「シーバス大好き営業マン」としてSNS界隈で話題沸騰中(!?)のアングラーであるDAIWAの岡本隆治さん。東京、大阪、北陸、九州と勤務地の異動に伴いながら、全国各地で釣りの腕を磨き続けている「シーバス求道者」である岡本さんに、ランカーの狙い方からシーズナルパターン、さらにはDAIWAルアーの「マル秘な」使い方まで徹底的にアングラー目線で解説!今回は外に出るのが億劫な厳寒期の河川シーバス攻略について。産卵後の鱸が入りやすい河川の見分け方から、釣り方、おすすめルアーを岡本さんにガッツリ語っていただきます。これを見れば寒くても釣りに行きたくなること間違いなし!
●写真/文:岡本隆治
DAIWAの凄腕営業マンにして次世代シーバスアングラー筆頭格!
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皆様あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します!DAIWA営業の岡本です。
おかげさまで極鱸道も、5回目の記事となります!
…何書こうかしら…笑
ちょうど去年の年始あたり、連載を持たせて頂く前に、いくつか記事を書かせてもらいました。バチ抜けについて・アフターのビッグワンの狙い方について…などなど。
バチとはイソメやゴカイなどの多毛類のこと。このバチが産卵のためにいっせいに水中に出てくることを「バチ抜け」と呼び、春シーバスの有望な攻略パターンとして知られている。シーバスの盛んな東京湾でもこれから徐[…]
シーバスフィッシングにおいて「バチ抜け」と言えば春を代表するパターンのひとつとして知られている。2023年もそろそろ本格的シーズンに突入! ということで、バチパターンの基本とルアーローテーションについ[…]
春は秋と同様に東京湾シーバスが限りなく盛り上がりを見せる季節だ。バチやマイクロベイト中心のパターンで、釣れるサイズは小型〜中型がメインになってくるが、DAIWAの釣りウマ営業マン・岡本隆治さんにとって[…]
正直、自分の中で深く書ける春に向けての釣りについては書き切った感があるんですよね(笑)。
ということで、今回は超タイムリーに、「1月~2月の厳寒期のリバーシーバスの見つけ方」について書こうと思います。
「冬」。とりわけ厳寒期と呼ばれるこの時期は、低水温・水質のクリア化・そして鱸の産卵が絡むタイミングで河川で釣果を出すのが非常に難しくなります。では、様々な角度から河川の鱸の探し方を考えていきましょう!
岡本的!厳寒期の場所選びのポイント
その1:産卵に絡む外洋に面したエリアを選択
鱸の産卵場所は、正確な場所は特定されていませんが、外洋に面した海域の急深な岩礁帯とされています。時期は基本的に11月末~2月であるとされており、とりわけ1月は産卵のピークとなっています。
そのため、この時期は春~秋によく釣れたポイントでも鱸を釣るのは難しくなります。
全地域で言えることですが、外洋に面した磯・サーフ・河川を選択することが非常に重要になります。
特に関門海峡に代表されるような、コノシロが冬に溜り、冬こそが最大のハイシーズンとなる地域もありますので、そういった地域に釣行するはもちろん有効です。磯やサーフを選択する場合は、その中で更にベイトが供給される場所を探すのが鉄則です。
さて、河川なのですが、外洋隣接エリアでは、ベイトの有無にかかわらず冬でも河川にシーバスが入っていることが多々あります。
また、河川選びでもう一つチェックするべきことが河川の流量・長さ。
長く流量が多い河川は、山で冷えた淡水が効くため、水温が上がりにくく、鱸が指すタイミングが遅れるケースがあります。逆に、流量が少なく、潮の満ち引きで海水が出入りしているだけの様な河川は水温が海水温と殆ど変わらないため、魚を狙いやすくなります。
その2:例外を作る温排水とバチ抜け
上記で外洋隣接ポイントを上げましたが、例外があります。東京湾に代表される都市型エリアでは、人間の生活排水等の温排水が絡む河川が多数あり、そういった河川は、温排水がある上流で、12月末ごろからアフター第一陣が居座ることも多々あります。水温も、上流の方が高いといったケースは多く、中流・下流が逆に魚が出しにくい場合も出てきます。
