『誰にでもシーバスが釣れるルアーを』職業釣り師・小沼正弥がDAIWAと共に歩むシーバス道とは!?【モアザン20周年記念特別企画】

リベンジ敢行!果たして「200cm」達成なるか!?

そして1ヶ月後、再度訪れたのは利根川河口域、台風から2日後になる初秋だった。季節は夏から秋に移り変わる移行期だが、高水温を引きずり例年以上にタフなコンディション。

早朝の満潮時からエントリーし、下げの時合を狙っていく作戦だが、シーバスはおろかベイトフィッシュの反応も薄い。さらに台風による増水の影響も残っているため水位も高い状況。

釣れたのはニゴイのみ…再撮でも試練が襲いかかる。

小沼「再撮もこんなに厳しいとは…。いずれにしても決断は早くしたほうがよさそうですね。よし、河川をガラッと変えましょう!昼飯がてら釣果が上がりはじめている旧江戸川に移動します!」

利根川から旧江戸川に移動し、休憩を取ったのち日没から再度実釣スタート。

小沼「おそらく釣れる時合はもっと後だと思うんですけど、まずは河川の状況を確認しながら釣りを再開します」

ボラの「波動」を追求した小沼渾身のサブサーフエイスプラグ「バーストアッパー」

時合が訪れる間、小沼さんには『一番思い入れ』のあるモアザンルアーを聞いてみた。

小沼「それはバーストアッパーですね。なにせ過去最高のサンプル数を出したから(苦笑)。ボラパターンは波紋の大きさで釣果が変わることは長年ボラを研究してたんで個人的には分かってたんですけど、開発スタッフには波紋の違いが中々理解されず(苦笑)。でも思考錯誤していただきながら僕の理想の『警戒信号を出してるボラの波紋』に近づけられるように再現してもらいました。このルアーはいわばボラパターンのI字形ルアーなんですよ」

モアザン バーストアッパー140F(DAIWA)

【スペック】

  • 全長:140mm
  • 重量:28.5g(ラトリンカラーは30.5g)
  • 使用レンジ:水面〜水面直下
  • カラー:10色
  • 本体価格:2,100円

バーストアッパーも昨年、一昨年と入手困難になるほどボラ、コノシロパターンにおける大人気ルアーとなったのは記憶に新しい。小沼さんの経験値とDAIWAの技術力が生み出した攻撃型サーブサーフェススプラッシャーはシーバスルアーのさらなる可能性を魅せてくれたのだ。

リベンジフィッシュを遂に捕獲!

そして時合に突入しだしたタイミングで、小沼さん監修の小型ヘビーシンキングペンシル「スイッチヒッターDH76S」に待望のバイトが!

小沼「あー乗らない!多分小さいんだろうな。橋脚の明暗と潮目が絡んでいるところを狙ってるんだけど…よっしゃ!! 今度は乗った!」

明らかに先程バイトがあったサイズよりも大きい!慎重なファイトの末、上がってきたのは63cmと難しいシーズンでの価値あるクオリティフィッシュ!

小沼「橋脚の明暗と潮目が交錯するところへ遠投して、流れの変化のあるスポットを丁寧に通したら喰ってきました!かなり遠いポイント、且つベイトフィッシュも小さかったのでチョイスしたスイッチヒッターDH76Sがドンピシャでハマってくれましたね」

「釣れる水圧を見つける」ことが釣果への近道

小沼「実は今釣れたポイントも『釣れる水圧』が掛かったコースに差し掛かってすぐだったんですよ」

釣れる水圧、小沼さんはただ巻きやオープンエリアでの釣りに拘りを持つアングラーとしても有名である。現代シーバスの代表格と言っても過言ではないシンキングペンシルは、その形状やアクションからも分かるように、引き抵抗をあまり感じにくい。しかし『ただ巻きのスペシャリスト』が求めたシンキングペンシルは引き抵抗だけでなく、飛距離やアクションなども含め、初心者から上級者まで全てのアングラーが使いやすいルアーとなっているのだ。

小沼「スイッチヒッターシリーズは僕が初めてDAIWAさんで監修させていただいたルアー。飛距離を出せて且つ流れにも強いシンキングペンシルが欲しいと思って作ったルアーなんです」

小沼さんがDAIWAスタッフとなり、初めて監修したのが「モアザン スイッチヒッター」シリーズ。サイズ展開も豊富で、多くのシーバスアングラーに愛されるベストセラールアーである。

小沼「さらにスイッチヒッターシリーズは『流れの変化』も感じやすい設計になってます。それは即ち僕が先程から言っている『釣れる水圧』を見つけやすいということです」

モアザン スイッチヒッター 65S / 85S / 85S-LV /105S / 120S+R (DAIWA)

【スペック】

アイテムタイプサイズ
(mm)
標準自重
(g)
色数有効レンジ
(cm)
アクション飛距離
(m)
フック仕様メーカー希望
本体価格(円)
65Sシンキング6513.415約20~80不規則スラローム最大 67.0
平均 65.7
ST-46#10トレブル
リング#2
1,600
85Sシンキング852018約20~100不規則スラローム最大 72.5
平均 70.6
ST-46 #6トレブル
リング#3
1,750
85S-LVスローシンキング8513.38約5~50ワイドスラローム最大 56.5
平均 54.9
ST-46 #6トレブル
リング#3
1,750
105Sスローシンキング10521.215約20~80ワイドスラローム最大 77.0
平均 74.0
トレブル #4トレブル
リング#3
2,050
120S+Rシンキング1203012約20~80デッドスロー~ミディアム最大 82.0
平均 79.7
ST-46 #6
リング#3
2,150


