【水面炸裂!】渓流にもトップの釣りがあるって知ってる? Fishman赤塚ケンイチが『渓流トップゲームの要点』を解説!

セミなどの虫を模したルアーを使って楽しむトップウォーターの釣り。トラウトフィッシングでも、中禅寺湖など止水域では定番メソッドとなっているが、実は渓流でもトップの釣りが成立するのをご存じだろうか? 中でも、北海道の渓流トップウォーターゲームは、意外と歴史が古く、夏場に有効な釣り方として広く知られている。長年この釣りを楽しみ続けてきた、フィッシュマンの赤塚ケンイチさんにその魅力や釣り方についてお話を聞いてみた。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

ベイトタックルを愛してやまないフィッシュマン代表

赤塚ケンイチ(あかつか・けんいち)

元々は東京都在住だがトラウトに惚れ込み北海道へ移住。ベイトロッド専門メーカーのフィッシュマン総帥にして、世界中の魚をターゲットにするアングラー。

セミルアーが有効だと思ったきっかけは?

赤塚「元々バスのトップウォーターの釣りは大好きでした。昔はよく北浦に行っていて、デイでドピーカンというシチュエーションが一番よく釣れましたね。魚がシェードに入るから広範囲に散ることがないので、ピンポイントで狙えるんですよ。でも結構シビアで、5cmのシェードがあったとすると、そこにしっかり入れて、入れたシェードの中で2アクションさせたい。そうしないとなかなか魚は出てきてくれなくて」

その後、赤塚さんは北海道に移住。そこでトラウトフィッシングにどハマりすることに。

赤塚「渓流のトップウォーターゲームをやり始めたのは20年くらい前になりますね。北海道に移り住んだのが22年くらい前だから、移住して2年くらい経過したタイミングでしたね。フローティングミノーをいいところに投げたら、着水直後にドン!とヒットしたんです。アクションも何もしていないのに。これはもしや…と思い、タックルやルアーを試行錯誤しながら自分なりに釣り方を模索していったんです」

北海道では定番メソッドのセミルアーのトップゲーム

下は5月〜7月頃に発生するエゾハルゼミ(北海道だけでなく本州にも分布)。こちらのルアーはシケイダーⅡバスチューン(ティムコ)。エゾハルゼミにシルエットもカラーもそっくり。地味目な配色のため頭部にはピンクのテープが貼り付けてある。

赤塚「水面に落ちた虫や、上流から流れてくる虫をトラウトたちは強く意識しています。それゆえトップウォーターゲームが成立するのですが、渇水の時期なんか最高です。落ちてきたものに対しての反応がすこぶるいい。腹が減っているんでしょうね」

川での釣りということで、釣るためのコツなんかありますか?

赤塚「狙うべき場所はシェードが絡んでいるばしょ、流れの上にボサや木の枝が張り出しているところ、シェードなどが絡まないオープンエリアで釣れることもありますが、その場合は基本的にドリフトを意識した釣りになりますね」

ドリフトの釣りとは?

赤塚「流れに同調させるようにセミルアーを流していく、というものです。泡が流れるレーンがあって、そこにピンで打つ必要があります。できれば5cm未満。はらぺこならレーンを外しても食ってくることがありますが、大抵の場合はその泡のレーンを外すと魚は出てきません」

赤塚「流れの強いところにルアーを投げた後は、ラインをメンディングしながら泡からはなれないように流していくイメージ。浮かせたまんまです。ラインが水流に流されると不自然な動きになってしまうので、できるだけ水面にラインをつけないようにロッドを立てながら行うといいですね」

はらぺこなら外れてもくるけど、泡はドリフトの釣り。ドリフトの場合はそこを外したらこない。泡のレーンに必ず虫は戻る。

赤塚さんのトップウォーター「こだわりポイント」

赤塚「木の枝の下を狙うにしても、どの枝に虫がいて、どう落ちてくるかというところにリアリティを持たせたいんです。だから、着水させるときも枝から水面までの距離を確認して、その枝の高さからルアーを落とすように心がけている。実際に、これを意識した方が釣果も伸びますよ!」

