メジャクラ『ファインテール・エリア』ソリッドティップモデルはショートレングスの高い操作性をもったトラウトロッド

コストパフォーマンス抜群、しかし性能もハイクオリティなロッドをリリースするメジャークラフト。ここではすでに好評を得ているファインテール・エリアのこだわりを深掘り。エントリーユーザーからトーナメンターまで、納得の1本がきっと見つかるはずだ。今回は攻撃的なショートレングスな3本の「ソリッドティップモデル」について、開発に携わった中村渉希さんがご紹介。

●文:ルアーマガジン編集部

中村渉希さんのプロフィール

中村渉希(なかむら・しょうき)

1989年生まれ。東京都あきる野市・出身在住。幼少期からルアーフィッシングにハマり、10数年ほど前から本格的に管釣りトーナメントに参戦するようになる。ファインテール・エリアシリーズの開発にも深く関与。

全ての釣りに対応できる「ソリッドティップモデル」

ソリッドティップとショートレングスが生む攻撃性

ファインテールの中でも中村さんのこだわりが凝縮されているのがソリッドティップの3本。

中村「ソリッドティップのメリットは目感度でバイトが取れるのと、食い込みのよさ、そして操作性ですね。ティップのソリッド部分を少し長めにして、全体的にスムーズに曲がるようにしてあるのが特徴。しなやかなティップを持っているんだけど、急テーパーすぎない。全体的な曲がりとしてはナチュラルなので、ティップが入ったらベリーとバットで自然とフッキングが決まります」

そして、3本全てアンダー6ftだ。

中村「当時、短いロッドが出始めたので、それに挑戦してみました。ショートロッドのメリットは感度が良いことです。ロッドが短い分、ティップで受けた振動が手元に伝わるまでの距離が短いですからね。あとは、ミノーのジャーキングなどでロッドを下向きにアクションしてもティップが水面につかないし、ランディングもしやすい。飛距離もしっかり出ますし、短いことによるデメリットは特に感じませんね」

中村さんのタックルボックス。スプーンは観音開き式、プラグはトレーにまとめてある。 [写真タップで拡大]

これらの全てを自在に扱うことができるのがソリッドティップモデルなのだ。 [写真タップで拡大]

目感度も手感度も高い独自のティップ

ティップ部分はやや硬めのソリッドを採用しており、食い込みは良く感度も損なわれていない。ブランクスの繋ぎもスムーズで、自然な曲がり込みを実現。

スプーン、トップ、クランク、ミノー、なんでもござれ!

ソリッドティップモデルで主に使用したのはこれらのルアー。トップからボトムスプーンニング、クランクの巻き、ミノーのジャーキングまで、実に多彩な釣りに対応できるのがソリッドの強み。

  • ボトムサタン2g(アールグラット)
  • ザッガー50F1(HMKL)
  • デカミッツドライ(ティモン)
  • ディープクラピー(ラッキークラフト)

弾かれやすいトップの釣りにもソリッドティップは威力を発揮。浮力の高いプラグでも魚が水中までしっかりと咥えこんでくれる。

ザッガー50F1でキャッチしたヤマメ。ジャーキングからの浮上アクションに思わずバイト。 [写真タップで拡大]

ロッドを縦に煽りながら、バイブレーションを跳ね上げるような動作もとてもやりやすい。 [写真タップで拡大]

「大会ではS552ULしか使わない」それがこのロッドの最大級の賛辞

ヒットパターンを途切らせない同ロッド座組み戦略

中村さんが愛してやまないソリッドティップモデル。その中でもS552ULは特に思入れが強いという。

中村「55という長さに凝縮されているから、ソリッドティップなんだけど感度もかなり高いし、パワーもしっかりあります。例えば、ボトムまでスプーンを沈めてズル引きしてくると、ティップがボトム変化を拾って手元に伝えてくれる。バイトがあればフッとティップが入るから、そのタイミングでアワセてあげるんです。あとはミノーのトゥイッチやジャーキングも、ティップだけを曲げるようなイメージで動かすと綺麗に動きますよ」

