【2023年対応】全部わかるシロギス釣り! 大型狙える船釣りやボート釣り!【釣り方、道具、持ち帰り方、料理】

様々な魚が釣れる海釣り。中でも比較的簡単でお手軽、そして美味しい! シロギス釣りをご紹介しよう。なお、シロギスの釣り方は主に岸からの投釣りと船またはボートで狙う沖釣りに分けられるが、初めての方でも楽しめる手軽な手ブラ釣行が可能で、より確実な釣果を得られやすく、しかも大型が狙いやすい船釣りおよびボート釣りを中心に解説していく。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 新製品情報

シロギス釣りのシーズンは、ほぼ周年の春~秋

シロギスは沿岸の浅い砂地を好んで棲息する魚で、このため比較的狙いやすいターゲット。特に産卵行動で浅場に寄りやすい夏から秋にかけては釣りやすく、秋は小型な当歳魚の数釣りが楽しめる。数は減るが、寒い時期でも場所によっては狙うことができる魚だ。

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沖釣りだとシロギス以外にも多彩な魚が釣れるのでおすすめ!
ホウボウのような高級魚がアタックしてくることも。

様々な狙い方ができるシロギス釣り

シロギス釣りで最も一般的な釣り方は、砂浜や堤防からの豪快な投釣り。硬く長い竿で大型の投釣り専用リールを使った遠投シロギス釣りは専門の大会が行われるほどの人気の釣りだ。1度に複数のキスが釣れるため、数釣りにも向いている。ただし、この釣り専用の道具が必要になる点ではやや敷居が高い。

遠投の投釣りでなければ、堤防などから軽く投げる「ちょい投げ釣り」でも狙える。また、船釣りやボート釣りも人気で、沖から釣る場合は岸からは狙えない穴場であったり、より大型のキスを狙って釣ることができる。ボート釣りと船釣りはちょい投げ釣りと道具が共有できる部分が多く、手広く楽しむことができるので初心者におすすめだ。

シロギス釣りに必要な道具

シロギス釣りの竿は最初はレンタルでOK

船やボートからシロギスを狙う場合、砂浜から遠投する投釣りと違って遠くに飛ばす必要がないため、船内で取り回しのよい短い竿を使う。軽く投げる程度であれば、堤防からのちょい投げ釣りにも利用可能。

項目おすすめ
全長1.8m前後
調子7:3~8:2の先調子
タイプスピニングリールタイプ
※ベイトリールタイプでも構わないが初心者には投げにくい

どのような釣り竿がいいかというと、穂先の柔らかいやや硬めの竿になる。大きい魚ではないので柔らかい竿でいいのではと感じるかもしれないが、使用する仕掛けのオモリは15号ほどになり、こちらに適合した釣り竿が必要だ。例えばルアー釣りで使うウルトラライトロッドでは柔らかすぎて仕掛けの負荷に耐えきれず、仕掛けを背負えたとしてもハリ掛かりしにくくなるといったことがある。

釣り船では扱いやすいタックルを貸してくれる。

「船釣りキス」用の竿も多数販売されているので購入するなら専用竿がおすすめだが、船釣りの場合はリールごとレンタルタックルが借りられることがほとんどなので、最初は借りてみることをおすすめする。ボート釣りの場合もボート店に貸し道具があるか事前に聞いてみよう。

リールの選択はスピニングがおすすめ

小型のスピニングリールであれば何でも構わない。各モデルの小型番手となる1000番~2000番がおすすめ。中型以上のリールでも使えないわけではないが、軽くて小さい方が使いやすい。ベイトリールを使うと素早く再投入ができたり操作性が良いなどの利点があるが、慣れないうちは釣り糸が手元で絡むトラブルが発生しやすいため、初めての方にはおすすめしない。

シロギス釣りの仕掛けは現地で購入しよう

仕掛けはシロギス釣り向けの小型な天ビン吹き流し仕掛けを使う。購入する際は針と糸がついた「仕掛け」と「天ビン」、15号ほどの「オモリ」の3点が必要だ。

ハリは掛けやすい「」「競技用」タイプと、吸い込まれやすい「キスバリ」「流線」タイプがある。初めはあまり気にせず何となく好みな方を選んで構わない。

船上では仕掛けが転がりやすいため、オモリは円錐形で丸い「ナス型」ではなく、転がりにくい「小田原型」や「六角型」など角ばった平面のあるものを選ぼう。

仕掛けは釣り船やボート釣りの場合は現地で適正なサイズのものを購入できるので、現地購入がおすすめだ。

項目おすすめ
仕掛け全長1mほどで、キスバリ6~8号ほどの2本針
天ビンシロギス用の小型片テンビン
オモリ小田原型または六角型の15号前後

シロギスのエサはアオイソメでOK

エサはゴカイを使うのがもっとも一般的でよく釣れる。シロギス釣りに向いているのは柔らかくて吸い込みやすい「ジャリメ」が1番といわれるが、釣り具店ならだいたいどこでも売っている「アオイソメ」でもじゅうぶん釣れる。釣り船やボート店では用意があることがほとんど。現地で購入しよう。