ピンスポット攻略が重要だからこそベイトタックル

ビームス ブランシエラ5.2UL

●全長:158cm●マテリアル:4軸カーボン●ガイド:Kガイドチタン+ステン●自重:104g●継数:3●仕舞寸法:62cm●グリップ長:28cm●ルアー:2〜7g●ライン:PE0.5〜1号(3〜6lb)●価格:39,800円(税別)

ブランシエラのブランクスは全体的によく曲がるため、軽量ルアーであっても飛距離を出すことができる。

赤塚「ロッドは『ビームス ブランシエラ52UL』がおすすめです。全体的にしっかり曲がるスローな調子のブランクスなので、軽量のルアーをしっかり飛ばすことができます。さらに、バットにパワーを持たせているのでパワーも申し分ない。60cmオーバー・3kgのニジマスもスムーズにランディングまで持ち込むことができました」

3ピースと携帯性にも優れる『ビームス ブランシエラ52UL』はしっかり曲げて投げるタイプのベイトロッドだ。曲がった後の収束も軽量ルアーのキャストにマッチするようセッティングされているため、空気抵抗を受けやすく、軽量のセミルアーであってもロングキャストが可能。さらに、ロッドの収束スピードが速いため、コントロール性が高く、ピン撃ちが必要になるトップの釣りにも最適な1本だ。

赤塚「ラインはPEにナイロンリーダーを組み合わせていて、とにかく視認性を重視したいので、リーダーのカラーも派手なものを選択するようにしています。」

【タックルデータ】
●ロッド:ビームス ブランシエラ52UL(フィッシュマン)●リール:16’アルデバランBFS XG(シマノ)※アベイルチューン●ライン:開発中のPEライン0.6〜0.8号(フィッシュマン)●リーダー:ナイロン(オレンジカラー)6Lb

PEラインの扱いが革命的に変わる!

トップの釣りに限ったことではないが渓流釣りでは「ピン撃ち」の精度が求められる。小さなシェードや、木々の間を狙ってビシっとキャストを決める釣りということもあり、「キャストの精度」や「ルアーの飛距離」はかなり重要なポイント。

もちろん釣り人の腕も重要だが、キャスト精度&飛距離を大幅にアップさせてしまう、なんとも素晴らしいコーティング剤がある。その名も『PE革命』。詳しくは過去記事で紹介しているので、以下の記事を参照していただきたい!

レッドバンドが鮮やかなグッドサイズのレインボー。こちらもセミルアーでの釣果!

赤塚「トップってエキサイティングで面白いんだけど、それで釣れた経験がないと、入りにくい世界なんですよね。本当にやってほしいのはトップ縛り。それしか持っていない日をつくっていただきたい!」

どんなルアーを使うのか? 赤塚さんおすすめのセミルアーをご紹介

美蝉(スミス)

タイニーシグレ(メガバス)

真虫(デュオ)

虫のカラー選択の基準は?

どんな色が効く?

赤塚「僕はお腹の色を基準にして選ぶようにしていますね。腹側は黒とか茶とかが多いです。黒はシルエットがくっきりするのか、よく釣れますね。頭部は視認性。地味なカラーには頭に派手なテープを貼ってよく見えるようにしています」

セミ以外の昆虫も食っていますよね?

赤塚「もちろんです。何もセミに限ったことではなく、甲虫やトンボなど、捕食対象になる虫は非常に多いです。使うルアーカラーの中にはてんとうむしとか、蛾を模したものも持っていますし、釣れますよ!」

北海道だけじゃなくて本州の渓流でも有効?

赤塚「実際に本州の渓流でトップゲームはやったことがないんですが、北海道でもエゾイワナなんかも尺くらいになると甲虫を食っているし、ヤマメもトップに出たりします。フィールドや、そこにいるエサも影響するかと思いますが、十分成立すると思われます。近いうちに僕も本州の渓流トップウォーターゲームにデビューしようかと考えています!」

セミルアーに食いついたエゾウグイ。外道ではあるが、水面炸裂バイトは気持ちいい!

ピンスポットキャストの練習になる!ベイトタックルによる渓流釣りの動画はこちら!


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