「点」の釣りと「線」の釣り!今のバス釣りでは境界が曖昧になっている…⁉その考え方を解説!!

「点」の釣りと「線」の釣り!今のバス釣りでは境界が曖昧になっている…⁉その考え方を解説!!

ナチュラル&アピール、ソフトルアー&ハードルアー、岸釣り&ボート釣り…。
複雑な要素の多いバス釣りだが、対極ともいえるわかりやすい要素も少なくない。
思考をシンプルにすることでより簡単に釣りを組み立てられるこれらの表現は決して間違いではなく、まずは覚えておきたい項目ではあるだろう。
しかしながら、年々難しくなっているこの釣りを極めるには、もう一歩踏み込んだ思考方法を覚える必要もある。
今回は、そんな2極の要素の一つ「点の釣り」と「線の釣り」に関して、若手岸釣りアングラー筆頭株のひとり、植盛幹太さんに解説してもらった。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

植盛幹太(うえもり・かんた)

2025年からメガバスプロスタッフに加わった若手アングラー。岸釣りを中心にその実力を発揮しており、陸王U-30の2代目王者でもある。プロ級の腕前を誇るスケートボードで鍛えた体幹と運動センスはあらゆるスタイルの釣りをこなす。年齢は28歳だが、そこからは想像できないほどバス釣りの歴史にも詳しい。岡山県出身。

実釣は柳川クリークにて

今回の取材は福岡県で話題の釣り場「柳川クリーク」にて行った。その名の通りクリーク(水路)を中心とした釣り場であり、非常に複雑な網目状の水域となる。

一朝一夕では釣りきれない規模感により、魚影はかなり濃いといわれている。植盛さん自身も今回が初来訪となる釣り場だが、曰く「霞ヶ浦の流入河川と五三川を足して2で割ったような印象です」とのこと。

釣り人向けの駐車場を使おう


柳川クリークには釣り人向けの有料駐車場もある。人気のフィールドだけに人が集まればそれだけトラブルの可能性も増すもの。しっかりと料金を支払って、気持ちよく釣りをするべし。

釣りの効率をアップするためにも覚えたい「点」と「線」

岸釣りには限られた足場や移動手段、タックル制限といった要素があり、同じ1日の釣りの時間を過ごすとしても考え方ひとつで釣果に大きな差が生まれるもの。

「点」と「線」釣り方のスタイルとして時折聞くこの単語もまた、岸釣りではなくてはならい重要な考え方となる。

植森「簡単に言えば、ルアーの動きで分けられます。横方向への移動距離を抑えた釣りがつまりは『点の釣り』。逆に『線の釣り』とは横方向へと泳ぐルアーを使った釣りのことを指します。前者は多くの場合はソフトベイトの釣り、ハードルアーならポッパーや虫系はその典型といえるでしょう。後者は多くのハードルアーが含まれるでしょうね」

植盛さんはこう語る。また、この分け方で考えるのには理由があるという。

植森「バスのコンディションとの兼ね合いですね。例えばわかりやすいのが秋。適水温になるとバスは広く泳ぎまわってベイトを捕食します。どこにバスがいるのか絞るのは難しい。そんなときにはとにかく『線の釣り』で広く探ることが効果的になってきます」

一方『点の釣り』の場合はどうだろう。

植森「真夏の高水温期、あるいは逆に真冬の低水温期になると、バスの居場所はグッと絞り込めますよね。そこに対して効果的に口を使わせるアプローチが『点の釣り』というわけです」

大切なのはこの考え方が季節感によるものだけではないということだ。

植森「例えば1日を通しても同様のことは言えます。バスの活性が高くなりがちで、時間も短いマズメ時は『点』の釣りだけではせっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。逆にハイライトで無風みたいなコンディションなら広範囲を探るよりも明確にシェードを狙って…みたいな『点の釣り』を展開したほうが効率がよくもなるわけです」

そんなシンプルな2極論の釣りではあるが、年々難しくなっていくバス釣りにおいては両極端の考えだけでなく、一歩進んだ「曖昧な釣り」を考える必要もあると植盛さんは言う。

