヒラメ、マゴチは河口のカケアガリに沿って広範囲に点在しているので、1ヵ所でひと通り攻め切ったら少し移動して、ラン&ガンで広範囲を探ってみましょう。

――アクションパターンもシンプルなので実践しやすそう!吹上浜以外にも似たようなフィールドであれば同様のアプローチは試す価値ありですね!

ヒラメ&マゴチ、そしてブリと「サーフドリーム」をお披露目できたザ・フィッシング取材!

――自分もリアルタイムで見ていたのですが「ザ・フィッシング」のロケは見事でしたね!ヒラメ、マゴチ、そしてブリとまさにサーフの「夢」が詰まっているような内容でした!

ミッチー高橋「ありがとうございます!とはいえやっぱり取材日はこちらの思惑通りいかず、少々苦戦しました(苦笑)。ロケは初日は昼過ぎに現地到着し、イワシのサーフ接岸状況を確認すると小規模であるがイワシの群れを確認できました。 

ミッチー高橋「しかし当日は沖から強風が吹きつけており、サーフでの釣りは困難であったことから、万之瀬川河口でヒラメ・マゴチを狙うことに」

ミッチー高橋「ポイントに到着すると、既に下げ潮8分でほとんど流れのない状況であったが、上げ潮に変わって流れが出始めれば魚が口を使いだすと判断して、流心に近い河口内側の岬の先端にエントリー。 

先行者は居なかったことから、ここの魚はまだルアーにスレていないと読み、アピール重視で4in大型ジグヘッドワームの『ロデム4(DAIWA)』 28gをセレクトし、ルアーを緩い下げ潮の流れに乗せながらスローのストップ&ゴーでカケアガリに沿って下流側へ流し込んでいくと、リトリーブを止めたところでゴッと強いバイトが出るもヒットには至らず…」

ミッチー高橋「その後、上げ潮に変わるまでノーバイトが続きましたが、上げの流れが強くなり始めたタイミングで読み通り魚も活性が上がったようで、共演者の池田テスターが同パターンでマゴチ35cmを釣り上げ、この魚で初日は終了となりました」

ミッチー高橋「翌日は、ブリを狙って朝から前日イワシの群れを確認したサーフへエントリー。ブリに有効なヘビーシンペンの『オーバードライブ95S(DAIWA)』をセレクトし、ミディアムリトリーブのストップ&ゴーで攻めながら回遊を待っていると、程なくして沖合にイワシの群れが現れたので期待して遠投を繰り返すもブリの回遊は無く、そうこうしているうちにイワシの姿も消えてしまいました」

ミッチー高橋「しばらくイワシが現れるのを待ったが気配の無い状況が続いたので、この場所を諦め、イワシの群れを探して移動を繰り返すも結局遭遇できず。結局、上げ潮の時合いを狙って再び万之瀬川河口にエントリーすることに」

――やはり九州とはいえ、一筋縄ではなかなかいかないんですね…。

ミッチー高橋「そうですね、でもこの時点で河口域は上げ潮がしっかりと流れ始めていたので、初日と同じパターンで『ロデム4(DAIWA)』 28gをカケアガリに沿ってスローリトリーブのストップ&ゴーで流し込んでいくと、開始数投でマゴチ56mがヒットしてきました」

この直後、隣で流心部の深場を攻めていた池田テスターにもヒットするがこの魚はフックアウト。ヒットパターンを聞くと、あえて重量を軽くし(ロデム4 21g)、速めのリトリーブでリアクションバイトを狙ったところ、リトリーブを止めたところでヒットしてきたとのこと。 

少しポイントを休めたのち、再び同じパターンで攻めると、またしても数投でヒット。今度はしっかりとフッキングに成功、程なくして上がってきたのは、60cmのヒラメでした。

 

――関東では簡単に釣れないサイズ!の微調整が功を奏したんですね。

ミッチー高橋「最終日は気分を変え、過去の釣行でブリの実績が一番が高かったメジャーポイントに夜明け前からエントリー」

ミッチー高橋「すると、夜明けと同時に沖合いでイワシが何者かに追われ始めました。 その後、イワシが少しづつ岸寄りに近づき始め、いよいよルアーが届くギリギリの距離に到達。しかも、イワシを追いかけてボイルするブリの姿も確認できました」 

ミッチー高橋「これは千載一遇のチャンス! ブリの姿を確認できたのは最初のボイルのみでしたが、イワシが居ることからまだ周辺をうろついていると読み、イワシの群れを狙って『オーバードライブ95S(DAIWA)』のストップ&ゴーを繰り返していると、程なくしてガツンとロッドティップが絞り込まれました。強い引きをいなしてランディングしたのは、78cmのブリでした」

――テレビでも「この状況は釣れます」とホームラン予告されてましたよね!完璧なエンディングフィッシュです!

ミッチー高橋「最初はどうなることやらと思いましたが、無事ヒラメやマゴチ、ブリと全て釣り上げることができました。本当にヒラメとブリが同タイミングで狙える場所(サーフ)って全国見ても中々ないんですよ!5月からはコロナ規制も緩和され、これからは遠征もしやすくなると思うので、サーフアングラーの方は是非九州の聖地・吹上浜でヒラメ&ブリの『サーフドリーム』にチャレンジして頂きたいです!」

ミッチーさんがヒラメ・マゴチ狙いで使用したタックル

  • ロッド:オーバーゼアAGS109ML/M
  • リール:22イグジストLT4000-XH
  • ライン:UVF モアザンセンサー 12ブレイドEX+Si 1号
  • リーダー:モアザンリーダーEX II TYPE-F 20lb

※全てDAIWA

この釣りではストップ&ゴー、リフト&フォールなど繊細なテクニックを多用するので、感度優先で10~11ftのミディアムクラスサーフ用ロッドが適しています。リールはダイワLT4000番がお薦めです。 

感度を最優先し、ロッドはオーバーゼアAGS109ML/M、リールはイグジストLT4000-XHを使用、PEラインはモアザン12ブレイドの1号で、これにフロロカーボンのモアザンリーダーEXタイプF 20lb1mをリーダーとして結束しています。


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。