関東の名門リザーバー、亀山湖でMAXサイズだけを追い求めるアングラーがいる。これまでに5本のロクマルを手にしているマエストロ、城ノ上巧。彼が軸とするのは2つのワームだ。その無双たる世界観を共有したい。
【Profile】
城ノ上巧(じょうのうえ・たくみ)
1974年生まれ。今季、タフを極めるゴールデンウィーク中に2尾のロクマルをキャッチして、全房総ロコにあまりにも大きな衝撃を与えた張本人である。好きなお酒はエビスビール。ノリーズプロスタッフ。
対巨バスワーム2選 異なる個性を備えたランカーキラーズ
城ノ上さんがキャッチしたロクマル5尾のうち、実に3尾に関わっているのが『ビッグエスケープツイン』。
シリーズでは、オリジナルが人気、実績ともに圧倒的であり地域によって入手困難になるほどだが、その陰に隠れていた感のある『ビッグ』を表舞台に引き上げたのはジョーさんのロクマル釣果によるところが大きい。
城ノ上「オリジナルはたしかに釣れます。でも、レギュラーサイズも食ってきてしまうので…。いろんなホッグ系を試してきて、ビッグはもう15年くらい使っていますが、素材と動きがいいんでしょうね。いまだに釣れる。これは本当に凄いワームですよ」
そしてもうひとつは『フリップギル5in』。やはりシリーズ最大をセレクト。ただしこれまで、50cm台は何尾も釣っているが、ロクマルのヒットルアーにはなっていない。
城ノ上「でもこのワームの、デカい個体を寄せる力はハンパないです。フットボールヘッドにリグることもありますが、メインはギルチャットかネコリグで、どちらかというと速めの展開をしていく。それによって〝いる場所〟が特定できるんです」
横(線)の動きでサーチする『フリップギル5in』と点で食わせる『ビッグエスケープツイン』。
共通するのは、ロクマルを惹きつけるバルキーさと無二の波動だ。
強波動+横の動きでサーチ
ギルチャット(フリップギル5in+フラチャット14g)
城ノ上さんが考案した究極セッティング。一見アンバランスにも感じる組み合わせだが、そのでかバス集魚力は絶大。フリップギルは熱湯で30〜40分煮て軟らかくし、縦揺れ(バサロアクション)も生むようチューンしてある。
ブレードを湾曲させて水噛みをよくし(左がノーマル)、浮き上がりを抑えつつ波動を強めている。城ノ上さん曰く、「フラチャットは、フリップギルを動かすための装備なんです」。
トレーラーフックの装着法がまた実にマニアック。スナッグレストレーラーLにTCキーパーM(いずれもリューギ)を取り付け、ボディなかばに通し刺しにしたうえで、メインフックをアイに通す。詳細は「ギルチャットの作り方」で検索!
ヨコヨコセッティング
フリップギル使いたちの間でシークレットとされてきた横付けネコの派生形。ボディ全体で水を受けるため、ミドスト的操作を加えると横へ進んでいく。これをエレキを踏みながら行なうと、岸と平行にスイムさせ続けられるのだ。
2つのペンチでピアスダブル#2(リューギ)をフラットに近づけたうえで(フッキング率を高めるため)、アイを片面に出し、シャンクの隙間にボディを挟み込む独特のフックセッティング。ネイルシンカーは5/32ozを挿入している。
寄せて、見せて食わせる点の釣り
フットボールヘッドリグ
フットボールヘッド5gにダブルエッジ#4/0を連結(いずれもリューギ)。ボディを2節カットしてフックセットするのがベストなリギングだ。適度にスタックさせられて、フォール姿勢も良く、フッキング率も高い。
リーダーレスダウンショット
糸ヨレ防止のキャロダンスイベル・ヘビーとダブルエッジ#4/0、DSリングドデルタ3/32oz(いずれもリューギ)で構成。スタックの多い場所やカバー狙いではこちらを起用する。
ロッドアクションによって各パーツが駆動し、ぶわっと水を押しのけながら存在感を示す。ハリがありつつもたわみを生みやすいバルキーなサイズとシルエットは『ビッグ』ならではだ。
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