オシア ヘッドディップ フラッシュブーストのポテンシャルをフルに引き出す操作法。鈴木 斉 in 玄界灘ヒラマサゲーム

オフショアで人気のファイターがヒラマサ。とくにキャスティングでダイビングペンシルを使う“誘い出し”の釣りは、10kg超の大型が出ることも珍しくなく、釣り人の要望に応える遊漁船も多い。このビッフフィッシュゲームの登竜門といえるヒラマサの魅力と楽しみ方をプロアングラーの鈴木さんの実釣を通して紹介する。
※本記事は2020年6月に発売された別冊『1冊まるごとオフショア!』から抜粋し構成しています

●文:ルアーマガジンソルト編集部

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鈴木 斉(すずき・ひとし)

ショア、オフショアを問わず様々なソルトゲームで活躍するプロアングラー。オフショアは近海のタイラバから外洋のジギングまで幅広くこなすが、とくにヒラマサやマグロを狙うキャスティングゲームで、ここ一番の勝負強さをみせる。シマノインストラクター。

実釣フィールド

玄界灘は福岡県宗像市から佐賀県唐津市にかけての九州北西部に広がる海域。対馬海流が流れる豊かな漁場として知られ、オフショアゲームの好フィールドとして人気だ。今回は福岡県宗像市の神湊から出船し、世界文化遺産に登録された“神宿る島”沖ノ島周辺や大島周辺で実釣。 [写真タップで拡大]

荒天後の濁りと水温低下がアングラーを出迎える

鈴木「数日前の寒波と大雨。そして昨日の北東の強風の影響が少なければ良いですけど…」

実は取材予定日前日に急遽、釣行日程の一日順延が決定された。今回の実釣で船をチャーターした遊漁船Y’sの船長から明日は強風で船が出せないと連絡が入ったからだ。実釣当日、風は収まっていたが荒天続きの海はウネリが残る。

ヒラマサをトップに誘い出すような釣りには、やや不利な条件下で実釣はスタートした。 [写真タップで拡大]

鈴木「昨日は風速12、3mの冷たい北東風が吹いたそうです。なかなか厳しそうですね(苦笑)」

実釣は3月。三寒四温の春。不安定な天候が釣果に影響する?

鈴木「まず寒波と昨日の北東風で、表層の水温が急激に下がっているはず。ベイトフィッシュが沈んで停滞してしまう。それによってヒラマサをはじめとする青物の動きも鈍くなってしまいます」

鈴木さんは、急激な水温低下で魚の活性は低いと予想。

鈴木「そして濁り。大雨が降った後の潮が、昨日の強風でかき混ぜられて濁ります。ヒラマサのキャスティングゲームは、比較的浅い瀬を狙うことが多いので濁りの影響を受けやすい。潮が濁ると水面のルアーが目立たない。ヒラマサを水面まで誘い出しにくくなります」

今回の実釣では「オシア ヘッドディップ フラッシュブースト(シマノ)」170Fと200Fをローテーションして使用。 [写真タップで拡大]

条件的にはマイナス要素しか見当たらない?

鈴木「でも、先週はキャスティングで良い釣果が出ていました。海に出てみなければわかりません。チャンスは減るかもしれないけど、それを逃さずに魚をキャッチしたいですね」

難しいからこそ、鈴木さんのテクニックがフルに発揮されるはず。ヒラマサのキャスティングゲームを学ぶ者としてはチャンスだ。

ヒラマサの若魚が反応。大型捕獲の期待が高まる

神湊を出港した船は、北西約60kmに浮かぶ沖ノ島に針路を定め、8時20分に実釣スタート。

鈴木「波っ気があって大型のヒラマサが出そうな雰囲気がありますね。波がプレッシャーのかかった大型の警戒心を緩めます」

水深80mから30mまで浅くなるカケアガリを深い方から浅い方へと船を流しながら探っていく。

一見、豪快そうな誘い出しの釣りだが、ルアーは着水前から緻密にコントロール。「着水直前にベールを戻して、なるべくラインを真っ直ぐにします。ラインスラックを出しすぎると、ラインが風を受けてルアーが引っ張られたり、ジャークでルアーが潜りすぎたりする。ラインを真っ直ぐにすることで着水直後のバイトにも対応しやすいです」 [写真タップで拡大]

鈴木「水深30mを切るとかけてもファイトの難易度が上がります。ヒラマサはかけた後、根に走るので水面に誘い出すにしても、なるべく水深のあるところで喰わせたい。状況によっては水深20mを切るところで勝負することもありますが」