ゲストの存在

釣れる魚はバス以外でも情報になる。特に同じフィッシュイーターでも性格の違うライギョのような魚が釣れる場合、状況の変化を疑うべきだ。「前日釣りをしたときにはここにライギョはいませんでした。減水しているようですが、それの影響かもしれません」

トップから入る意味

「バスのコンディション的にトップウォーターへのバイトが期待できるのであれば、サーチルアーとしてはトップウォーターが適任です。これがクランクベイトだと実際にバスが釣れるまで魚からの反応を把握することができませんが、トップであれば例え釣れなくてもどこから出てきたのか? どうしてミスしたのか? を目で見て判断することができるからです」

点と線を意識したローテーション

連続ポップで広く探るベビーポップXに対し、移動距離を抑えたダイブ&スプラッシュでピンポイントアプローチのプロップダーター80。「点」と「線」の釣りを同じトップウォータープラグで表すとこういった形となる。実釣時には、ベビーポップXで反応がなかったのち、同じエリアをプロップダーター80で通したところバイトを引き出すことに成功した場面も見られた。

「点」と「線」のキホン

バスを釣る際のスピード感や効率を表す両極端な表現が「点」と「線」

簡単に言えば横に泳がせて広く探るクランクベイトやバズベイトは典型的な「線の釣り」ジグによるカバー撃ちや、タフコンデイションの魚に口を使わせるライトリグなどは「点の釣り」と言える。
目的としては「線」ならバスの居場所を広く探る、「点」は居場所のわかっている魚に口を使わせるといったところ。

逆に言えば、バスのいない場所での「点の釣り」や、バスが追いきれない状況下での「線の釣り」は非効率となる。

ヒャクゼロは時代遅れ!? 「点」と「線」の「中間」とは!?

線の中の点で食わせた狙い通りの1尾

日中のハイライトコンディションではあるものの、強い風が吹きつけていることを考慮して投げたグリフォン。

普通のクランキングでの使用だが、足場の地形変化にコンタクトさせて見事狙い通りヒット! 線の中に食わせる点を混ぜ込んだ「中間の釣り」ともいえるだろう。

「岸際の地形変化を活かした釣りです。沖にいる魚に追い込ませて食わせる、もしくは地形変化につく魚のどちらも狙える釣りです。どこでも通用するのでぜ試してみてください!」

どちらもこなせる釣りがオカッパリをさらに進化させる

「『点』と『線』。その根底は同じですが、どちらかに振り切るのではなく、間の釣りを展開することも大切です。特に最近のバスは頭がいいですからね。『線の釣り』だけではだましきれないし、『点の釣り』に時間をかけたからといって口を使ってくれるとは限りません。『中間の釣り』で状況を判断しながら釣っていくことはとても大切なんです」

それは一体どんな釣りなのだろうか?

「『中間』とは言いますが、要するにどちらも試す、ということです。もちろんキャストごとにルアーを結び変えたり、タックルを持ち換えたりするのは効率的ではありませんよね。そこでルアーの使い方を変えていくわけです」

例えば同じルアーでも、ポーズを入れずに巻き続ければそれは『線の釣り』だが、1アクションしてポーズを繰り返せばそれは限りなく『点の釣り』となる。

「従来通りのルアーでも最近はそういった使い方が考案されたり、『点』も『線』もできるルアーが開発されたりもしています。『点』と『線』どちらかに振り切って考えるのではなく、どちらもできるルアーでそれぞれの割合を考えながら釣っていく。そして得られた反応をもとにさらに次のことを考え、繋げていくんです。それが現代のバス釣りだと思います。両極端なものではなく、『点』と『線』の中間をいけるルアーはオカッパリにおいて間違いなく武器になるはずですよ」

撃ちも巻きもこなせるタックルをバーサタイルタックルと呼ぶことがある。岸釣りタックルの進化にはその存在が与えた影響は決して小さくはないはずだ。そして、真の意味での「バーサタイルルアー」の登場は『点の釣り』と『線の釣り』の境界を曖昧にし、岸釣りスタイルを更なる次元へと進化させるに違いない。

ベビーポップXの連続トゥイッチで横の釣りを試し、その後のプロップダーター80のジャーク&ポーズで反応を得られたエリアにてクランクベイトのグリフォンを投げる植盛さん。一見すると横の釣りだが、使い方には点の釣りの要素も含まれているという。

