【バス釣りセオリー検証19】脱・『新製品バンザイ!』【北大祐×木村建太】



Webメディアや雑誌、テレビやYouTubeなどでまことしやかに語られてきた「バス釣りのセオリー」。それを学ぶことでレベルアップできるはずが、実は逆効果になっているのかもしれない。まずは、バスアングラーなら誰もが見聞きしたことのあるフレーズを検証していこう。そんな目的で全32回+αの様々なバス釣りにまつわる「セオリー」の検証を、北大祐さんと木村建太さんの対談で贈る新刊ムック『僕たちのバスフィッシングに、セオリーは必要ない。』。

今回は「検証19 脱・『新製品バンザイ!』」。毎年新しい製品が次々登場し、技術革新の進歩を感じますが、それはそれとして、新製品だから絶対使うべきなのかどうか……? 全文まるごとお届けします!

北大祐×木村建太、おふたりのプロフィール

【Profile】

北大祐(きた・だいすけ)

1982年石川県出身。ヒューマンフィッシングカレッジ卒業後、プロトーナメントの道へ。フィネス全盛期にありながら、クランクベイトやスピナーベイトなどハードベイトを多用するスタイルに活路を見出し、以降、国内最高峰カテゴリーJBトップ50において通算4勝、年間優勝2回、Basserオールスタークラシック3勝など、日本の主要タイトルを総なめにする。2018年に自身のブランド『ペイフォワード』を設立、ワンエイトやKITなどをリリース。2019年からはバスフィッシングのさらなる深奥を求めてアメリカでのトーナメント活動を本格化させている。

【Profile】

木村建太(きむら・けんた)

1982年京都府出身。10代からJBトーナメントに参戦するが、トップカテゴリー昇格を前にして渡米、FLWのコアングラーとしてエントリー(2005~2007年)。帰国後は琵琶湖でのガイド業やビワコオープン参戦などで注目を浴び、フロッグやパンチングなどのパワーゲームがトレードマークに。2013年からはバスマスターオープンにフル参戦、2021年にエリートシリーズ昇格を果たした。スリザークやバスターク、イヴォーク・シリーズなどルアーデザイナーとしても高く評価されている。2021年より、自身のプライベートロッドブランド『ウルフダウン』を始動。

検証19 脱・『新製品バンザイ!』

OLD is NEW. ロッドの技術は進歩している……?

「たとえ最新式でも、使われている素材が20年前よりグレードダウンしている例はたくさんありますよ。釣り具に限った話ではないですが」

木村「ロッドのグリップに使われるコルクなんかは昔のほうが高品質なものを採用していることも多い」

「ブランクに使われるカーボンの素材って、技術革新でどんどん『軽くて硬い』という方向に変化しているんです。おもに航空産業や自動車産業で大量に使われるものだから。本当ならロッド用には『適度な重さがあって、いい感じに粘ってくれるタイプのカーボン』も必要なのに、それがどんどん製造されなくなっていく。材料がないんだから、昔と同じサオが作れない、ということにもなってしまいます」

――とはいえ、総合的に見れば技術は向上している?

木村「90年代、TEAM DAIWA時代に『LT』というロッドのシリーズがあったんですが、あれを開発した人は天才やな~と思う。リールシートのオフセット構造も、ブランクを4軸で補強するアイデアも、いまだに最先端じゃないかと。ガイドセッティングだけ新しくすれば、最新のロッドと並べても遜色ない」

「サオの根本的な作り方は何十年も変わってないですから」

木村「最近驚いたのは、ブランクが潰れないレベルまでガチガチに補強するという構造を採用してた某ロッド。適度に潰れるから曲がるんであって、素直な曲がりを妨害してるだけじゃないの? そういう例もあります」

毎年飛躍的な進歩を遂げているように見えるタックル。自分にとってそれは使いやすいのか、進歩の方向性も考える必要がある。

リールは進歩してますよね……?

――リールはどうでしょう。例年、新製品が発表されるとSNSが盛り上がるネタですが。

木村「サオに比べれば、機構が刷新されてよくなることはある。それでも高級なハイエンドがいいとは限らないですね。最近のバスマスターだと、リールのスポンサーがついていない選手がのきなみ選んでいるのは、某社の$150前後のモデル」

――具体的に教えてください

木村「名前は伏せるけど(笑)、端的にいえば『壊れないリール』ですよ。スプール径32mmで、余計な電子機構がついてなくて、剛性の高いブラスギアで、その歯が細かすぎないヤツ」

「リールは軽いのが正義みたいな風潮もありますが、軽くしたせいでバランスが悪くなったニューモデルもたくさんありますからね」

――バランス、というのは?

「たとえば、ベイトリールをシートに乗せたときの『左右の重量バランス』です。どちらかに偏りがある場合、常に左右に倒れそうになるリールを支えながら握っていることになるわけですよ」

――それだとたしかに繊細なリトリーブには影響が出そうですね。

「僕自身はタックルの新旧よりもそういう部分を気にしてます」



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『僕たちのバスフィッシングに、セオリーは必要ない』発売情報

過去の常識は非常識!? バス釣り脳をアップデートせよ!!

北プロと木村プロは、なぜセオリーの逆を伝えようとするのか。かつてセオリーとされた事柄のなかに、たくさんの誤解が混じっていたのではないか?
トーナメントプロとして活躍の場を本場アメリカへ移し、最先端を走り続ける北大祐と木村建太。次世代筆頭と言うべき2人が、半世紀にわたり日本で積み上げられたバス釣りのセオリーとウェブ上に溢れる釣果に結びつかない情報をバッサリと切り捨て、アップデートされた「現代のバスフィッシング様式」を語りつくす。

●発売日:2022年3月17日
●定価:1,980円(税込)

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