手広く釣るなら「万能」エギングロッドがおすすめなのです。ルアーもエサも、イカも魚もかかってこいや!



ちょっと釣りでも始めてみようと、釣具店をのぞいてみれば、専用ロッドが見渡すかぎり。アジング、ショアジギング、シーバス、磯竿に船竿……。しかし専用のものじゃないと釣れないの? っていうと必ずしもそういうわけではなく。ならば、いちばん手広くいろんな釣りに流用ができるロッドとは? そう、それこそが「エギング」用のロッドなのであります。

そもそもエギングとはなんぞや。

エギングなんじゃそれ。な方にもざっくりと申し上げますと。

エギングとは「エギ」と呼ばれるルアーを遠くまでブン投げ、ロッドをブンブン振り回しながらアクションを加えつつ、アオリイカを狙う釣りです。

https://plus.luremaga.jp/2021/10/12/122744/

エギングロッドでなんでもできる理由

エギングにとって重大な前述の「シャクリ」、エギのサイズが他のルアーと比べて大きく、また水を受けやすい形状でもあるため、活きたエビのようにキビキビと水中で跳ね上げるにはロッドから瞬発的に力を伝える必要があります。

そんなエギング用のロッドは一般的に、シャクリ・パワーがうまくエギに伝わるようにやや硬め、しかし負荷を掛ければ素直にしなやかに曲がりつつしかしハリは失わない、非常にバランスが良く扱いやすい設定になっているのです。

編集部大木パイセン、エギングロッドを操ってアオリイカをゲット。当然ですが、エギングロッドはエギングに最適です。

このおかげでエギよりもっと小さい、例えばライトゲームに用いるような2g前後のルアーでもロッドで重みを感じながらキャストが可能。

逆にエギより若干重めなメタルジグなどもロッドが硬いおかげである程度はフッ飛ばせます。(とはいえ、無理すればもちろん折れますよ!)

むろん、エサ釣りなどでも。仕掛けの総重量がロッドの耐荷重を越え過ぎなければ、なんだってエギングロッドでできるんです。

一日中シャクり続けても疲れないよう、エギングロッドは細身で軽く作られているのもありがたい。したがって、エギングロッドis万能。なのです。

で、実際どんな釣りができるんですか。

なんでもできるよ! と言われても、何すればいいのかわからんよ…。となるのが世の常。人の常。

エギングロッドでできる釣りをいくつかご紹介…する前に、号数ごとのエギの重さを確認しておきましょう。

号(エギ)2.02.53.03.54.04.5
重さ(g)約6約10約15約20約25約33
長さ(cm)6.067.579.0910.6012.1213.63

このハンパな数字は尺貫法を使っているため。さらにややこしいのは、エギの号数が「長さ」を表しているところです。すなわち、1号=1寸=3.03cm。号数ごとに決まっているのは「重さ」ではなく「長さ」なのです。だから正確に言えば3.0号のエギが15gとは限らないのです。ややこしい!

一般的なエギングロッドの耐荷重は2.5~4号ですから、メートル法に直すとだいたい10~25gが適正ウェイト。ただし上記の理由により、ロッドの調子によってはもう少し重たい仕掛けを使っても大丈夫でしょう。もちろん、無理せず!

30gまでのメタルジグで【ライトショアジギング】

エギングロッドはエギを遠くまで飛ばすことを考えて設計されているため、同様に遠投して広範囲を探るショアジギングにピッタリ。漁港や防波堤周辺を探る際におすすめといえます。

100gに迫るメタルジグを使ったハードでバチバチなジギングはさすがにお手上げですが、重さを選べばむしろ好適。

「ボウズのがれ」との誉れ高き異名を持つ「ジグサビキ」にもエギングロッドで挑戦できます。メタルジグとサビキ仕掛けを組み合わせたセッティングで、大魚小魚一挙両取りを狙えるロマンティックが止まらない釣り。ぜひおすすめです。

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ミノー、ペンシル、バイブレーション…軽量級ならお手のもの【シーバス】

シーバスゲームに使うルアーは多種多様ですが、層が厚いのは20g前後とエギングロッドの守備範囲。エギを「シャク」れるエギングロッドはシーバスルアーにも機敏なアクションを入れやすく、シーバス狙いの釣りにも通ずるところがあります。

気軽に釣れてこのごろ話題!?【チニング】

クロダイ(チヌ)をルアーで狙う「チニング」もシーバスに次いで人気。使うルアーやタックルセッティングもシーバスと似ており、同様にエギングロッドで狙いやすい魚です。



もちろんエサ釣りにも!

…と、その前に。エサ釣りに使うオモリは1号=1匁=3.75gとなっております。ややこしい!

