DAIWAスピニングリールの最高峰「イグジスト」が2022年にフルモデルチェンジを果たした。オカッパリの第一人者、川村光大郎さんが愛用するのが、自重160g、ギア比5.1モデルの「LT2500S」だ。1台のリールで様々なルアーやリグを使う川村光大郎さんに、NEWイグジストの使用感を語って頂いた。
●文:ルアマガプラス編集部
軽さと剛性を高次元で実現!オカッパリのスペシャリストが「絶対的信頼」を寄せるスピニングリール『イグジスト』
川村「僕がスピニングリールに求める要素は、自重の軽さ、巻きの軽さ、トラブルレスであることです。そのなかでも『自重』が最優先です。僕が使っているのは、22イグジストのLT2500Sで、自重は前作の18イグジストと同じ160gという快適な軽さです」
川村光大郎さんの愛用機種『イグジスト LT2500S(DAIWA)』
【スペック】
- ギア比:5.1
- 巻取り長さ(cm/ハンドル1回転):72cm
- 自重:160g
- 糸巻き量:4Lb150m、PEライン0.6号200m
- スプール径:45mm
- ハンドル長さ:50mm
- ベアリング(ボール/ローラー):12/1
- 価格:101,000円
川村「使うスピニングロッドも軽いので、タックルバランスとして軽いロッドと軽いリールのシャープな使用感は僕にとって必須のものです。自重は軽くすればするほど剛性を損なうイメージがありますが、22イグジストは軽いのにメタルのカッチリ感があって剛性が高いことが驚きです」
――軽さと剛性を高い次元で両立している理由はなんですか?
川村「ズバリ『モノコックボディ』です。ボディがコンパクトで軽量なのに、剛性が高く、内部に大型のドライブギアを入れられるとても合理的な構造です」
川村「巻きが軽いうえに、巻き感度が高く、ボディが強靭なので、ガタつかず初期性能が落ちないんですよ。ちなみに愛用する18イグジストもモノコックボディで、4年くらい使ってますが僕の体感では今も初期性能をほぼ保っています」
――川村さんの使用頻度と酷使具合で4年使ったものが初期性能をキープしているとは、モノコックボディの剛性と耐久性は凄いですね。
川村「ダイワのスピニングリールは、モノコックボディになってから飛躍的に向上したと感じています。4年使った18イグジストが証明してくれているように、22イグジストもモノコックボディなので耐久性は相当に高いと思います」
さらなる進化を遂げたドラグ機構『ATD-TYPE L』に+αのカスタマイズが川村式!
――トラブルレスという部分はどうでしょうか?
川村「22イグジストは前作に比べてスプール形状がなめらかなデザインになったことによって、ラインがスプールに絡むトラブルが激減しました。現場での使用感として、ライントラブルが減ることは重要ですね」
川村「ラインブレイクを防ぐという部分では、圧倒的に性能がいい「ATD TYPE-L」という新しいドラグが搭載されています」
――もともと上位機種に搭載されていた『ATD』ドラグは高性能ですが『ATD TYPE-L』はどんな特性のドラグなのでしょうか?
川村「滑らかでありつつ、ジワッと粘るように効き続ける『ATD』ドラグの特性はそのままに、必要な瞬間に速やかにラインが出るようにドラグの初動レスポンスを向上させたのが『ATD TYPE-L』です。
僕は近年PEライン0.6号をメインに使っていますが、伸びがないPEラインでフッキングした瞬間に、必要な分だけスムーズにラインが出て、ラインへの負荷を低減させて合わせ切れを防いでくれます。さらにファイト中に粘るドラグ特性によって、ラインテンションが抜けないので、バラシが激減します」
――ドラグといえば、川村さんは『クイックドラグノブ』を使っていますか? クイックドラグノブとは、ドラグの効きを調節するときに、例えばドラグノブを1回転させるところを、1/4回転くらいで調節できる機能ですよね?
