バスの口にちょこんと乗ったワーム。『マイクロベイトパターン』が織りなす魚とバスのギャップは非常に印象的だが、そもそもなぜこのようなパターンが成立するのか? 有効な季節は? 最適なタックルは? この釣りのパイオニアである大津清彰さんに解説していただこう。
●文:ルアーマガジン編集部
大津清彰さんのプロフィール
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗釣具メーカー・ティムコに務める『野良ネズミ』の生みの親。関東の様々なフィールドで革新的な釣りを発信し、数々のムーブメントを巻き起こしてきたバス釣り界のインフルエンサー。ルアマガモバイルでは『バス釣り真相解明』を連載中。また今号からルアーマガジンでも新連載を開始!
「マイクロベイトパターン」名付け親は大津さん!?
小さなルアーに極細PE。そして繊細なタックル。その名の通りの『マイクロベイトパターン』の釣りだが、実はティムコの大津清彰さんが呼び出したのがきっかけだったのかもしれない。
大津「5年くらい前ですかね。ほかにも色々考えてはみたのですが、海のルアー釣りでは割りとメジャーな『マイクロベイトパターン』の名前をバス釣りでも使ったところ、それが浸透したんですよね」
各所でそう呼んでいた人はすでにいたかもしれないが、明確な『釣り方』として世間一般に知らしめられたのは間違いなく、大津さんによる影響が大きいだろう。
大津「自分がこの釣りに気がついたのは、相模湖でした。何をやっても全く反応しなかった見えバスに、なんとなくクリーピーミノー2.7inを投げたところ、食わないまでも明らかにそれまでとは違う反応を得られたんです。それをきっかけに、この釣りを研究していきました。当時はクリーピーミノーを普通のダウンショットワッキーで使っていたのですが、リグが軽いほど有効なことに気がつきます。次に、その軽いリグをどうしたら投げられるかを突き詰めました。それまで使っていた3lbのフロロではまったく飛びません。1.5lbまで落としたけどダメでした。アジングなんかでやるような飛ばしウキも試しましたし、フライフィッシングよろしくシューティングヘッドも試しました。そしてたどり着いたのが、PE0.2号に3lbリーダーの組み合わせでした。といっても、このセッティング自体はサイコロラバーを使ったサイトの釣りではもともと使われてはいましたけどね。でも、バスが捕食している小さなベイトとリンクさせた使い方としてこの釣りができあがって、『マイクロベイトパターン』と名付けたんです」
それが冒頭にもあるとおり、およそ5年前の話。現在はそのラインチョイスにも変化が起こっているという。
大津「相模湖とか津久井湖の魚って、フックアップしてから沖に逃げる傾向があるんです。だからPE0.2号でも獲れた。ところが、房総半島のフィールドなんかでは、掛けた魚がカバーに入ろうとするんです。そうするとさすがに0.2号では分が悪い。そこで最近は0.4号を基準に、細くても0.3号を使用するようになりました。純粋に引張強度をとったわけです。0.2号になると途端に弱くなる印象がありますし、扱いにも気を使いますからね。逆に0.4号とかを使っておけば、リーダー次第では普通のフィネスタックルとしても運用できますよ」
マイクロベイトパターン「PEラインの基準は0.4号」
相模湖での『マイクロベイトパターン』確立直後は0.2号という極限まで細いPEラインだったが、房総フィールドや霞ヶ浦水系のオカッパリなどを想定し、近年の大津さんの基準は0.4号。キャスタビリティや操作性、バスとのやりとりを考慮した上での最適解となるのだ。
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