2021年に開発が報じられたメガバスのビッグプラグ「SuWITCH(スイッチ)」。ジョイントボディに立ったリップは、一見すると普通の大型ウェイクベイトの様にも思えた。しかも、そのリップには可変機構が搭載されるという。そして2022年初夏。「スイッチ」はいよいよ発売秒読み段階に入ったという。そこでルアマガスタッフは急遽、伊東由樹社長に直撃インタビューを敢行。それまでの常識を覆す、「4人の魔女」の名を冠した新世代型マルチパーパス・スイムベイトはどのような完成形となったのか?
●文:ルアーマガジン編集部
ジョイント、ウェイク、可変リップまだ見ぬ融和に刮目せよ!
メガバスの技術が不可能を可能にした
『パラダイムシフト』。
伝説のロッド・ARMSの誕生からはじまったメガバス35年目のテーマである。
ものの見方や考え方が劇的に変化することを指すこの言葉は、バスフィッシングの世界に多大な影響を与えてきたメガバスにこそふさわしい言葉と言えるだろう。
そして2022年7月下旬。メガバスはジョイントプラグの『パラダイムシフト』を起こすことになる。
伊東「それがこのスイッチになります。昨年に皆様にお見せした初期のデザインからはずいぶん変わっていますが、いよいよ最終形です」
シンプルに言い表せば、リップ付きの2連結大型プラグ。だがしかし、その設計、内蔵された機構はまさしく『パラダイムシフト』となるものだ。
伊東「最大の特徴とも言えるのが、かつてXポッド誕生の際にアイティオーテクノロジーで生み出された『トランスフォーメーションシステム』を搭載しているという点です。これによって、ワンタッチでリップの角度を変えることができます」
リップを立てればウェイクモード。寝かせればダイビングモード。ルアー交換の手間を掛けずとも、瞬時に潜行レンジを変え、アクションを変えることができる。タックルを極力減らしたい岸釣りはもちろん、ボートにおいても、変化の大きいストレッチをハイスピードでチェックしていく際にタックルを持ち変える手間が省けるという点でも役立つだろう。
伊東「ウェイクモードでのスローリトリーブ、ダイビングモードでの高速リトリーブが魅力的ですが、どちらのモードでもあらゆるリトリーブスピードに対応しています。また、ロッドワークで動かすと、ウェイクモードならドッグXのようなテーブルターンが出せますし、ダイビングモードならワンテンのようにダートをさせることができます」
ひとつのルアーに4つのルアー機能が宿っている。それぞれの機能(能力)を「魔女」になぞらえ、中国語の4(スー)と「切り替える」ことを意味する言葉を組み合わせることで与えられた名前こそが『SuWITCH(スイッチ)』。ワンタッチで4つ分の働きを担うことができるルアーは、まさしく『パラダイムシフト』のたまものと言えよう。
しかしここにいたるまでの道のりはもちろん、険しかった。
伊東「ウェイクベイトのリップは水をつかみやすい形状になっていますが、その分、ダートやテーブルターンをさせにくい。アクションさせようとしても、つんのめるだけになってしまいがちなんです。加えて『スイッチ』はジョイントプラグ。ボディ後半部が独立して動くせいで、規則正しい左右への首振りといったアクションが非常に出しづらかった。もちろん、現在はクリアしていますが」
確かに、2連結のジョイントプラグで、しかもウェイクタイプのリップがついているルアーが、ダートしたりきれいなテーブルターンをするイメージはあまりない。ある意味それは、これまでの常識ではあり得ない動きだからなのかもしれない。だからこそ、『スイッチ』はそんな固定観念を破壊する。
2022年のメガバスが掲げる『パラダイムシフト』は、「4人の魔女」がもたらすのだ。
ItoエンジニアリングSuWITCH(スイッチ)
2021年のコンセプトアルバムに掲載された初期スイッチは丸みのあるデザインであった。そこから1年後の2022年プロトでは全体的にスレンダーになり、ジョイント形状やウロコ模様も変化。最終版ではリップ形状や背ビレに変更が見受けられる。
全長 | 重さ | タイプ | カラー | 価格 |
---|---|---|---|---|
137mm | 1.1/8oz | フローティング | 12色 | 3,960円(税込) |
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
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