そして、もう一つの要素がバチ抜けです。遊泳力が低い上に栄養価が高いバチはアフターシーバスの恰好の餌となります。バチ抜けが河川遡上の大きなトリガーとなっているケースは多々あるのです。
例えば東京湾河川は1月の時点でカワゴカイが活発に産卵行動をするため、かなり上流までアフターシーバスの群れが多く入ります。一方でバチ抜けが4月~5月頃にある博多湾では、2~3月でも水温は東京湾河川よりも高い場合が多いですが、中々シーバスの遡上が見られず、5月ごろから魚影が濃くなってきます。
バチが抜ければ水温が低くても河川に入るシーバスは多いですし、バチを捕食しに来た、イナッコ等のベイトに着く大型シーバスもみられるようになります。ということで、アフターの群れが入る指標になるバチ抜けのスケジュールを、各河川で把握することも重要になってきます。
「冬の河川」での魚の探し方
さて、外洋隣接小規模河川を選定した上で、どういった場所選びを行うのが良いでしょうか。
以前、初夏シーバスの釣り方について記事を書きましたが、その時は、少しでも水温が低い場所、溶存酸素が多い場所、流れが強い場所、という3つのキーワードを上げました。しかし、冬となるとその部分も変わってきます。
冬季は溶存酸素量も安定している場合が多いため、ここはあまり意識しなくてもよくなります。そして、淡水の場合水温が一桁になっているケースが多く、少しでも暖かい水を探すべきです。また、流れに関してもアフターの魚は体力が減っており、強い流れは避ける傾向にあります。
上げ潮で海水が入り込みやすい下流域中心で釣りすると釣果を上げやすくなるかと思います。具体的には河口~1本目の橋の橋脚、明暗までの魚影が上がりやすいかと思います。
もちろん、温排水・安定した水温がある湧き水等が絡む河川は、その周辺がどれほど上流であってもチェックすべきです。
また、タイミングとしても、流れが強すぎ無いが、活性を上げるため程よく流れている、潮止まり前後のタイミングが狙い目だと思います。
厳寒期の「釣り方」について
それでは以上の点を踏まえて、具体的な釣りについて考えていきましょう。
・魚の目の前までルアーを送るため、レンジを幅広く丁寧に探っていく。
厳寒期のシーバスはよっぽどのベイトが入っていない限り、低活性であることが多く、ルアーを追いきれません。そのため、目の前にルアーを通す確率を増やすため、水面・水面直下・中層・ボトムまで隙なく刻みます。
シンペンやシンキングミノー等をカウントダウンでレンジを決め、同じレンジを泳がせる感覚を身につけるいい練習になると思います。
スローでもナチュラルに動くルアーを中心にローテーションする。
流速が緩めのタイミングで活性の低い魚を食わせるためにも、アクションレスポンスが良く、尚且つ激しすぎないルアーがハマるケースが多いです。
ミノーのタイプ一つとっても、薄いリップが立ったビリビリと動くものより、リップレスでヌメヌメと泳ぐものの方が釣果を出しやすかったりします。
無理やり口を使わせるために、リアクションの釣りを織り交ぜる。
全く逆の話になりますが、そもそも魚が餌を捕食する気がほぼ無い事も多いため、反射的にリアクションで食わせる釣りも効果的です。
高速ジャークやフォールを目の前で見せることで、本能的に口を使わせてしまう釣りです。私の場合は高比重シンペンなどのジャーク・バイブの早巻き等を行います。
水質がクリアである冬はカラーもしっかりこだわる。
水温が著しく低下するシーズンは植物プランクトンが減少し、河川の水質はクリアになります。そのため通常のシーズンよりもカラーをよく見られるようです。
とりわけ月夜なんかは、ベイトパターンに関わらずクリアカラーが効果的な事が多いです。これに関しては、決定的な理由がわかっていません。シラウオ・アミ等の透明のベイトを捕食することが増えるからなのか、シルエットがぼやけて騙しやすくなるのか…とにもかくにも、この時期の釣行には、各ジャンルのルアーのクリアカラーをボックスに入れておくことをお勧めします!
