シマノの人気ライトソルトゲームブランドSoareから今秋、Newモデルが続々リリースされる。もちろんアジングフリークの皆さんの気になるアイテムも多数存在。シマノインストラクターの丹羽さんが、注目度の高い新製品を解説!
●文/撮影:ルアーマガジンソルト編集部
基本性能と操作性が飛躍的に向上!
2022年後半リリースの、ソアレ関連新製品のインプレということで、丹羽さんに実釣取材を打診。これから続々と登場する注目のタックルを、開発テストにも深く関わっている立場で色々とコメントを頂いた。普及価格帯のものが多く、どれも買いやすいアイテムということで、機能面での進化などを根掘り葉掘り質問を投げかけた。
丹羽「この秋のソアレのニューモデルは、アジングでいうとロッドのソアレSSアジング、リールのソアレBB、ジグヘッドのカケガミTG、ワームのモモアジ2inになります。奇をてらうようなものや、とくに革新的なアイテムはありません。どちらかというと地味です(笑)。でも実はそこがすごい」
ロッドとリールは、アジング入門者やステップアップを目指す人に人気のモデルですが、それをリニューアル?
丹羽「そう。ロッドのソアレSSアジングとリールのソアレBBに共通して言えるのが、一つは基本性能が優れている。二つめは操作性が高い。そして三つめは釣れる、ということです。これらの部分で明らかな進化がみられます」
上位機種により近づいている?
丹羽「そうですね。例えば新しいソアレSSアジングは、ブランクにスパイラルXを初搭載しています。前作よりダルさが払拭されてディープエリアでも切れの良いアクションがつけやすい。キャスト時のブレの収束が早いからアキュラシーが上がるし、飛距離も出しやすい。実釣動作すべてにおける操作性の向上が体感できます」
タックルの操作性は釣果にも直結する部分だと思います。
丹羽「リールのソアレBBもよりアジング向きに進化しているし、カケガミTGとモモアジ2inに関しても釣れる! という点で、その要素を増やせます」
ソアレSSアジングは、ミドルグレードとして確実な進化を遂げた
ソアレのアジングロッドシリーズにおいて、XR以上の上位機種と入門機のBBの間を埋める、ミドルグレードに相当するソアレSSアジング。入門者がステップアップする場合や、他の釣りからアジングに入ってきた、ある程度の技量を持つアングラーを対象としたグレードだ。
丹羽「ご存知、ソアレTTアジングという、価格的にはSSとBBの中間的なシリーズがあります。ただこのソアレTTアジングはSSとは機種構成が全然違う。新しいSSは今のアジングのトレンドにマッチした攻めたラインナップで構成されています」
そのNewソアレSSアジングで一番の進化ポイントは、シマノの独自の技術であるスパイラルXを採用したブランクだろう。
丹羽「スパイラルXによりブランクのネジレ、つぶれなどに対する強さの特性が上がっています。従来のSSは適度なダルさでアジ好みのスレさせないアクションがつけられました。ただ、ディープエリアなど、いざ攻め込んだ釣りをするとそのダルさが気になることもあった」
気になるというのは、具体的にはどういう点でしょうか?
丹羽「やはり、アングラーの意図を反映させにくい部分があったのは事実。それが、スパイラルXの採用でダルさが払拭されました。ディープエリアを攻めても切れの良いアクションが意図したとおりにつけられる。デイゲームでもメリハリを効かせたリアクションの釣りが展開しやすくなります」
スパイラルXの採用でより張りのあるロッドになったということですか?
丹羽「いや、シリーズ全体でいえば、ダルさが消えてシャープになったといえますが、SULのモデルは軟らかさを残しています。例えばジグ単のシェイキングでアクションが切れすぎるとアジはスレやすくなる。上級者は張りが強めの上位機種を使っても繊細に操作してコントロールできるけど、初・中級者はそうはいかない。この部分がソアレSSアジングのSULモデルはオートマチックにできます」
アジ好みのアクションが初・中級者でも簡単に出せる?
丹羽「そうです、だから釣れるんだと思います。あと前作の6機種から2機種追加された全8機種に、ラインナップを拡大しています。これにより、スタンダードなアジングから、0.5g前後の超軽量ジグ単までより幅広い釣りに対応することが可能です。扱いやすいので入門者の方にも良いし、伸び悩み中の中級者など上達志向の強いアジンガーの方にぜひ使っていただきたいですね」
丹羽さんのお気に入りはSUL-Sモデル
実釣インプレッションでは、丹羽さんはタックルを3セットを組んでいた。その内の2本がSULモデルだ。
丹羽「SULはティップにタフテックを使うことで出せる調子で、SS特有の良い意味でのダルさでアジ好みのアクションがつけやすい。移動距離を抑えたシェイキングなど繊細な操作がオートマチックにできます。あとはしなやかなSULならではのティップのもたれ感。手感度では対応できない喰い渋るアジのバイトが、ティップのもたれが抜ける“抜けアタリ”としてとれます」
使用タックルセッティング解説
【軽量リグを繊細に扱う喰い渋り対策】ソアレSSアジング S54SUL-S(左)
「産卵絡みなど活性の低いアジの食い渋り対策。喰わせ重視のセッティングです。ティップがしなやかだからアンダー1gのジグヘッドでも、もたれ感が出しやすい。切れ良く動かしすぎないアジ好みのアクションで誘って、手元には伝わらないバイトをとることができます。操作しやすいレングスで、入門者の最初の1本にもおすすめです」
- リール:NewソアレBB500SPG
- ライン:サイトレーザーEXエステル0.2号
- リーダー:ソアレリーダーEXフロロ4lb
【しなやかさと感度両立の喰わせセッティング】ソアレSSアジングS60SUL-S (中央)
「S60SUL-Sは、軟らかい調子にPEラインを合わせることでアジ好みのアクションが出せて感度も良い。S54SUL-SにPEを組み合わせるよりレングスがあるので、しなやかさを利用してバイトを弾かず、曲がり代があるのでバラシも大幅に減ります。PEを使えば大型にも対処しやすい。ボートアジングにもおすすめのセッティングです」
- リール:NewソアレBB C2000SSPG
- ライン:ピットブル4+0.2号
- リーダー:ソアレリーダーEXフロロ5lb
【ライン処理能力を重視】ソアレSSアジングS64UL-S (右)
「実釣時は風が吹いていたのでラインが流されることを想定してS64UL-Sもチョイス。ULの感度に頼らざるを得ない状況がありますからね。レングスはラインが流されてもロッドのストロークで処理しやすい64。リールは糸フケが素早く巻けるハイギアを選びました。流れのあるエリアで感度重視の釣りをするときもS64UL-Sはおすすめです」
- リール:NewソアレBB C2000SSHG
- ライン:サイトレーザーEXエステル0.4号
- リーダー:ソアレリーダーEXフロロ5lb
ルアーマガジン・ソルトDX Vol.2(7/21発売)
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