高級食材として知られるウニ。寿司のネタとしても人気だが、ウニとひと口に言ってもその種類は様々だ。しかし、食用とされるのは4種類ほど。中でも食味が良く人気の高いのがムラサキウニとバフンウニだ。では、この2つのウニ、一体どっちが美味しいのか? 白黒つけるために、北海道のウニの名産地、積丹へ行って食べ比べた結果、圧倒的な結果に…!
●文:ルアマガプラス編集部
なぜ、わざわざ産地へ行くのか? ウニはわざわざ現地まで行って食べる価値のある食材の1つだった!
日本各地でとれるウニだが、中でも北海道のウニは有名で、漁獲量もトップクラス。北海道でも、地域によってウニの旬が違うのだが、今回訪れた積丹のウニの旬は夏頃。旅のタイミングがちょうど夏だったため、この地を選択した。
北海道・積丹半島
「わざわざ現地に行かずとも、ウニならそこかしこで売っているではないか?」
確かに、物流が発達した現代、あらゆる生産物を、自宅にいながらにして楽しむことができるのだが、ウニに関しては、現地まで赴いて食す価値のある数少ない食材の1つではないだろうか。
その理由として、ウニというのは非常に繊細で柔らかく、酸化して風味が変わってしまいやすい食材だからだ。そのため、輸送中の型崩れや変色、酸化を防ぐためによく用いられるのが食用のミョウバンという薬剤なのだが、このミョウバンを使用したウニはやや独特なニオイがつく場合があり、産地の獲れたてのウニと風味が違うものになってしまうこともある(ミョウバンの使用が必ずしもウニの風味を阻害するわけではないが、加減が難しいようだ)。
最近は、ウニ独特の風味を阻害しにくい塩水ウニも多く流通するようになっているが、それでもやはり、現地で獲れたての新鮮なウニを食べるのが一番だと考え、積丹へ行くことを決めた。
ムラサキウニとバフンウニの違いとは?
実際に食す前に、ムラサキウニとバフンウニの違いを見てみよう。積丹ではムラサキウニの殻はやや紫がかった黒い色をしており、長いトゲで覆われている。一方、バフンウニの殻の色は薄茶色で、トゲが短く、ムラサキウニよりもやや小ぶりな個体が多いのが特徴。
身の色は、ムラサキウニが薄いクリームイエローなのに対して、バフンウニは濃いオレンジで、一見してその違いがわかる。
ムラサキウニ
バフンウニ
地元の人に教えてもらった、積丹のお寿司屋さんへ
積丹に到着後、地元の人に教わったお寿司屋さんへ直行。入荷量によっては、売り切れということもあるようだが、ラッキーなことに当日は在庫ありでオーダー可。早速、生のムラサキウニが乗った生うにちらしと、生のバフンウニが乗った生うにちらしを注文!
積丹料理 ふじ鮨 積丹本店
出てきた丼を見て驚愕! 大きな器にビッシリと敷き詰められたウニ! 持ち上げるとずっしりとした重みが…! こ、これは贅沢!
ムラサキウニの生うにちらし
バフンウニの生うにちらし
ウニって、ちびちび食べるイメージだったのだが、提供された丼に敷き詰められたウニの量に圧倒され、しばらくしげしげと観察。この量を敷き詰めるために、何個のウニが必要なんだろうか…?
しかし、生ウニは鮮度が命、こうしている間にも酸化が進んでしまうので、早速、ムラサキウニのちらしとバフンウニのちらしの食べ比べ開始。
まずはムラサキウニから、次にバフンウニ……あっ、全然違う! もう、圧倒的にバフンウニの旨味が濃厚で旨い! ムラサキウニも十分美味しいのだが、一旦、バフンウニを食べてしまうと、旨味の濃さに圧倒され、ムラサキウニの印象が一気に薄れてしまった。
ということで、調査者がムラサキウニとバフンウニを食べ比べた結果は、圧倒的にバフンウニに軍配! その旨味の濃厚さは、この後1日中、何を食べても味気なく感じられたほど強烈だった。
各地の名物が、現地に行かずに楽しめるこの時代だが、それでも、生のウニに関しては、現地に行って食べるという価値が十分ある食材であることを、改めて認識した調査となった。
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