
●文:ルアマガプラス編集部
アマダイとは?
アマダイは、スズキ目アマダイ科に分類される魚類の総称。日本近海では主にアカアマダイ/シロアマダイ/キアマダイの3種が生息し、釣りの対象として人気が高いのは最も一般的なアカアマダイだ。体は細長く側扁し、名前の由来にもなったとされる「尼」僧のような顔つきが特徴。水深30mから150mほどの砂泥底に巣穴を掘って生活している。その上品な味から高級食材として扱われ、釣り味の良さと相まって、船釣りのターゲットとして不動の人気を誇る。
船から狙える高級食材として高い人気を誇るアマダイ。
アマダイの生態
アマダイは、大陸棚の砂泥底を主な棲み処とする底生魚。外敵から身を守るため、また獲物を待ち伏せるために、海底の砂や泥に巧妙な巣穴を掘って潜む習性を持つ。食性は肉食で、ゴカイなどの多毛類/エビやカニなどの甲殻類/小型の魚類などを捕食する。海底付近を泳ぎ回り、巣穴の周辺で餌を探す。シロアマダイは最も高値で取引される高級魚、キアマダイは比較的数が少なく希少とされる。
アマダイの釣りシーズン
アマダイ釣りは基本的に周年可能だが、特に狙い目となるベストシーズンが存在する。
ハイシーズン(10月~3月)
水温が下がり始める秋から冬、そして春先にかけてがアマダイ釣りの最盛期。この時期のアマダイは水温の低下とともに活性が上がり、積極的にエサを捕食するようになる。また、身に脂が乗って非常に美味しくなる時期でもあり、多くの釣り人がこのシーズンを心待ちにしている。
サマーシーズン(7月~9月)
夏場は水温の上昇に伴い、やや深場に移動したり活性が落ち着いたりする傾向がある。釣果はハイシーズンに比べるとやや落ちるが、全く釣れないわけではない。この時期はゲストとしてレンコダイやイトヨリダイなど、多彩な魚が釣れるのも魅力。
アマダイの釣り方
アマダイは巣穴の周辺でエサを探すため、“底から少し上のタナ”をいかに攻略するかが鍵となる。伝統的なエサ釣りと、近年人気のルアー釣りの両方で楽しむことができる。
エサだけでなく、ルアーで狙うのも一般的となったアマダイ。
アマラバ
タイラバをアマダイ釣りに応用したルアーフィッシングスタイル。アマダイ+タイラバで「アマラバ」と呼ばれる。着底後、ゆっくりと一定速度で巻き上げるだけで誘える手軽さと、ダイレクトなアタリが魅力。マダイよりもレンジが下がるため、ボトム付近を丁寧に探ると良い。
仕掛け例
- ロッド: 6ft~7ft前後のタイラバロッド/ライトジギングロッド(MLクラス)
- リール: ベイトリール(カウンター付きが便利)
- ライン: PEライン 0.6~1.0号
- リーダー: フロロカーボン 12lb~20lb(3~5号)
- ルアー: タイラバ60g~150g(水深や潮流で調整)
- ヘッド: 特に潮が速い状況では底取りがしやすいタングステン製が有利
- ネクタイ/スカート: オレンジ/ゴールド/ケイムラなどの実績が高い。カーリー系やストレート系を状況で使い分ける
天秤仕掛け
古くから続く伝統的なエサ釣りスタイル。片天秤を使い、仕掛けを海底で躍らせるようにしてアマダイにアピールする。底をトントンと叩いて砂煙を上げ、アマダイの注意を引くのが基本の誘い方だ。
仕掛け例
- ロッド: 7:3調子または8:2調子のライトゲームロッド/アマダイ専用竿(2m前後)
- リール: 小型電動リール/手巻きの両軸リール
- ライン: PEライン 1.5~3.0号
- 仕掛け: 片天秤仕掛け
- 天秤: 腕長30~40cm程度の片天秤
- オモリ: 60号~100号(船宿の指定に従う)
- ハリス: フロロカーボン 3~4号を全長2m程度
- ハリ: 2本バリ仕掛け。チヌ針3~5号/丸カイズ12~14号など
- 装飾: 蛍光玉/夜光玉/ガン玉などをハリのチモト付近に付けてアピール度を高める
- エサ: オキアミ(抱き合わせで付けるのが基本)/ホタルイカ/アオイソメなど
初心者は市販のアマダイ仕掛けで十分である。オモリの重さや推奨するエサ等はエリアによって変わるので、乗船前に船宿へ確認することをおすすめする。
アマダイの食べ方
アマダイは「甘鯛」と書かれる通り、身に上品な甘みを持つ極上の白身魚。ただし、水分が多いため、調理にひと工夫加えることでその真価を発揮する。
食べるためにアマダイを狙う釣り人がいるほど美味。
昆布締め
アマダイの食べ方として最も評価が高い調理法のひとつ。昆布で締めることで余分な水分が抜け、身がもっちりと締まる。同時に昆布の旨味が身に移り、アマダイ本来の甘みと融合して、極上の味わいを生み出す。
若狭焼き(松笠焼き)
アマダイの鱗は柔らかく、引かずに付けたまま焼くことができる。鱗を付けたまま焼くことで、皮と身の間の脂が閉じ込められ、身はふっくらと、鱗はパリパリと香ばしく仕上がる。この調理法を「松笠焼き」とも呼び、アマダイ料理の代表格である。
西京焼き
西京味噌にじっくり漬け込んだアマダイを焼いた料理。味噌のコクがアマダイの甘みを引き出し、しっとりとした身の食感と香ばしさが楽しめる。ご飯によく合い、日本酒のお供にもぴったり。家庭でも手軽に作れるのも魅力。
西京焼きはアマダイの旨味を凝縮させる一品。
酒蒸し
アマダイの上品な風味をダイレクトに楽しむなら酒蒸しが最適。ふんわりと蒸し上がった身は口の中でほろりと崩れ、優しい甘みと香りが広がる。シンプルな調理法だからこそ、素材の良さが際立つ一品だ。
干物
自家製の干物は格別の味。塩をして一晩干すことで、旨味が凝縮される。軽く炙って食べれば、その濃厚な味わいにお酒もご飯も進むこと間違いなしだ。
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