シロギスはエサを吸い込んでから素早く首をブルブル振りまわすような動作で捕食する。食べやすいよう3cmほどにカットして使おう。エサをつける際はイソメの首の部分を背中側からギュッと船べりに押さえつけて掴むとハリにつけやすいし噛まれない。

なおエサを大きくすると小型の魚がかかりにくくなって大型を狙って釣りやすくなる。その代わり釣果は減る。

なお、どうしても活エサが苦手な場合は「パワーイソメ」などのソフトルアーでも釣ることができるが、常に動かし続ける必要があるなど、少しコツが必要だ。

必ずライフジャケットを着用しよう!

船釣りやボート釣りでは原則的にライフジャケットの着用が義務付けられており、持っていない場合は現地で借りることができる。水辺の遊びは常に何があるかわからないリスクが潜んでいる。不意のアクシデントで致命的になることを想定し、必ずライフジャケットを着用するようにしよう。

船から狙うシロギスの釣り方

仕掛けを軽く投げ、海底についた感触があって糸が止まったら、リールのベイルを返して糸をピンと張り、釣り竿を軽く上に動かして海底をコンコンと叩きながら魚に仕掛けをアピールする。

糸の張りを常に維持できる範囲で軽くリールを巻きながら魚の食い気を誘おう。

少し待って魚のアタリがなければ仕掛けが足元にくるまでこれを繰り返す。

魚のアタリは明瞭で、意外なほど強くブルブルと釣り竿を叩くアタリが出たらシロギスだ。そのままリールを巻いて魚を取り込もう。

慣れてきたら1尾目が掛かったタイミングで魚を回収せずそのまま少し待ってみよう。キスが暴れることで砂煙があがり周囲の魚が興奮して2尾目がかかる。たくさん釣る場合は「追い食い」を狙ってみよう。

なお、仕掛けを投げる際は必ず下から仕掛けを送り込むように投げること。振りかぶって投げる「オーバーハンドキャスト」は危険なため、船上では禁止されている。

ボート釣りの場合のシロギスの狙い方

基本的には海底が砂地で、かつ急な坂になっている場所や、近くに岩礁があるような地形の変化のある場所が狙い目。通常では岸からは狙えないような、沖の消波ブロックの裏側も穴場だったりする。詳しいポイントはボート店の方に聞いてみるのがおすすめだ。

ここ! というポイントについたらアンカーを下ろしてボートを固定して釣りを始めよう。アンカーを降ろし忘れるとボートが流されて沖に出てしまったり船や岸に衝突するなど危険だ。

釣り方は船釣り同様、狙い目のポイントに軽く投げて海底を探る。少し変化のあるような場所があれば少し時間をかけてアピールしてみるのがコツだ。

ボート釣りの注意点

狭いボートの上では大きく振りかぶる遠投は転覆のリスクがあり危険。軽く投げて周囲を探るようにしよう。

また、海は他のボートや船、ヨットや遊泳者など様々な利用者が行き交うことがある。また、風向きが変わるとボートは意外な方向に移動したりする。暗礁や岩礁にぶつからないよう注意しよう。

ボート釣りは岸からの投げ釣りや釣り船では入れないような穴場を攻めることができる小回りのきく釣りだが、操船や安全対策は自分自身で行う必要がある。じゅうぶん注意を払って遊ぼう。

沖釣りでは岸からではなかなか釣れない大型も期待しやすい。大ギスの引きは強烈だ!

「チョイ投げ」なら岸釣りにも応用できる

以上は船釣りやボート釣りの場合のシロギス釣り仕掛けの解説だが、まったく同じタックルで岸からでも釣りをすることはできる。本格的な遠投釣りにはまったく向かないが、堤防からなど軽く投げる「ちょい投げ」であればそのまま流用することができる。

岸釣りの場合は、遊泳者がいないか、ボートや船が通行していないか、周囲に歩行者がいないかなど、安全にはじゅうぶん注意しよう。一般的に砂浜や磯は海水浴場シーズン以外で釣り禁止になっていることはあまりないが、釣り人による迷惑行為などで漁港などは釣り禁止になっている場所が増えている。現地のルールは守って楽しく遊ぼう。