深いところから水面に誘い出すという意味でも、潮が澄んでいたほうが有利ということだ。

鈴木「あと、今日のように波っ気があるときは、アピール重視でダイビングペンシルをセレクト。水面付近にベイトっ気もないので、とにかく目立たせます」

使用ルアーは、オシア・ヘッドディップ200Fフラッシュブースト(シマノ)だ。

【オシア ヘッドディップ200F フラッシュブースト(シマノ)】
全長200mm、自重135gの玄界灘高実績ペンシル。マグロ、GT、ヒラマサなど日本のビッグフィッシュゲームを想定して開発された。「重心移動機構のジェットブースト搭載で飛距離が出て、レスポンスも良い。操作性に優れたダイビングペンシルで、フラッシュブーストがほかのダイビングペンシルにはない強さを発揮します」 [写真タップで拡大]

200F、175F共通のストロングポイントがシマノ独自のフラッシング機構フラッシュブーストだ。「ボディ内でスプリングによって吊るされたミラープレートが、ルアーが泳ぎを止めても波による揺れなどでプルプル震えて光る。止めても生き物のように動いて見切られにくく誘い続け、喰わせのテクニックが広がります。 [写真タップで拡大]

鈴木「水に絡ませて操作しやすく、飛沫と音、シルエットの大きさでアピールします。フラッシュブーストは止めても自発的にキラキラ光って誘えるのも強みです」

だが30分ほど投げてもバイトはなく、同175Fフラッシュブーストに交換。

鈴木「200Fで一度だけ水面にモヤモヤッと波紋を出すチェイスがあった。ルアーを見ている感じだったので」

【オシア ヘッドディップ175F フラッシュブースト(シマノ)】
全長175mmで97gとウェイトがあり、シマノ独自の重心移動システムAR-Cを搭載し、このクラスのダイビングペンシルではトップクラスの飛距離をみせる。「浮力があって水に絡みやすいからバシャ、バシャッと飛沫と音を立てやすい。ダイブでは泡をまとう。アピール力があって喰わせやすいサイズ感です」 [写真タップで拡大]

と、ルアーをサイズダウン。これが当たった。数投後には瀬のトップが水深35mのエリアで5〜6㎏クラスのヒラマサがチェイス。その直後にヒラマサの若魚のヒラゴがヒット。

鈴木「速巻きで反応しました。このサイズが出るなら、大型も期待できますね」

船を流す角度を変えながら反応のあるエリアを探ると、船から10mの距離で出るがフックアウト。さらにヒラゴを1尾追加と1時間ほどの間にヒラマサの反応が続く。

鈴木「やる気のある大型ヒラマサが居ればすぐに出るはず。日が出て、表層の水温が上がってベイトフィッシュが動いてくれれば…これからじゃないですか、良くなるのは」

追ってくるが喰わないときは誘い出しに変化を付ける

ヒラマサがチェイス。でも喰わないというときは、誘い出しに変化を付ける。「追ってるけど距離が詰まらないときは、その場で横にスライド。ドッグウォークのように前進を抑えて首を振らせます。船に近づきすぎるとプレッシャーがかかって戻ってしまいますからね。船まで距離があれば速巻きも有効。水面を直線的に逃げる動きが捕食のスイッチを入れます」。そしてフラッシュブーストだからできる喰わせワザが長めのポーズだ。「水面に浮かせるだけでフラッシュブーストがキラキラ光って、バイトを誘います。昨年、玄界灘で20kgオーバーのヒラマサを釣ったときも、ミスバイト後のポーズで喰いました」 [写真タップで拡大]

ダイビングペンシル操作の基本

波の合間でジャーク。水に絡ませ飛沫と音でアピールする
ダイビングペンシルはロッドで強めに引くと水に絡み、飛沫と音を立てながら水面直下をギラギラッと泳ぐ。このジャーキングを一定のリズムで連続するのが“誘い出し”の基本操作。「ジャークの振り幅、強弱で飛沫や音の量を調整。また波の合間に合わせてジャークしないと水面を転がったり、水面下に潜りすぎて見切られるなど、違和感のある動きになるので注意しましょう」 [写真タップで拡大]

大型ヒラマサがルアーをチェイス!