SLPW LTクイックドラグノブ(SLP WORKS)
川村「使ってますよ。藤田京弥くんに教わって、ダイワのカスタムパーツを販売するSLPワークスで、クイックドラグノブを入手して交換しました。クイックドラグノブは2500~3500円なので、気軽にカスタマイズできますね。
僕のドラグ設定は、フッキングした瞬間に合わせ切れしない程度に締めておいてハリ先がしっかり刺さるようにしています。そして、バスを掛けてから魚のサイズや引きの強さに応じて、ドラグノブを回してゆるめる操作をして、ファイトしています。
クイックドラグノブにはすぐに慣れてメリットしかないですね。でかいバスを掛けたあとドラグノブをひと目盛りかふた目盛り回すだけで、適度にラインが出ていくようになります。さらに、ファイト中の瞬間的な猛ダッシュやツッコミに対応して、即座にドラグをゆるめてラインを出せるアドバンテージは大きいですね。
今僕が使うスピニングリールは、22イグジストと18イグジストの2台体制で、両方ともクイックドラグノブに交換してあります」
「クイックドラグ」を知りたければこちらの記事もチェック!
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スピニングタックルのメインラインは「PE」の時代へ
――川村さんは、イグジストでどんなラインを使っていますか?
川村「メインはダイワの12ブレイドのPEライン『UVFエメラルダスセンサー 12ブレイドEX+Si』の0.6号です。細くて強くて滑らかで飛距離が出るので愛用しています。これにリーダーとして、ハリス用フロロカーボンライン1.5号(約6Lb)を1〜2ヒロ(1.5〜3m)直結しています」
UVFエメラルダスセンサー 12ブレイドEX+Si(DAIWA)
【スペック】
- 号数ラインナップ:0.6号、0.8号
- 巻き糸量:150m
- メーカー希望本体価格:7,400円(0.6号)、6,500円(0.8号)
川村「12ブレイドは、8ブレイドに比べて、同じ号数なら1本1本の繊維が細いので、使ってるうちに毛羽立ちやすいとか、擦れに弱いのではとも思ったのですが、デメリットは感じませんね。というのは、僕の場合はリーダー部分が長いので、実際に物に擦れているのはリーダーです。僕はラインチェックとルアーの結び替えを頻繁にするので、リーダーがどんどん短くなっていきます。なので、リーダーは1.5〜3mと長めに結んでいます。例えば、1.5mのリーダーが、60cmくらいまで短くなったら、新しく1.5mのリーダーに交換します」
川村「また、カバーを探る場合はPEラインを0.8号にして、リーダーも長めにして、リーダーがカバーや木の枝に触れるようにします」
――フロロカーボンの出番は少ないんですか?
川村「フロロカーボンラインを使う場面は、スピニングタックルを使う釣りの1~2割です。ラインはクロスリンクの4~5Lbを巻いています。ノーシンカーワッキーを落とし込む釣り方や、ホバストなど軽いルアーを流れや風のある状況で使うときがフロロカーボンラインの出番です。シャッドだけを引くときは、ナイロンライン5~6Lbに巻き替えますが、ほかのルアーも使うときは、シャッドをフロロカーボンで使います。
――底をズル引きする釣りはどうですか?
川村「かつてはフロロカーボンでやっていたのですが、最近はPEライン+長いリーダーで対応しています。リーダーを長めにすることで、PEラインの遠投性能と強度とフッキング性能、フロロカーボンの重さと耐摩耗性脳といういいところが使えるんですよ」
川村「イグジストの剛性、ライントラブルが少ないこと、高性能なドラグは、PEラインとの相性もとてもよいです。伸びがないPEラインを使うととにかくフックがしっかり刺さるので、ファイト中のバラシが実感できるレベルで減りました。
コンパクトなモノコックボディに、スプール径が大きいデザインを、僕はとてもいいバランスだと思ってます。店頭で手にすると、僕が語ったことが体感してもらえるはずです」
●まとめ
- モノコックボディで軽いのに剛性が高い。
- 大型のドライブギアによりなめらかで軽い巻き心地。
- ドラグが「ATD TYPE-L」に進化。
- スプール形状によりライントラブルが軽減。
- クイックドラグノブを後づけするカスタマイズがおすすめ。
川村さんによる22イグジストインプレッション動画も必見です!
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