
●文:ルアマガプラス編集部
カワハギとは?
カワハギは、フグ目カワハギ科に分類される魚。その名の通り、ザラザラとした硬い皮は簡単に剥がすことができ、調理がしやすい特徴を持つ。北海道以南の日本各地の沿岸に生息し、砂地と岩礁が混在するような場所を好む。小さなおちょぼ口と、頭部の前方に立つ一本の鋭いツノ(第一背ビレ)が外見上の大きな特徴だ。釣りのターゲットとしてとても人気が高く、その繊細なアタリを掛けるゲーム性と、食味の良さ、とくに絶品と称される“肝”が多くの釣り人を魅了してやまない。
肝を求めてカワハギ釣りにハマる釣り人も。
カワハギの生態
頑丈な歯を持つ小さなおちょぼ口を使い、ゴカイ/貝類/甲殻類などを巧みに捕食する。ホバリングするように泳ぎながら、エサの硬い部分だけを器用に避け、中身だけを吸い取るように食べるため、「エサ取り名人」の異名を持つ。釣りにおいては、釣り人が気づかないうちにエサだけが取られてしまうことが頻繁に起こり、その微細なアタリをいかに感知し、掛けるかが釣果を分ける。この釣り人との知恵比べともいえる駆け引きが、カワハギ釣りの最大の魅力である。
カワハギの釣りシーズン
カワハギは基本的に周年狙える魚だが、目的によってベストシーズンは異なる。
夏シーズン(7月~9月)
水温が高く、カワハギの活性も高まるため、数釣りが楽しめるシーズン。サイズは小型から中型が主体となるが、アタリが多く、カワハギ釣りの入門にも最適な時期だ。浅場で活発にエサを追うため、初心者でも比較的釣りやすい。
秋冬シーズン(10月~1月)
水温の低下とともに、越冬と産卵に備えて栄養を蓄え、肝が大きく発達するシーズン。この時期の肝は「海のフォアグラ」とも称され、これを求めて多くの釣り人が竿を出す。サイズも良型が揃い、肝の味と魚のサイズの両方を追い求められるハイシーズンである。
カワハギの釣り方
カワハギ釣りは船から狙うのが一般的で、その繊細なアタリを取るための専用タックルとテクニックが釣果を大きく左右する。
胴突き釣り
船からのカワハギ釣りでもっともポピュラーな釣り方。オモリが一番下にある「胴突き仕掛け」を使用し、海底付近を丁寧に探る。タタキ/タルマセ/ゼロテンションといった誘いのテクニックを駆使し、カワハギにエサを食わせる隙を与え、その瞬間のアタリを掛けていく、とても奥深い釣りだ。
市販のカワハギ専用のものがオススメ。エサはあさりが定番だ。
仕掛け例
- ロッド: 1.8m前後のカワハギ専用竿(8:2または9:1の極先調子)
- リール: PEライン1号前後を100m以上巻ける小型両軸リール(ベイトリール)。カウンター付きも便利
- ライン: PEライン 0.8~1.5号
- リーダー: フロロカーボン 3~4号を1m程度
- 仕掛け: 市販のカワハギ用胴突き3本バリ仕掛け。幹糸/ハリスの号数や針の種類(ハゲ針/狐針など)が異なるものが多数あるため、状況に応じて使い分ける。集魚効果を高める「集寄(しゅうき)」を付けることも多い。
- オモリ: 20~30号を基本とし、潮の速さや水深によって調整する
- エサ: アサリのむき身が定番。冷凍のものや生のものを、ベロから始まり縫うように刺して針に付けるのがコツ
カワハギの食べ方
「エサ取り名人」を苦労して釣り上げた暁には、絶品の味が待っている。とくに肝の美味さは他の魚では味わえない特別なものである。
カワハギの名前の由来は「皮が剝ぎやすい」からだそう。
肝醤油の刺身(薄造り)
これぞカワハギ料理の王道。新鮮な肝を裏ごしして醤油に溶かし、それをタレにして薄造りにした身をいただく。濃厚でクリーミーな肝の旨味と、弾力のある白身の相性はまさに絶品。
カワハギ料理のといえば肝醬油の刺身。新鮮なカワハギが釣れたらぜひ食べたい逸品だ。
煮付け
ふっくらとした白身と濃厚な肝を一緒に味わえる定番料理。甘辛い煮汁が染み込んだ身と、とろけるような肝の味は格別で、ご飯にもお酒にも良く合う。ゴボウなどと一緒に煮付けるのもおすすめだ。
柔らかくふっくらとした白身は煮つけにもバッチリ。
肝和え
茹でて裏ごしした肝と、細切りにした身やネギなどの薬味を和えた一品。濃厚な肝がソースのように身に絡み、日本酒の肴に最高だ。
唐揚げ
中骨が柔らかいため、小型のカワハギは骨ごと食べられる唐揚げも美味しい。サクサクの衣とふっくらした身の食感が楽しめる。カレー粉などで下味を付けるのも良い。
味噌汁/お吸い物
頭や中骨などのアラからは、とても上品で美味しい出汁が出る。このアラを使って作る味噌汁やお吸い物は、釣った魚を余すことなく味わえる、釣り人の特権ともいえる料理である。
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