遂に発売となった2023年シマノ話題の新製品「セフィア クリンチ ロングアピール ジェットブースト」。圧倒的な遠投性能と7.4秒/mという超スローフォールを両立し、これまでのセフィアシリーズにはない「規格外」のエギとなっている。この話題のエギについて改めてどのような特徴があるか解説していこう。
●文:ルアマガプラス編集部
セフィア クリンチ ロングアプローチ(シマノ)
【スペック】
サイズ:3.5号
重量:17g
タイプ:シンキング
沈降速度(参考値、秒/m):7.4
飛距離(m):52
カラー:12色
シャローモデルよりもさらに「ゆっくり沈む」スーパースローフォールエギ!
セフィアクリンチロングアピールは、その名の通り「ロングアピール=スローフォール」が代名詞のひとつ。これまでにもセフィアシリーズのエギは「セフィアクリンチ エクスカウンター シャロー」という既存のモデルよりもフォールスピードが遅いシャローモデルが存在していた。
しかし今回リリースされたセフィアクリンチロングアピールのフォールスピードは1mで約7.4秒。これまでのセフィアシリーズのエギでも「最もフォールが遅い」モデルとなるのだ!
エギに初搭載!シマノが誇る遠投テクノロジー「ジェットブースト」
通常エギはラインを結ぶアイの下側にシンカーがある。よってキャストする際も重心が手前にあることで飛距離を出しづらい点があった。
しかしこのロングアピールはシマノの重心移動機構「ジェットブースト」を搭載したことにより、既存のエギよりも遠投性能が格段にアップしたのだ。
「JET BOOST(ジェットブースト)」とは?
ジェットブーストとは、重心移動ウェイトを貫通シャフトとバネで支えることで、安定したロングキャストと速やかな泳ぎ出しを両立させるシマノ独自の重心移動機構 。「キャスト時の初速」「飛行姿勢の安定」「速やかな泳ぎ出し」の3要素を徹底的に検証し、使い手の技量を問わず「釣れる」遠投ルアーを実現している。現在はシーバスルアー、バスルアー、トラウトルアーにも搭載されている。
さらにジェットブーストの重心移動機構は、中にあるウェイトの移動もスムーズなため、遠投性だけでなく、着水時もナチュラルなバランスでフォールを演出。ファーストフォールでのバイトチャンスも逃さないのだ。
「ジェットブースト」がもたらすメリットとは!?
セフィアクリンチロングアピールのジェットブースト機構によるメリットは多くある。
まず沖の潮目やヨレ、潮流変化している場所のアプローチが可能になること。また沖のブレイクライン(カケアガリ)やシモリ(障害物)にも届きやすくなることで、人が攻められなかった「沖の竿抜けポイント」の攻略も可能となるのだ。
さらに飛距離を出したポイントで「スローフォール」でアプローチできることも大きなメリット。
特にナーバスな春イカ、人が多い激戦区のポイントではフォールスピードが速いと見切られてしまうことが多い。しかしセフィアクリンチロングアピールはハイプレッシャーなポイントでもスローにエギをアクションさせることができる。
またアングラーが攻めきれていないフレッシュなポイントでも、スローにアプローチ出来れば、これまで獲れなかった1杯をキャッチすることもできるだろう。
秀逸したクリンチシリーズの「ダート性能」も踏襲!
セフィアクリンチロングアピールは圧倒的な遠投性能とスローフォールだけでなく、クリンチシリーズの優れたダート性能も踏襲。ロッドアクションに対するレスポンスも良いので、小刻みなシャクリによる連続ダートや、鋭いタテジャークによる高さのある跳ね上げなど、様々なアクションに対応。
また安定したバランスのため、シャローエリアにおける表層での連続ダートも水面に飛び出しくくなっている。ノーマルモデルと遜色ないアクションレスポンスを実現するのだ。
大人気機構「フラッシュブースト」も搭載!
セフィアクリンチロングアピールは、ジェットブースト機構だけでなく「フラッシュブースト機構」も搭載。シーバスルアーのサイレントアサシンシリーズからスタートした大人気機構は、エギにも生命感をもたらしてくれる。
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フラッシュブースト機構は、ボディの微弱な振動も内蔵された反射板に無駄なく伝え、ダートアクション中のみならず、フォール中も反射板が揺れてフラッシング。
エギングの基本は「ダートで誘いフォールで抱かせる」ことだが、セフィアクリンチロングアピールは「安定した姿勢でのフォール=抱かせの間でもフラッシュブースト機構の明滅をともなうロングアピール」を実現。
生命感溢れるフラッシングスローフォールが、既存のシャロータイプでは攻略が難しいナーバスな春の大型イカや、低活性スレイカにも反応させ喰わせることができるのだ。
シマノインストラクター・湯川さんによる解説は必見です!
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