釣れたルアーであるスイッチヒッターDH 76Sは、今年リリースされたばかりのDHシリーズのNEWサイズ。

DHはより遠くのポイントの魚を獲るために作ったヘビーシンキングペンシルだが、小さいベイトパターンにも対応可能なコンパクトサイズ。且つ浮き上がりも早く流れにも強い、大河川や河口のスモールベイトパターンにうってつけなルアーなのだ。

モアザン スイッチヒッターDH 76S/ 97S (DAIWA)

【スペック】

アイテムサイズ
(mm)
標準自重
(g)
色数フック仕様メーカー希望
本体価格(円)
76S7620.511太軸#6トレブル1,650
97S9729.511ST-46#4トレブル1,750

小沼「本当にベイトが小さい時って8cmのルアーですら見向きもされない。できればすごく飛ぶ7cm台のシンペンがずっと欲しかったんです。ようやく今年リリース出来て、まさかこんな状況で活躍してくれるとは…持ってるなぁww」

秘密の「オヌマンリグ」投入!

1尾を釣ったあと、シーバスはいるものの、シンキングペンシルでは反応を得られなくなったため、小沼さんは「秘策」となるルアーを投入することに。

小沼「名付けて『オヌマンリグ』です。リグの詳細はまだ突き詰められてないので完全公開はできないんですが、ミドルアッパーのジグヘッドリグとファントム3の28gを組み合わせたリグです」

さすがルアー研究に余念がない小沼さん、記者も想定外のルアーに驚いていたのも束の間、すぐに反応を得る。

小沼「今絶対アタリだったなー、でもいるサイズはまだそんなに大きくないですね」

時刻は夜22時を超えても集中力は増す小沼さん、そして遂に秘密のリグで待望のヒット!

小沼「よっしゃ、今度は乗った!サイズはさっきより落ちちゃったけど、なんとか追加で1本!」

サイズは40cmジャスト。

小沼「2mまであとちょっとだね! リグが気になる方は記事か動画をよく見て研究してください(笑)」

遂に目標達成!値千金のシーバスを導いた「スイッチヒッターDH」

職業釣り師のボルテージは、深夜に差し掛かろうというタイミングでもまだまだ高い。そして最干潮時刻も迫り、魚の気配も薄れ、周りのアングラーも続々とフィールドを後にしている中、やはりこの漢は魅せてくれた!

小沼「喰ったぁ!」

慎重なファイトの後、無事ネットイン。キャッチしたのは36.5cmのシーバス。そしてこの魚で総全長233cm、リベンジ釣行にて見事お題を達成したのだ。

小沼「ヒットパターンは今日の1尾目に釣った魚と同じ。橋脚の明暗部近辺に『釣れる水圧』を感じた直後のヒットでした。最後は干潮間際だったから、ポイントにルアーを飛ばすのも遠くて本当苦労したよ(苦笑)。リベンジも含め、真夏と季節の変わり目の関東一級河川という無茶振りになんとか答えられましたね」

まさに職業釣り師の執念。早朝からスタートしたにも関わらず、体力気力ともに健在。「釣るまで止めない」小沼さんのモットーを体現するかのようなリベンジ釣行、そして釣果だった。

職業釣り師が「釣れるルアーを出し続けられる」理由とは?

現在モアザンルアーには小沼さんをはじめ、シーバス界が誇るトップエキスパート達が作り上げた珠玉のルアー達がラインナップされる。しかし同氏のルアーは河川や港湾、干潟、磯、サーフとあらゆるシチュエーションに対応し、ベーシックで使いやすいものばかりだが、釣行の最後に記者がずっと思っていた、何故「釣れるルアー」を生み出し続けられるのか、その理由を聞いてみた。

小沼「それはね、純粋に釣りが好きだからですよ。いくらお金を積まれても釣りは絶対に辞めたくない(笑)。それにシーバス釣りは難しいパターンもまだまだあって、どうにかして攻略したくなっちゃうんですよ。それに伴って沢山アイデアも浮かんでくる。プロである限り『探究心』や『ルアーの可能性を追求し続けること』が自然と習慣化されているんですよね。

ちなみに僕は去年、自分のルアー以外にも他社ルアーを250万円分購入しました。ほとんがバス、トラウトルアーだけどww。釣行費も1年間で〇〇○万円かけてるからね。全然儲かってません(笑)」

さらに小沼さんがルアーを監修する際に「意識」していることも伺った。

小沼「ズバリ『誰でも釣れるルアー』を出すこと。僕はDAIWAさんから『全国どこのフィールドでも使えるシーバスルアー』を監修リクエストされているので、必然的に操作が簡単なタダ巻きのルアーになるんですよ」

小沼さんが手掛けてきたルアーは第1弾のスイッチヒッターシリーズから、トップウォーターペンシルのトリックアッパーを除き、全てタダ巻きでのアクションが基本。そして各地特有のベイトパターンに特化することなく、全国で使用できるモデルばかりだ。

小沼「僕が監修したルアーは自分が使って釣れることよりも、使ってくれるユーザーが釣れないと駄目なんです。だからこそ難しい操作は必要なく、タダ巻きを中心とした全国で使えるルアーをリリースしています」

小沼「そして『誰でも簡単に釣れるルアー=売れるルアー』でもあります。自分だけが儲かればいいという考えではなくて、使ってくれるユーザー、そしてリリースしたDAIWAも、皆がWINWINにならなければ意味がないんです」

BtoB、BtoCをしっかり考えられてこその「職業釣り師」。小沼さん自身のプロとして矜持はそこにあるのだ。

小沼「今回はずっとタフなコンディションでの取材になってしまいましたが、裏を返せばそんな状況でも信じて投げ続けられるし、多くの攻略の選択肢があるのが『モアザンルアー』なんです。

まだまだシーバスシーズンはこれからなので、皆さんも是非『モアザンルアー』でシーバスフィッシングを楽しんでください!」


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