磯釣りでもとくに人気の高いグレ(メジナ)釣り。始めてみたいけど「敷居が高そう」と感じる人も多いのでは。また始めてみたものの「釣り座は?」「仕掛けは?」「小サバがわいた中でどうやってグレを狙うの?」など、わからないことが次々と出てくるのもグレ釣りの難しさであり、魅力のひとつ。そんな悩みや疑問をプロの釣り師がズバッと解決していきます!
講師は数々のトーナメントで活躍する平和卓也さん
30歳でプロアングラーに転身し、全国各地で年間100日以上磯に立つ平和卓也さん。トーナメントでも輝かしい成績を持ち、その実力と経験に裏打ちされた回答は、明快でわかりやすいと評判。
【Profile】
平和卓也(ひらわ・たくや)
1974年京都府生まれ。父親の影響で幼いころから魚釣りに親しみ、近所の池や川でコイやバス、オイカワを追いかける。磯釣りは高校卒業後、就職先の先輩に誘われてスタート。30歳で勤めていた会社を退社し、プロアングラーとして独立。年間200日以上を海の上で過ごす。
Q:ハリの選び方を教えてください
A:たまに掛かる大型外道にも安心して戦える、強度があるグレバリの太軸がメイン
僕の場合は形が好きだっていうのもあるんですけど、基本的にグレバリが中心です。チヌを釣るときもグレバリですし、ちょっとしたマダイなんかもグレバリの大きめを使ったりすることが多いんですよ。
もちろんヒラマサを狙いに行くときはヒラマサバリを使いますよ。シマアジとかもそうです。だからグレ釣りしているときにヒラマサとかシマアジとかマダイとかが、たまたま掛かって取れたというのを見られたのかな。
でも、取れてるのは太軸を使うからですよ。グレバリの太軸をメインに使ってるんです。例えば速攻グレのXとかは相当太いんです。
新しいハリを使おうかと思っても、まず細軸はチョイスしない。一応バッグの中には持ってますけど、スタートからほぼ100%太軸しか使わない。困ったときにだけ細軸にしますけどね。
折れるハリは許せないから持ってる8割以上が太軸
理由は過去に何回もやられたからです。ハリ先が折れるとかフトコロが伸びるとか。伸びるのはまだ百歩譲って許せますけど、折れるのはもう信頼落ちるんで。ハリが悪いんじゃなくて、基本的に食わせに走ってるハリが多いんで、折れて当然な細さのハリも売ってますが、それは状況に応じてそういうハリを使うためなんですよね。
でも、ハリが折れたら悔しいじゃないですか。僕はそれが許されないので、持ってるハリの8割以上が太軸。だから小バリになっても折れることはまずない。ただ当然刺さりの問題でいうと、太いわけですから、細軸と比べたらよくないかもしれないです。
使う上での注意点はありますか?
ないですね。太軸を使ってるからハリの心配は、やり取りの上でまったくしてないんで。だから戦える。たまたまグレ釣りしてて掛かった大物とも戦える。ハリはいろいろと考えて作られてるので、チヌにより適したのはチヌバリなのは分かるんですけど、僕のスタイルでは磯釣りでは何がくるか分からないし全部取りたいというのもあるから、グレバリの太軸に落ち着いたのかな。
Q:ハリ結びの巻き付け回数やマクラの有無は?
A.3~4回巻き付けてしっかり締めれば大丈夫。サシエを横に向けたいときはマクラをかます
マクラは基本的には入れてないです。ただ、特殊な釣りするときだけ入れたりすることあります。サシエの角度を変えたいときですね。尾長を狙っててサシエを横向きにするとかね。軸に対して普通はまっすぐハリスが出ますよね。マクラを二重とか入れて横に出す。
軸に対してハリスを直角に入れる
そうすればサシエが横向きになるじゃないですか。オキアミのボイルをエサに尾長を狙うときに試してるんです。マキエのボイルって丸いので横向きに沈むんです。それにサシエを合わせるのと、横向きにすることでフォールがスローになるんですね。ただ、普通にフカセ釣りをやってるときにはマクラは入れません。
なぜなら必要ないから。極力面倒くさいことは避けたいから。だから(外掛け本結びでの)軸への巻き付け回数も3回か4回。それ以上の必要性を感じないからです。
本線も端糸も軸の内側。ハリ結びは締め込みが命
昔は7回とか巻いていましたけど、巻き付け回数を増やすことで強度が上がるわけでもないのでね。
回数をいろいろ試してみたんですよ。2回ではさすがに緩むし、頼りないし。3回あれば十分なんです。しっかり締めた場合ですよ。端糸も本線もハリ軸の内側にしっかり沿うということが条件。外側に回るというのは論外で、耳の裏に本線が回るとハリを外す方に力がかかりますからね。端糸もけっこう横に出てる人が多いですね。
端糸が横に出ると強度は落ちていると思ってもらって結構なんで、端糸もまっすぐ内側に沿わないといけない。そしたらサシエを刺すのに邪魔にならないしきれいに刺せる。
端糸が横に向かないようにするコツは?
コツは締め方なんです。端糸を引っ張って本線も引っ張ってその中でハリも引っ張るんですよ。そしたら絶対まっすぐになる。端糸を長く取って歯で押さえて本線を引っ張って軽く締めたあと、ハリの内側に沿うようにして、最後に端糸を引っ張る力がハリにかかるように意識しながら本線も引いて締め込んでいきます。ハリ結びは締めることが命ですね。
平和卓也が語る! グレ釣りアカデミーシリーズ
平和卓也『グレ釣りアカデミー』発売情報
『グレ釣りアカデミー』
アナタはグレ釣りで悩んでいることはありませんか? 初めて上がった磯ではどこに釣り座を構えるのか、最初に投げる仕掛けはどう決めればいいのか、ごまんと小サバがわいた中でどうやってグレを狙うのか、水温が下がってエサ取りもなにも見えないときはどうすればいいのか……。
グレ釣りを始めて間もなければ知らないことばかりでしょうし、経験を積んでいれば、経験度によって新たな悩みや疑問が生じていることでしょう。 そうした様々な悩みや疑問を平和卓也さんがズバッと解決してくるのがこの1冊です。
圧倒的な経験値に基づく平和さんの回答はすこぶる明快。質問はタックル、ポイント、エサ、テクニックなどの項目に分かれているので、見たいところがすぐに見つかります。釣行前の予習や釣行後の復習はもちろん、タックルバッグに忍ばせて釣り場で活用することもできます。平和さんの理論とテクニックを吸収すれば、アナタのグレ釣りはレベルアップしているに違いありません。
磯釣りスペシャル編集部
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