今年度DAIWA新製品として大きな話題を呼び、ベイトリールの「未来」を示した「IM-Z リミットブレイカー TW HD-C」。ヘビーデューティーベイトリールでありながら、同社最新のリール機構「ハイパードライブデザイン」を搭載し、さらにはスマートフォンアプリと連動する「育成型」ブレーキシステムは、これまでのリールの常識を覆し、全世界にアングラーから注目を集めた。改めて「IMZ」とはどのようなベイトリールなのか特徴を解説していこう。
●文:ルアマガプラス編集部
IMZ リミットブレイカー TW HD-C(DAIWA)
【スペック】
品名 | 巻取り長さ(cm/ハンドル1回転) | ギア比 | 自重(g) | 最大ドラグ(kg) | 標準糸巻量(ナイロン) | 標準糸巻量(PE号/m) | ハンドル長(mm) | ベアリング(ボール/ローラー) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
XH TW HD-C | 100 | 8.4 | 250 | 7 | 16-125、20-100 | 4-100、5-80 | 95 | 12/1 |
XHL TW HD-C | 100 | 8.4 | 250 | 7 | 16-125、20-100 | 4-100、5-80 | 95 | 12/1 |
アングラーと共に成長し、機能性も拡張出来る次世代型ブレーキシステム搭載!
インテリジェントマグフォース
IMZの製品名でもある「IM」とは、このリールの大きな特徴とも言える「INTELLIGENT MAGFORCE(インテリジェントマグフォース))」の略称。リールがユーザーのスマートフォンアプリと連携し、無線通信で新たなブレーキモードをリールへインストールできる拡張性のある次世代ブレーキテクノロジー。特性が異なるブレーキモードを選択し使い分けることで、多様なルアーやシチュエーションに対応し、さらに最大飛距離をもたらすデジタル制御ブレーキシステムなのだ。
これまでのDAIWAベイトリールは、MAG-ZやSV BOOST などブレーキ特性に応じた専用スプールへ交換することで、遠投セッティングやトラブルレス性能を発揮しアングラーの好みに寄り添ってきた。IMではスプールを変更することなく様々なブレーキ特性を発揮できることを可能にしたのである。
DAIWAコネクティングシステム
インテリジェントマグフォースと相互関係にある、新たなDAIWAテクノロジー。スプール回転数やクラッチ操作回数など、点の情報だけだと一見無意味なデータに過ぎないが、スマホを通じアプリと連動させて各データを一つに集約し、釣行ログデータをアングラーが一元管理することで意味あるものに仕上げる。これこそが新たな発想である「コネクティング」の強みだ。
またこのデータを積み重ねることで、デジタル制御ブレーキにも反映させらることはもちろん、今後増えていく“ブレーキモード追加”を実現し、拡張性のあるブレーキシステムが得られることも強みである。
初回配信は、スタンダード、MAXブレーキ、ロングキャスト、PEブレーキモードの4つ。10/30より新たに「PEロングキャストモード」が配信されている。
このインテリジェントグフォースとDAIWAコネクティングシステムが掛合わさることで、ユーザーに今までのリールでは得られなかった「新たな価値」を提供していくのだ。
DAIWAベイトリールの新基準「ハイパードライブデザイン」を搭載、そしてへービーデューティー仕様に
IMZはDAIWAベイトリールの新基準である「HYPERDRIVE DESIGN(ハイパードライブデザイン)」を搭載。ハイパードライブデザインとは、滑らかな初期回転性能が長期にわたって持続することを理想とし、目指した設計思想である。
さらに中・重量級ルアーであるヘビキャロやジグの超遠投、パワフルかつ繊細なルアー操作も求められるビッグベイトゲーム、シーバスや青物といったソルトのストロングゲームに対応したヘビーデューティー&ロングキャストモデルとなっている。
スプールもφ38mmG1ジュラルミン製スプールを搭載し、フロロ20lb、PE4号100mをストック可能。
最大ドラグは7kg、ギア比は8.4を展開し、ハイスピードリーリングやラインスラックコントロールに長けた、巻取り長100cmを誇り、淡水・海水や魚種問わず、モンスターフィッシュに挑むことができる。
ヘビーデューティーを支える高耐久性と滑らかさを併せ持つドラグ機構「ATD」
先述したようにIMZの最大ドラグ力は「7kg」を達成。高負荷での確かな利きを約束するのはもちろん、リール自体の高い剛性を表す数字でもある。それを可能にしているのが高耐久かつ滑らかなドラグ性能を実現する「ATD」である。
IMZのATDには多板(3枚)カーボンワッシャーを搭載、魚を掛けた直後の鋭い突っ込みや疾走に対してスムーズに作動、その後は、ラインを送り出しながらも魚に負荷を掛け続け、ひと息ついたタイミングでは確実に動きを止めてくれる。
さらにATDは、専用ドラググリスを使用するため、大型魚との長時間のやり取りにおいても機能が低下しにくく、キャッチ率アップに大きく貢献してくれるのだ。
重量級ルアーも快適な遠投を可能とする「TWS(T-ウィングシステム)」
今やDAIWAベイトリールになくてはならない、トラブルレスと飛距離向上を両立させる「TWS(T-ウィングシステム)」。
スプール至近のラインガイドでの抵抗を大幅に削減。遠投性を高めるだけでなく、コントロール性も上がり、フォール速度も早め尚且つバックラッシュしにくい。TWSはベイトリールの全ての基本性能を向上させるのだ。
パワーと遠投性能を持ち味として、PEラインにビッグベイトをはじめとした重量級ルアーの使用を想定するIMZもTWSは絶対に欠かせない機構といえる。
自身の釣りを突き詰め貫く「ビッグベイター」には最適なストロングベイトリール!
IMZは次世代型ブレーキシステムなどを搭載しながらも、「リミットブレイカー」というサブネーム
にもあるように「対大物仕様」のストロングベイトリールである。よって使うスタイルやシーンとしては圧倒的にビッグベイトゲームが主となるだろう。近年バスはもちろんシーバスゲームにおいても、ボートだけでなくショアからのビッグベイトゲームも大きく発展した。また年間を通してビッグベイトのみを楽しむアングラーも多くなった。
そんな同ジャンルを追求し続けるアングラーにとって、データの蓄積やアップデートすることは絶対不可欠。それがなければ魚をキャッチする道のりがさらに遠くなってしまうからだ。
だがIMZという新世代のベイトリールであれば、各々のフィッシングスタイルに寄り添いながら、共に成長し続けさせてくれる存在になるだろう。
祝・2023グッドデザイン賞受賞!
IMZは先日公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2023年度グッドデザイン賞を受賞。
グッドデザイン賞とは?
製品や建築、ソフトウェアやシステム、サービスなど、形の有無に関わらず優れたデザイン性(理想や目的)を持つものごとをデザインと捉え、その質を評価・顕彰する活動です。国内最高峰の工業デザイン賞として広く認知されており、製品の素晴らしさのバロメーターであると同時に、企業やデザイナーのたゆまない努力の証としても知られています。
審査委員からも、下記のコメントの通り、非常に高い評価を得ている。
「リール内部を開けることによって設定を調整していた従来のリールから新しいリール設定の幕開けを告げている。スマホとの連動による設定変更はリアルタイムで変わっていくその状況下においてスピーディーな展開を可能とさせる。また、それらの実釣データを利用し、ルアーロッド、リールのセッティングのレパートリーを増やし、アングラーの新しい可能性を引き出すこと可能とした点を評価した」
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