大会ではソリッドティップだけでタックルを組むことも多いという。

中村「5本ルールなら全てS552UL、6本ルールならそこに1本、放流獲りのためにS510ULを入れたりします。ソリッドで全部揃えてスプーンからクランクまで全てやってしまうんです。5本用意したら、そのうちの3本はラインを一緒にしています。セッティングを同じにしておくことで、ラインブレイクしたときもすぐに同じ釣りに復帰できるんです。釣れているパターンを途切らせないためですね。番手の違うロッドになると、同じルアーでも感覚が変わってしまいますから」

ロッドを同じものでセットし、ラインを目的別にエステルとPEで使い分ければ、同じ使用感覚で全ての釣りをカバーできるのだ。

中村「ショートロッドでも飛距離は十分に出るので、どんなに広い場所でもS510ULを使っちゃいますね。0.5gの軽量スプーンから各種プラグまで、できない釣りはないので是非みなさんも試してみてください」

中村さんが大好きなパターンが、1ジャーク&浮上アクションで魚を寄せて口を使わせるというもの。サイトで魚の反応を見ながら、追わせる・食わせるというアクションを仕掛けていくのが楽しい。ソリッドティップと相性抜群だ。 [写真タップで拡大]

この日はチューブラー、グラス、ソリッドティップをローテしていったが、大会では全てソリッド。FAX-S552ULだけで勝負することが多いのも信頼の証。 [写真タップで拡大]

トーナメンンター愛用の人気ロングビルミノー「ザッガー50F1(HMKL)」。多くの競技者に愛される人気モデル。ただ巻き、高速リトリーブ、ジャーキングなど多彩なアクションに対応。F1はハイフロートモデルなので、デジ巻きや浮かせて食わせるというパターンも強い。 [写真タップで拡大]

雨が止み、太陽が出てくると魚が浮き始め、ザッカー50F1がハマった。

中村「魚の反応が見えるので、ついついこの釣りをしてしまうんですよね」 [写真タップで拡大]

アクション

1ジャークからの浮上アクションで見えた魚を食わせる

ジャーク&フロートで喰わせる!

ソリッドティップは難しくないと語る中村さん。1度その感覚に慣れてしまえば手放せない武器になる。この日も6本用意したうちの3本がソリッドティップモデルだった。

ファインテール・エリア グラスモデルのスペック

ソリッドティップ&ショートレングスの超高感度モデル

ティップ部分が追従してくれるので、メタルバイブを用いたボトム攻略やミノーのジャーキングなど、連続的なロッドアクションを加える釣りにぴったり。ボトムをスプーンでズル引きしてくるような釣りにも、ティップを見ながら巻いてくることでショートバイトを拾うことができるのだ。

FAX-S552UL

FAX-602SUL

高感度ソリッド設計で、ボトムマテリアルを正確に捉えながらの釣りが可能。ショートロッドならではの鋭い感度で、操作性の釣りからスプーンまでなんでもこなす。

全長継数適合ルアー適合ラインアクション価格(税込)
5ft5in2本0.6~4.0g1.5~4lb
PE0.15~0.3号
EX.F19,580円

FAX-S5102UL

FAX-602SUL

乗せと掛けの相反する部分を絶妙なバランスで仕上げた1本。エステルラインとの相性が素晴らしく、タフコンディション下で威力を発揮。

全長継数適合ルアー適合ラインアクション価格(税込)
5ft10in2本0.6~4.0g1.5~4lb
PE0.15~0.3号
EX.F19,800円

FAX-S5102L

FAX-602SUL

高弾性ソリッドにより、高次元の『遠投・ディープ』での『乗せ・掛け』を実現。ボトムプラグ、ボトムスプーニングに抜群の効果を発揮する。

全長継数適合ルアー適合ラインアクション価格(税込)
5ft10in2本0.9~5.0g1.5~4lb
PE0.15~0.3号
EX.F21,130円

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