シロギスの持ち帰り方

釣れたシロギスは、天ぷら用とするなら釣行中はクーラーボックスに海水と氷を混ぜた「海水氷」に入れて保存するのが手早いのでおすすめ。あまり血液が気になる魚ではないが、25cm程度よりも大型の場合はナイフなどで眉間を突き刺して「脳締め」にし、エラを切って血を出そう。刺し身やカルパッチョにしてみると、さっぱりとした上品な旨味が楽しめる。鮮度の良い魚が手に入る釣り人だけの特権のような味わいで、ぜひ挑戦してみてほしい。

シロギスはぷりっぷりのお刺身も美味しい。
オリーブオイルとにんにくで味付けしただけの簡単なカルパッチョ。

生食用で持ち帰る場合、エラから刃を入れて背骨の下側を通る大動脈に切れ込みを入れてしっぽを持ち、20回ほど海水バケツの中で振って血を抜いてみましょう。身がさらに白く美しくなり、臭みもまったく感じない美味しい状態で食べられます。

全国の主なシロギス船釣り出船エリア

釣り船から狙うシロギス釣りでは、東京湾エリアが特に人気だ。主な釣り場となるのは東京湾の中央部の岸よりとなるため、千葉県~東京都~神奈川県の広い地域から出船している。関東近郊ではこの他に相模湾からも春から夏にかけて出船日限定で出船している船がある。

釣り船は専用の予約サイト『釣割』で検索すると探しやすいのでおすすめ。

出船地域出船地特徴
埼玉県戸田市荒川笹目橋内陸部荒川から出船、小型船1隻貸し切りの仕立船
埼玉県三郷市新中川橋内陸部中川から出船、小型船1隻貸し切りの仕立船
千葉県千葉市寒川港東京湾本千葉から出船、乗合船あり
千葉県市川市真間川東京湾西船橋から出船、釣り船1隻貸し切りの仕立船
千葉県浦安市浦安旧江戸川浦安橋から出船、釣り船1隻貸し切りの仕立船
東京都江戸川区東葛西旧江戸川浦安橋から出船、乗合船あり
東京都江戸川区江戸川放水路妙典駅至近、乗合船あり
東京都江東区深川深川越中島、荒川東砂、小名木川出船、乗合船あり
東京都港区京浜運河品川駅送迎あり、釣り船1隻貸し切りの仕立船
東京都品川区品川堀北品川駅至近、釣り船1隻貸し切りの仕立船
東京都品川区勝島運河鮫洲駅至近、乗合船あり
東京都大田区平和島大森駅送迎あり、乗合船あり
東京都大田区羽田天空橋駅送迎あり、多摩川出船、乗合船あり
東京都大田区六郷水門雑色駅至近、多摩川出船、乗合船あり
神奈川県川崎市桜堀川崎駅送迎あり、乗合船あり
神奈川県横浜市鶴見川鶴見市場駅至近、乗合船あり
神奈川県横浜市Dマリーナ京急東神奈川駅至近、小型船1隻貸し切りの仕立船
神奈川県横浜市新山下元町・中華街駅至近、乗合船あり
神奈川県横浜市根岸根岸駅至近、掘割川出船、乗合船あり
神奈川県横浜市金沢漁港野島公園駅至近、釣り船1隻貸し切りの仕立船
神奈川県横浜市金沢八景金沢八景駅至近、乗合船あり
兵庫県姫路市野田川姫路港野田川出船、乗合船あり
兵庫県姫路市網干港平松駅近郊、大津茂川出船、釣り船1隻貸し切りの仕立船
福岡県糸島市岐志漁港岐志漁港出船、乗合船あり

関東近郊シロギスボート釣り出船エリア

関東近郊では波が立ちにくい穏やかな湾内からボート釣りが楽しめるエリアが複数あり、どこでもシロギスが狙える。シロギスは沿岸域で釣れるため、釣れるポイントを狙い撃ちにできるボート釣りは相性がよく、人気の釣り物だ。

ボートの出船エリアはそれぞれ岸辺の向きによって特定の方角の風に弱くなりがち。あらかじめ天候を考慮しつつ、心配があれば釣行日前にボート店に状況を確認して、じゅうぶん安全に配慮して釣りを楽しもう。

出船地域出船場所特徴
千葉県館山市館山湾南風に強いエリア
千葉県南房総市富浦湾、岩井南風に強いエリア
神奈川県横須賀市(東)大津、鴨居、走水南風に強いエリア
神奈川県三浦市三浦海岸、金田海岸西風に強いエリア
神奈川県横須賀市(西)佐島北風に強いエリア
神奈川県葉山町葉山、森戸海岸北風に強いエリア
静岡県熱海市網代南風に強いエリア
静岡県伊東市伊東、川奈南風に強いエリア
静岡県南伊豆町子浦西風以外に大変強いエリア
静岡県沼津市戸田湾西風以外に大変強いエリア
静岡県沼津市内浦湾南風に大変強いエリア

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