例えばカバー撃ち

「点」と「線」の釣りが曖昧になってきているのは様々な釣りで言える。

カバー撃ちを例にすると、従来通りのカバーに入れ込む釣りは『点の釣り』だが、近年であればそこからカバーに吊るすというさらなる『点の釣り』も展開する。

一方、カバーに入れたあともすぐさま回収するのではなく、ジグストなどのスイミングを意識した「線の釣り」も珍しくはない。同じルアーでも使い方ひとつで「点」と「線」のどちらもこなせるものが増えており、また使い方がも考案されている。

そして「点」と「線」の釣りの割合を変えることで更なる効率アップが見込めるというわけだ。

点でも線でも使えるルアーの例

ボトルシュリンプ4in(メガバス)

撃って吊るして泳がせて

フォールスピードを落とさないシンプルパーツでカバー抜けもいいボトルシュリンプはリアクション効果を狙いやすいクロー系ワーム。

植盛さんはこれにスタビル(エバーグリーンインターナショナル)を組み合わせることで、吊るした際の姿勢とラバーによるアピール力をプラスして使用。

イラストの項目でも紹介している通り、カバー撃ち用のリグは吊るしやスイミングでも使用することで「点」と「線」の両方をこなすことができる。

IXIブローリー(メガバス)

ただまきとシェイキー

バーチャルリップ効果により、ABS素材ながらもバルサ素材に匹敵する泳ぎだしとハイピッチアクションを実現したクランクベイトがブローリー。ストレートリトリーブで一般的なクランクベイトとして使用すればもちろん「線の釣り」を展開することが可能。

一方、「シェイキー」と呼ばれるクランクベイトのシェイク巻きで使えば、移動距離を抑えた「点の釣り」でも使うことができる。1投1投使い分けるのはもちろん、1キャスト中にここぞという場所ではシェイキーでピンポイントアプローチをするのも有効だろう。

created by Rinker
メガバス(Megabass)

ベビーポップX(メガバス)

アクションやポーズ時間

ポップXの名を冠したスモールポッパー。
オリジナルとは異なり、ウォーターダクトがないため、ハイアピールの純然たるポッパーとして使うことができる。

一般的なポッパーはポップ音を出して寄せてポーズで食わせるピンスポットアプローチの点の釣りが主流。

一方、植盛さんがおススメするのはベビーポップXを使った「線の釣り」ジャークベイトをジャークさせるように3回ほどの連続ポップを1セットでガンガン泳がせるのだ。小型のハネモノを泳がせるスピード感だ。

ポップX(メガバス)

実はサイトにも強い⁉ 意外なルアー

サイトフィッシングはある意味究極の「点の釣り」といえるかもしれない。
その釣りに対応しつつ、「線の釣り」的な効率の良さを持ち合わせている意外なルアーが『ポップX』だ。

created by Rinker
メガバス(Megabass)

「喫水の低い斜め浮きのポップXはサイトの際に首振りで気づかせて、フェザーフックを揺らすイメージのシェイクで食わせのアクションを演出することができます。タックル1本でサイトもブラインドもできるので岸釣りでは重宝するんです」

イチオシロッド「飛燕ベイトフィネス」

今回の実釣で植盛さんがメインに使ったロッドがデストロイヤーP5のF3-610 飛燕ベイトフィネス(メガバス)だ。

「ベイトフィネスと名前にありますが、実はかなり万能な竿。ファストテーパーですが6ft10inの長さを活かした曲がりの良さは様々な釣りに対応します。自分ならポップXからブローリー、コンパクトラバージグまでこれ1本で使い分けます。組み合わせるリールによっても性格が変わってくるので、色々試してみてください」

植盛さんはアルファスBFTW(DAIWA)にR18 フロロリミテッド10lb(シーガー)を巻いて使用する。

「点」と「線」その使い分けや割合を含めそれぞれの釣りを意識して組み合わせることで、次の展開へのヒントを自分自身で作り出すことができる。釣れなかった時間を有効なものにできるか無駄なものにしてしまうのか? すべては自分次第なのだ。

実釣の様子は動画でも!

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