「僕の作ったジョイントルアーは、早めに買っておいた方がいい(笑)」核心をつくセンドウタカシ論【ジョイント多事争論】



ジョイントに一家言ある各界の賢人たちに、エピソード、理論、テクニックなど、ジョイントにまつわるあれこれを聞いてみた金言集。9つのエピソードを読み終わると、ジョイントルアーの全体像が見えてくれるかもしれない。今回は様々なルアーへの造詣が深く、自身プロデュースのジョイントルアーもリリースされているニンジャことセンドウタカシさんにお話を伺った。

【Profile】

センドウタカシ

本誌連載「センドウBROS.」シリーズでもおなじみの、千藤兄弟の弟。プロガイドを営みつつ、ルアー開発、メディア出演、原稿執筆、トラキン出場など、精力的に活動する達人アングラーだ。愛称は「ニンジャ」。

自由度と水押しの関係動きの多彩さが武器

ニンジャグライダーなどのビッグベイトと、ノイズィーシリーズという、名作ジョイントルアーを産み出したセンドウタカシさんは、ジョイントの持つ本質的な効果について語ってくれた。

ハードコア ニンジャトゥイッチングライダー180SS(上)とハードコア ニンジャグライダー180SS(下)

どちらもリップレスのS字系だが、ジョイント部の構造が違う。グライダーは幅の広いS字からi字的な泳ぎまで演出可能。トゥイッチンググライダーは、ピッチの細かい動きが特徴で、アメリカで先行発売となった。

センドウ「ジョイントルアーは、ジョイントのないルアーに比べると、機能やアクションの自由度が増しますね。可動部があるがゆえに、動きは派手に見えるんです。でも、見た目の派手さに反して、水の押しは絶対的に弱くなるんですね。これがひとつの核心です。

それから、可動部が増える分動きの要素も必然的に増えるし、アクションが一辺倒じゃないというのもキモ。特にロッドワークを入れた時などに多彩な動きを演出できるので、魚を騙しやすくなると思います」

センドウさんがジョイントプラグの重要性に着目したのは、あのジョインテッドクローが登場するはるか前。モンスタージャックがきっかけだった。

センドウ「リップが折れてしまったモンスタージャックを、うちの兄(千藤顕さん)がいじっていたんですね。その時、兄がS字の動きに気づいたんです。それが僕にとって勉強材料になった。後々自分でルアーを作る際に生かせました」

それがニンジャグライダーなどに結実したのだ。ただ、彼からはこんなお知らせもあった。

センドウ「実はニンジャグライダーやノイズィーなどは生産休止の噂も有って…。だから興味のある人は今のうちに買っておいてください。正直、めちゃくちゃいいルアーですよ」

ハードコアNOI-Z(上)とハードコアNOI-Z Jr.(下)

センドウさんが愛するバズジェットとトリプルインパクトに、さらなる自由度を与えたくてデザインしたジョイント型ウエイクベイト。オリジナルは巻きスピードの幅が広く、Jr.は移動距離の短い演出が得意だ。



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