軽さのSTEEZ、パワーのZILLIONというイメージも今は昔。DAIWAベイトリールの新時代はジリオンが切り開く! 前回は東日本の川村光大郎さんがZILLION SV TWを使う理由をお届けしたが、こちらは西日本の雄・岡友成さんが登場。歴代ZILLIONを乗り継ぎリールの機構に造詣の深い岡さんは、新たなモデルに何を感じるのか。その魅力を余すところなく語っていただいた。
岡友成がZILLION SV TWに乗り換えた理由
岡「一番の進化、それは新たなブレーキシステム『SV BOOST』にあると思います。そうです、遠投性能ですね」
【Profile】
岡友成(おか・ともなり)
ダイナミック&繊細な戦略を緻密に組み上げ、常に正解を導き出す西日本ショアゲームの凄腕。リールメカニズムへの造詣が深く、今回の解説も実に明快だ。1980年生まれ(41歳)、岡山県出身。
誤解を恐れずに言うならば東に比べ、飛距離に対する願いが強い西日本のバスフィールド。岡友成さんは西を代表した視点で、ZILLION SV TWのアドバンテージをひとつひとつ語り始める。
岡「ショアからのアプローチで、特に遠投したい際、従来のSVは中~軽量ルアーでのキャスト後半に失速感があった…という部分は否めません。一方のマグフォースZは比較的重めのルアーで後半に伸びがあります。つまり、従来の2つのブレーキシステムを1つに融合した“イイトコ取り”と言っていいかもしれません」
軽量から重量級までのルアーで最大限の飛距離を稼ぎ出す。それがSV BOOSTなのだと、岡さんは教えてくれる。
岡「インダクトローターがフルキャストで一気に2段階へ飛び出し、キャスト後半の低回転時に1段階へ戻る構造によって、抜けるような飛距離の伸びを体感。今までより力を1割抜いたキャストで同等の飛距離を実現します」
トラブルレスに遠投性能をプラスする「SV BOOST」
岡「ショアからのアプローチで、特に西日本アングラーは自分も含め飛距離を重視します」
キャスト後半の伸びを体感できる新たなブレーキシステムを搭載。
岡「扱いやすさのφ34mm径、14lbが80~90mのキャパ。実用的な範疇の釣りはほぼ全てカバー可能です」
ネコリグや小型プラグから1oz超の羽根モノまでを網羅する。
磁界の制御によるトラブルレスなセーフティ機能を維持したまま、新たな構造でさらに飛距離を稼ぐ。
岡「より点数の高いオールマイティ。1台で何役にも。ちなみに、今季すべて乗り換えました」
今作のジリオンは岡さん溺愛のモデルなのだという。
今の時代が求めるベイトリールの最終回答
14lbライン+M~MHロッドが真のバーサタイルを実現
岡「より飛距離を稼ぎたい。でも、タックルの本数は限られるショアの釣り。ところが、14lbのラインを組み込んでMかMHパワーのバーサタイルロッドにセットすれば、およそ考え得る多くの釣りに対応できると思いますよ」
ひとことで言えば「ベイトリールのバーサタイル機」。タフコンセプトのレガシーを引き継ぎながら、より軽くコンパクトな筐体は、岡さんの釣りをさらに軽快にする。
岡「SV BOOSTと匹敵するくらいに重要なのが『HYPER ARMED HOUSING』。私が代々のジリオンを乗り継いできたのはフルメタルのボディが好きだからなんです」
フルメタルジャケットが実現した剛性感の威力【HYPER ARMED HOUSING】
フレームは無論、ギア側サイドプレート及びセットプレートのすべてにアルミを採用したダイカストを高精度マシンカット加工。
優れた剛性感が満たすのは耐久性ばかりではない。揺るぎない剛性を発揮するハイパーアームドハウジングは、水中の微かなノイズを明確に捕らえ手元へと伝達する。
岡「例えば、巻きの場合。クランクやバイブレーションなど振動の強いルアーだけでなく、シャッドやスコーンリグ、スイムベイトなど抵抗の小さい物でも確実に水中の様子が手に伝わる。情報量が圧倒的」
優れた内部構造から導き出される滑らかかつ力強い巻きを封じ込め、硬い筐体が手元へと明確に伝達。それがフルメタルの威力だ。
岡「なおかつ175g。軽い上に、言うまでもなく強い。今の時代が求める、今バス釣りをしている人が選ぶべきベイトリールです」
ZILLION SV TWがバス釣りを変える。新たな時代を築いていく。
岡s’ ZILLION チューニングパーツ
岡「ほぼそのまま。つまり変える必要がない」
岡さんのチューニング箇所は、ハンドルとノブを昨年までの愛機・STEEZ A TWから移植したのみ。
岡「幅広のフラットノブは重いルアーを投げて巻く時に握り込める。好みですね。逆に言えば、イジる必要のないリールなんですよ」
●RCSBカーボンクランクハンドル85mm(1万円)
●ノブはSTEEZ A TWのフラットタイプハイグリップノブを移植/SLPW BBハンドルノブキットでベアリングを追加。
関連記事はこちら
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!