嶋田仁正さんがボートフィッシングとウェーディングで秋の中海を攻略。ハイシーズンということもあり、グッドサイズが連発した。この好釣果の裏にあるルアーローテやタックルセレクトに注目し、ぜひハイシーズンの釣りに役立てて欲しい。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
嶋田仁正(しまだ・じんせい)
広島県在住。卓越したスキルでランカーを量産するデカシーバスハンター。理路整然としたパターン追求を旨とし、ルアーやタックルに関する深い独自理論を持ち合わせる。シマノインストラクター。ルアーメーカー「マルジン」代表。
実釣フィールドは島根県・中海
海へと向かうシーバスを効率良く狙えるのが秋
島根県のメジャーフィールドである中海と宍道湖を攻略する上で、まずは汽水湖であるという特徴を理解しておきたい。
嶋田「全国的に見ても少ない汽水湖で、中海の中の干満差はほぼありません。ただ、上げ下げの流れは発生しています。ただ、タイドグラフ通りに動かないことがほとんどですよ。48時間下げっぱなし、24時間上げっぱなし、ということが頻繁に起こるようなフィールドです」
かなり不思議な現象だが、これはどういう理由から発生する?
嶋田「気圧や風で流れが支配されているからです。だから、見るのはタイドグラフではなく、気圧です。気圧が高いと下げが起きますが、もしかしたら上げは起きないかもしれない。気圧の高さで、水が上から押される力が作用するからですね。これに風の強さや向きも関係してくるので、かなりややこしいんですよね。中海と宍道湖を繋ぐ水路などは上げ下げによる流れの変化はおきますが、これも気圧に応じて変わってきます。ずっと水が下げているのに潮位はほとんど変わらない、本当に不思議な現象ですよね」
そしてハイシーズンの秋、中海・宍道湖のシーバスゲームは絶頂を迎える。
嶋田「中海と宍道湖にいるシーバスの多くがが、一気に海へと下っていくんですね。そして、秋の成長したベイトフィッシュとリンクして荒喰いが起こる。いろんな釣りでランカーが狙える、まさにベストシーズンですね」
ボートでもロングロッド、これが次世代のビッグベイトシーバススタイル
日中のボートゲームからスタートした嶋田さん。ベイトタックルでビッグペンシルを使い、綺麗なドッグウォークでシーバスを水面におびき寄せる。
嶋田「水深は5〜6mほどのエリアで、水面にサッパなどのベイトの雰囲気が出ている場所を狙います。動かすコツは、ルアーを見ながらタイミングを合わせて素早く次のアクションを入力すること」
使用ルアー:エクスセンス コノシロペンシル185F(シマノ)
操作が難しそうですね…。
嶋田「ひと巻きで1mを巻き取れるベイトリールを使っているので、ハンドル操作だけで動かすことができますよ。ハンドルを2/3回転させるだけで、およそ80cm分のラインを巻きとれるので、クイックなハンドル操作だけでビッグペンシルをドッグウォークさせることができます」
使用リール:スコーピオンMD(シマノ)
使用ロッド:エクスセンス ジェノス ベイトキャスティングモデル B80H/F(シマノ)
このリールの進化により、ビッグペンシルベイトをショートロッドで扱う必要はなくなった。
嶋田「竿で操作する必要がないので、短いロッドを使わなくても良い。ハンドル操作だけで綺麗に動くので、本当に疲れないし、何時間でも動かし続けられますよ。ロッドは8ftのモデルを使っていますが、飛距離も出るし乗りも抜群。ビッグベイトゲームの常識を変えるセッティングになっていますよ」
ハンドル2/3回転でビッグペンシルが綺麗にドッグウォーク
ビッグペンシルで多いのがシーバスの誤爆。これを防ぐにはどうしたらいいのだろう。
嶋田「チェイスがあったりミスバイトしても、同じ動かし方を続けること。リズムは変えない。ペンシルベイトで大事なのは、同じリズムで同じアクションを続けることです。そこで止めたりすると見切られますので。体が反応してフッキングするのはNGです。バイトが出ても平常心で、重みが乗るまではロッドを立ててはいけませんよ」
タックルの進化がもたらす、ビッグベイトシーバスゲームの新たな展開。この秋、是非チャレンジしてみて欲しい。
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