号(オモリ)11.523456789
グラム3.755.6257.511.251518.7522.526.253033.75

ともかく一般的なエギングロッドは3~7、8号のオモリなら扱える、ということになります。

ただし1点だけ注意が必要なのは、ルアー釣りと違って仕掛け全体の重さを考える必要があること。意外とウキやエサが重かったりするのです。オモリの重さ、号数表記だけに気を取られないように!

もっともサビキ釣りなど、足元に落とすだけでいい釣りであれば過積載でもあまり問題にはなりません。魚を寄せられるのはエサの強み…!

ファミリーフィッシングの定番【サビキ釣り】

エサカゴの中にアミエビを入れ、魚皮を貼ったハリでアジやイワシなどを釣るのがサビキ釣り。魚さえいればわりと確実に釣れることから、入門として非常にポピュラーな釣りです。

ファミリーフィッシング向けとはよく言われたもの。

もともとよく釣れる釣りではありますが、なんでもいいから釣りたい…! 魚を見たい…! そんな方は小さめのハリを使うとよいでしょう。エサ取りにやってくる小魚もハントできます。

サビキ釣り仕掛け一例

ちょいっと投げて遠くの海底を狙うべし【ちょい投げ】

ちょい投げ釣りは仕掛けを底に這わせるようにするため、中層をよく泳ぐ魚が釣れるサビキとはまた違う魚が狙えます。例えば砂地の底付近に棲んでいるキスなど。

エサにはゴカイやイソメといった虫エサを使うのが一般的です。が、「パワーイソメ」「ガルプイソメ」も非常に便利です。噛み付いてこないし。

https://plus.luremaga.jp/2020/10/16/88039/
仕掛けを投入した後も、放置するよりはロッドの力を使ってゆっっっくり手前に寄せてくるのがおすすめです。アタリもわかって楽しい。
ちょい投げ釣り仕掛け一例

番外編:ロッドによっては意外とイケる?【アジング、メバリングなどライトゲーム系】

軽量ジグヘッドとワームを組み合わせてアジやメバル、カマスやメッキを狙うのがライトゲーム。

どのくらい軽量かと言えば重くても3g、ときには1gを切るほどのミニなサイズ感で、その分だけかなり繊細な釣りになっております。

エギよりも大幅に軽いので自由自在に…とはいきませんが、ロッドによってはしなりの良さである程度扱うことは可能です。

エギングロッド&2グラムのジグヘッドで仕留めたカマス。釣れていたのでモノは試しとやってみると、意外と違和感なく使えました。

小社の超万能モバイルエギングロッド(自画自賛)もおすすめですよ…。

ちなみにこのとき使っていたのは以前メジャークラフトさんとコラボして生まれたエギングロッド「MOBILE4」。4ピースのモバイルロッドで持ち運びもラクラク。

そして最大の特徴は竿先、すなわちティップが2種類を付け替えられること。

通常のエギング用の硬めの「チューブラー」、一方で柔らかめの「ソリッド」の2種。より幅広い釣りができるのです。

このMOBILE4、販売開始直後に売り切れてしまったという逸話を持っているのですが、なんとこのたび装いも新たに再販します(告知)

新しい名前は「イントロ」。いろんな人に釣りに入門してもらいたい! ということで、入門・導入という意味の「introduction」から採っています。音楽の「イントロ」とも掛けたりしてまして、白黒の彩りはピアノの鍵盤をイメージしてたり。

詳細なスペックや販売開始日時、イントロに向いた仕掛けやタックルなどなど…は、後日、記事として上梓する予定であります。はい、告知終わり!

万能パックロッド「イントロ」販売、始まってます。

万能といえど全能ではない…?

ここまで来たらいちおう把握しておいてもらいたい、エギングロッドが向かない釣り。

もちろんエギより重すぎたり軽すぎたりするルアーを使うのはちょっと厳しいものがあります。

このようなビッグベイトなどを使うにはさすがに不適。この「バラム300」は168gあります。

前述のライトゲームも本気でやるには難しい。特にアジは口が小さくアタリも繊細で、ときに1キロを超えるイカを釣るためのロッドでは感知しにくいのです。

そのほか、やっぱり専用ロッドのほうがかゆいところに手が届く。たとえばショアジギング専用のロッドはエギングロッドよりもやや長く、より遠くまでルアーを飛ばすことができます。

シーバスロッドは柔らかめ。水面で暴れるシーバス特有の「エラ洗い」の衝撃を吸収できるように設計されているんです。

エギングロッドを使いながら、もっと遠くへ投げたい! とか、もっと感度よく魚のアタリを感じたい! とか感じられるようになればそれはもう中級者の証。それぞれの釣りに特化したロッドでかゆい部分を思う存分かきむしってください

その道にまで高ずるかどうかはアナタ次第ですが、それまではどうか、気楽に釣りを楽しんでみてください!

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