〈初心者の釣り〉“ワカサギ”の生態/釣りシーズン/釣り方/仕掛け/食べ方【冬の風物詩! 湖上の繊細なアタリを楽しむ】

●文:ルアマガプラス編集部

ワカサギとは?

ワカサギは、キュウリウオ目キュウリウオ科に属する魚。漢字では「公魚」と書かれる。本来は汽水域や内湾に生息する魚だが、その食味の良さと釣りの対象としての魅力から、日本各地の湖沼に放流され、世代交代を繰り返す“陸封型”として定着している。成魚でも15cm程度の大きさが一般的で、その繊細なアタリと数釣りができる手軽さから、初心者からベテランまで幅広い層に愛される冬の釣りの代表格である。

釣りビギナーでも手軽に数釣りができるとして人気のターゲット。

ワカサギの生態

冷水を好み、水温が20℃を超える夏場は湖の深場で過ごし、水温が下がる秋から春にかけて浅場に移動してくる。おもなエサは動物プランクトンであり、群れで回遊する習性を持つ。このため、ワカサギ釣りでは魚群探知機で群れを探し、その足止めをすることが釣果を伸ばす鍵となる。寿命は通常1年で、春に産卵を終えると一生を終える“年魚”だ。

ワカサギの釣りシーズン

ワカサギ釣りのシーズンは長く、秋口から春先まで楽しめる。地域や湖によって解禁/禁漁期間が異なるため、釣行前には必ず確認が必要だ。

秋シーズン(9月~11月)

夏の高水温期が終わり、水温が下がり始めるとワカサギの活性が上がり、浅場で釣れ盛るシーズン。ボートからの釣りがメインとなり、まだ成長途中の小型が多いものの、数釣りがもっとも期待できる時期でもある。

冬シーズン(12月~3月)

ワカサギ釣りの最盛期であり、“冬の風物詩”としてもっとも盛り上がる季節。氷上に穴を開けて釣る「穴釣り」やボートでの釣りがメインとなる。小型のボートで楽しむのも良いが、暖房完備で快適なドーム船の登場により、初心者や家族連れでも気軽にチャレンジできるようになった。

春シーズン(3月~4月)

産卵を控えたワカサギが浅場に集まる“乗っ込み”の時期にあたる。この時期は卵や白子を持った大型のワカサギが釣れる可能性が高く、「落ちワカサギ」とも呼ばれる。ただし、産卵期保護のため禁漁となる湖も多い。

ワカサギの釣り方

ワカサギ釣りは、群れのいるタナ(水深)を正確に探し当て、そこに仕掛けを落とし込むことが基本となる。

ワカサギ釣りのエサにはハエの幼虫である「紅サシ」と「サシ虫」が使われる。

ボートワカサギ

手漕ぎボートやエンジン付きのレンタルボートに乗り、魚群探知機を駆使してワカサギの群れを探しながら釣るスタイル。ポイントを自由に移動できるため、積極的に群れを追いかける攻めの釣りが展開できる。

ボートに積んだ魚探でワカサギの群れを探しながら釣る。

仕掛け例

  • ロッド: ワカサギ専用ロッド 15cm~30cm(先調子の扁平穂先など)
  • リール: ワカサギ用電動リール/小型両軸リール
  • ライン: PEライン 0.2号~0.4号
  • 仕掛け: ワカサギ用連掛け仕掛け(5~10本鈎)
    • 鈎: 袖鈎、狐鈎 1号~2.5号(秋田狐/袖など)
    • ハリス: 0.2号~0.4号
  • オモリ: 1g~10g(水深や穂先の硬さに応じて調整)
  • エサ: 紅サシ/白サシ/赤虫など

ドーム船

屋根/壁/暖房が完備された大型の船(筏)から釣るスタイル。船底に釣り用の穴が開いており、天候を気にせず快適な環境でワカサギ釣りを楽しめる。トイレなどの設備も整っていることが多く、初心者/女性/子供連れでも安心である。

快適な環境でワカサギを狙えるドーム船は、子供連れや女性からも人気が高い。

仕掛け例

  • ロッド: ワカサギ専用ロッド 15cm~30cm(手巻きリールとのセットでも可)
  • リール: ワカサギ用電動リールが手返し良くおすすめだが、小型スピニングリールや両軸リールでも可能
  • ライン: PEライン 0.2号~0.4号
  • 仕掛け: ワカサギ用連掛け仕掛け(5~10本鈎)
    • 鈎: 袖鈎、狐鈎 1号~2.5号。渋いときは0.5号などの極小鈎も有効
    • ハリス: 0.2号~0.4号
  • オモリ: 2g~8g(船の揺れや水深に応じて調整)
  • エサ: 紅サシ/白サシ/赤虫など こまめなエサ交換が釣果を左右する

ワカサギの食べ方

淡白でクセがなく、骨も柔らかいため丸ごと食べられるのが魅力。釣ったばかりの新鮮なワカサギの味は格別である。

天ぷら

ワカサギ料理の王道。サクサクの衣と、中のふわっとした身のコントラストがたまらない。塩や天つゆでシンプルに味わうのが一番。

唐揚げ

天ぷらと並ぶ人気の調理法。片栗粉をまぶしてカラリと揚げる。下味をつけたり、揚げた後に塩コショウやカレー粉を振ったりと、アレンジも楽しめる。ビールのおつまみに最適。

ワカサギの唐揚げ。塩コショウで食べるもよし、カレー粉などでアレンジするもよし。

南蛮漬け

揚げたてのワカサギを、唐辛子を効かせた甘酢(南蛮酢)に漬け込んだ料理。タマネギやニンジンのスライスと一緒に漬け込むと、野菜の甘みも加わり一層美味しくなる。日持ちもするため、常備菜としても優秀だ。

甘露煮

醤油/砂糖/みりんなどで甘辛く煮詰めた保存食。じっくり煮込むことで骨まで柔らかくなり、小さな子供からお年寄りまで楽しめる。ご飯のお供にぴったり。

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