鈴木さんがこれから良くなるはず、と踏んだ理由はもう一つある。

鈴木「潮の緩みはじめや動き出しは、チャンスです。とくに大型のヒラマサは潮が緩むタイミングで出やすい。あと2時間くらいで満潮潮止まりです」

寒波の置き土産か。空には季節外れのいわし雲が浮かぶ。その影響で海の中はベイトフィッシュの気配がない。鈴木「ベイトが沈んで固まると、ヒラマサなど青物の活動も鈍る。日差しが出て、水温が上がってベイトが動けばチャンスです」 [写真タップで拡大]

このコメントの直後の10時33分にヘッドディップ200Fフラッシュブーストにヒラマサが反応。

鈴木「15~20kgクラスが見に来て反転して戻っていった。波紋の出方がでかかったです」

そのまま潮止まりに向けて釣況が好転するかと期待したが、そう甘くはなかった。潮止まり直前の12時15分に10kgクラスが2回出るがのらずに、潮の流れが止まり、魚の反応も途絶える。

実釣のファーストフィッシュは、九州など一部の地域でヒラゴと呼ばれるヒラマサの若魚だ。「速巻きに反応しました。このサイズが出るなら大型もくるはず。これから期待ですね」。ヒットルアーはオシア・ヘッドディップ175Fフラッシュブースト(シマノ ) [写真タップで拡大]

鈴木「魚が触ってこないですね。近くまで見に来て、戻っていく。潮が動いたり、ベイトが入ればルアーとの距離が詰まって喰うはずですけど。今のところ、波っ気以外好要素がないですね」

数日前の寒波と大雨。そして前日の北東の強風によって、海中の環境も大きく乱れているはず。何よりここまでベイトフィッシュの気配がないのが痛い。

タックルは2〜3kgのヒラゴに有無を言わせず寄せるパワーを持つ。鈴木「ロッドは曲がるけど強い。タックルの進化がヒラマサのキャスティングゲームをより身近にしてくれます」 [写真タップで拡大]

鈴木「潮が変わって、潮の動き出しでどうなるか」

15~20kgクラスが反転していったエリアなど、午前中に魚のチェイスを見た海域に入り直すが反応はなく、移動を決断する。

船は約1時間ほど南下し、大島(宗像市)周辺の海域へ移動。

鈴木「うーん、やはり岸(九州本土)に近づくほど濁りがきついですね。濁るとほぼトップ(ウォーター)には出ない。ジギングなら可能性はありますけど」

移動はしてきたものの、万事休すか?

濁り潮は「誘い出し」を阻害するマイナス要因

誘い出しの釣りはダイビングペンシルが出す飛沫、音、フラッシング、シルエットでボトム付近のヒラマサを表層へと誘い出す。鈴木「濁るとヒラマサにルアーの存在を気づかせにくい。澄んだ潮なら水深50mでもトップに出ます」。実釣2日目には沖ノ島周辺で潮が澄むエリアも(右)。「海が青い。これが本来の玄界灘の潮です」 [写真タップで拡大]

鈴木「ベイトフィッシュが居て鳥山が立つなど、魚が上を意識していれば、濁ってもトップで可能性があります」

夕マヅメにベイトフィッシュが浮くことに一縷の望みをかけ、高実績場所を回るがヒラマサの反応はない。

鈴木「ベイトがいない。いつもは鳥がたくさん居るところに、今日は1羽もいないです」

だが、神湊沖の水深23mのエリアに入ると、中層に点在する小魚を魚探がとらる。ヒラマサは正直だった。3〜4㎏クラスがヘッドディップ175Fフラッッシュブーストを船べりまでチェイス。

鈴木「ベイトが居ればヒラマサも居る。濁ってもベイトが水面下10mくらいまで浮けば、トップに出やすくなります」

1尾目のヒラゴから約20分後の9時41分に一度のバラシを挟んでサイズアップ。鈴木「水深80mからのカケアガリ。同じポイントで船を流すコースを少しずつ変えながら攻めていたら3バイト。やる気のある大型が居れば出るはず」。突如現れる大型にワクワクできるのもこの釣りの魅力だ。 [写真タップで拡大]

だが、初日のヒラマサの反応は、この魚が最後となった。

鈴木「活性が低いせいか、追っても喰うまでには至らない。さあ、明日どうするか」

水温の激変や濁りが少しでも落ち着いて、ベイトフィッシュが動き、ヒラマサの活性が上がってくれれば良いんですが?

鈴木「これだけシブいと、一日で大きく好転するとは考えにくいですよね。明日はジギングタックルも用意したほうが良いかもしれない。船長とも相談して、今夜考えておきます」

Day2に続く…

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