シーバスは他の魚種に比べると、カラーには鈍感な魚。よって私もカラーに無頓着な釣り人になりましたが、冬だけは鱸でさえ神経質にカラーを気にし、それに応じ私もカラーにこだわる釣り人になります(笑)。
岡本的!厳寒期シーバスオススメルアー!
ここからは私がこの時期に「強く」オススメするルアー達をご紹介します!
クロスカウンター125F/97F(DAIWA)
春・秋にバーティスRを狂ったようにオススメしている私ですが、この時期はバーティスRよりもクロスカウンターの方が登板頻度が多くなります。特にピンクヘッドクリアチャート!このカラーが独壇場になる事を何度も体験しています!
先述した、ハイレスポンス・ナチュラルアクション・クリアカラーの全てを満たしたものになっています。ボックスに無いと不安になるぐらいです(笑)。
SLSZバーティスR125F SSR / 98F SSR(DAIWA)
クロスカウンターでは飛距離が足りない場合・流れが飛んだタイミング等はバーティスRシリーズで対応しましょう。特段バーティスRが冬に効果的というワケでは無く、飛距離・対応流速等が全メーカーのルアー含め、突出しているため、どうしても必要になってきます。
投げるルアーに困ったら「救バ」です!
モアザン スイッチヒッター85S-LV(DAIWA)
スイッチヒッターシリーズの中でも圧倒的に食わせる力を持ったモデル。ユラユラとS字のスラロームアクションを見せます。イメージとしてはゆったり漂うノーシンカーワームです。低活性な魚に非常に効果的ですので是非!
モアザン スイッチヒッターDH/オーバードライブ80S-LI(ともにDAIWA)
この二つはいわゆる超高比重シンペン。ナチュラル系の釣りで釣れなかった場合、高比重シンペンのメリハリのあるアクションとフォールでリアクションを入れます。軽いジャークを入れてもよし。圧倒的飛距離も相まって、最後の〆に必ず投げ入れる事をお勧めします!
岡本厳選!メーカー度外視オススメルアー
さて、恒例ではありますが、他社のルアーもじゃんじゃん紹介しましょう(笑)!
ロケットベイト95(ima様)
このルアーは…非常によく飛びます!そしてピリピリとしたロールアクションを沖で見せてくれるとともに、リップがあるため、コントロールしやすい。他社さんながら、非常に使い勝手がよく重宝します。個人的にはスイッチヒッターDHとアクションで使い別けています。
ローリングベイトシリーズ(タックルハウス様)
もう私が書くまでも無い定番ルアーですが、水平姿勢かつロールオンリーのアクションは流石の名品です!
ディズラ115S プロップ折りver(ジャッカル様)
私はバスジャンルのハドルテール系のルアーを小型~大型まで高頻度で使用しています。ハドルテール系は、大きくボディを動かすことなく、ナチュラルにテールスイングアクションを行うため、低活性のシーバスにも効果的です。ディズラに関しては、MLクラスのタックルでも投げられるため、重宝しています。河川での使用だと、プロップ部分が水を噛みすぎるため、プロップは折って使用しています。
以上、厳寒期のシーバスについての記事を書かせて頂きました!寒いし、釣果情報も少なく、釣りに行く気が起きにくいタイミングですが、しっかりと考えて釣りをすれば、意外と釣れるのが厳寒期。
是非皆さんも、温かい恰好で釣りに出かけてみてください!今回もありがとうございました!
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