ライン(=釣り糸)の主な素材はナイロン、フロロカーボン、PEの3種類。対象魚や釣りのジャンル・使い方など、目的に合わせて適した素材を選べるようになっています。そんな「ライン」について、まずは知っておきたい基礎的な知識を紹介します。
●文:ルアマガプラス編集部
ライン選びに迷わないために
釣り具店で陳列されているラインをよく見ると、素材・用途別に分類された上、強度を表す号数やlb(ポンド)といった表記がなされています。
この記事では「太さと強度」の表記法と、現在の釣りで主流となっている「ナイロン・フロロカーボン・PEライン」の3種類の素材による使い分けや特徴を解説します。
ラインの表記・種類について
ラインのパッケージには、そのラインがどれくらいの強さがあるかが表記されています。基本的な考え方として、号数表記は糸の「太さ」を基準に、lb(ポンド)表記は「耐荷重性」を基準に設定されています。つまり、1lbのラインは1lb(約450g)の重さを持ち上げることができます。
後述するナイロン・フロロカーボン製のラインについては号数とlbの表記に相関関係があり、おおまかに「1号」は約「4lb」と換算することができます。
ラインの太さはリールのスプール部に巻ける「糸巻き量」に関わってきます。たとえば2号のラインを200m巻けるスプールであれば、1号のラインを400m、逆に4号のラインなら100m巻くことができます。号数が倍になると巻けるラインの長さが半分になる、といった関係です。
ラインの素材について
「トラブルが最も少ない」ナイロンライン
エサ釣りの道糸(メインライン)からルアー釣りまで、様々な釣り方で使用できる長年定番のライン。
比重が軽く水面に漂いやすいため、根掛かりの心配が少なく済みます。その代わりに伸縮性が高いのでフロロ・PEに比べて感度は劣ります。とはいえ、逆に考えれば適度に柔らかくてトラブルも起きにくい、バランスのよいラインだと言えるでしょう。釣りに慣れていないような人にも向いています。
しかし吸水や紫外線による劣化が発生しやすく、糸がヨレ(ねじれ)たり変色しだしたら交換のサイン。比較的安価で手に入るので、数ヶ月以上使用していない場合や、数回の釣行でも頻繁に交換することが望ましいと言えるでしょう。
「硬く、伸びない素材」フロロカーボン
ナイロンに比べ素材が硬く、伸縮性が少ないため感度が良いのが特徴。比重が重くコスレなどの傷にも強いため、エサ釣りではハリスやエダスとして、後述するPEラインの「リーダー」としてもよく利用されています。
水中での強度の低下は少ないのですが素材自体が硬いため、リールに巻いたクセ(巻きグセ)がつきやすく、ライントラブルの原因となることがあります。
したがって長期間リールに巻いておくことはオススメできません。強く巻きグセがつきだしたり、指でしごくとザラザラとしたりしだしたら交換のサイン。釣行前に確認しておくようにしましょう。
「圧倒的な引っ張り強度」PEライン
現在の海のルアー釣りで主流になっているライン。極細の原糸を編み込んだり、束ねたりして1本の糸に仕立てたものです。近年ではエサ釣りでも使用する人が増えています。
理由はナイロン・フロロカーボンのラインと比べ数倍という圧倒的な強度があり、必要な強度を保ちながら細くすることができるため。同じ12lbの引っ張り強度でも、PEラインなら格段に細くすることができるんです。
ラインが細ければキャストする際に遠くまで投げられ、水中でも抵抗を受けにくいという利点があります。原糸は4本もしくは8本を編み込んで作られるものが多く、強度面では4本組み、滑らかさや耐摩耗性では8本組に分があります。
しかしPEラインも万能ではありません。引っ張る力に対しては非常に高い強度を持つものの、熱やこすれに弱く、護岸や根に触れて傷がつくとたちまち切れてしまいます。また比重が軽いので、風や波の影響を受けやすいという側面も。
これをカバーするために「リーダー」というシステムを組むのです。
PEラインにリーダーが必要な理由
左のイラストで示しているように、PEは細くて強いが摩擦に対して非常に弱い。護岸や根に擦れるとあっけなく切れてしまうことも多いのだ。カッターなどの鋭利なものにPEラインを擦り付けてみると、その弱さを実感してみることができる。
そのため太く、擦れに強いフロロカーボン(場合によってはナイロン)製のラインを先端に結びつけ、PEラインのデメリットを補うのが一般的になっている。この先に付けるラインを「リーダー」と呼ぶ。リーダーと接続することで感度や遠投性に優れながら、コスレなどにも対応したシステムを構成しているのだ。
ラインとリーダーの結束はいろいろ。ルアマガプラスでもさまざまな結び方を紹介しているので、ぜひ参考にどうぞ!
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