
●文:ルアマガプラス編集部
ヒラメとは?
ヒラメは、カレイ目ヒラメ科に属する魚。日本の沿岸全域、特に砂底の海域に広く生息している。「左ヒラメに右カレイ」という言葉で知られるように、腹側を手前にして置いたときに左を向くのが特徴だ。平たい体で砂に潜んで獲物を待ち構える、日本を代表するフィッシュイーターであり、その上品な味わいから高級食材としても人気が高い。特に大型のものは「座布団」とも呼ばれ、アングラーにとって憧れのターゲットである。
カレイとは違い、大きい口にギザギザとした鋭い歯があるのも見分けるポイントだ。
ヒラメの生態
沿岸の浅い砂地や砂泥底を主な棲み処とする。体の色を海底の砂の色に似せる擬態能力(保護色)に長けており、普段は目だけを出して砂に潜み、獲物が近づくのをじっと待っている。しかし、捕食の瞬間はとても俊敏。主なエサはイワシ/アジ/キスといった小魚で、時には海底から飛び上がって果敢にベイトフィッシュを追いかける。この獰猛なハンターとしての一面が、ルアーフィッシングのターゲットとして人々を魅了する理由のひとつである。
遠浅のサーフなどはヒラメの絶好のポイントだ。海が荒れているときは意外と砂地の漁港の方が釣れるということも。
ヒラメの釣りシーズン
ヒラメは基本的に周年狙える魚だが、特に釣りやすく、食味も良くなるベストシーズンが存在する。
ハイシーズン(10月~2月)
晩秋から冬にかけて、水温の低下とともにベイトフィッシュが沿岸部に集まるため、それを追ってヒラメの活性もとても高くなる。また、この時期のヒラメは脂が乗り、身が締まって食味が格段に向上することから「寒ビラメ」と呼ばれ、もっとも価値が高まる。大型の「座布団ヒラメ」が狙えるのもこのシーズン。
セカンドシーズン(5月~7月)
春から初夏にかけてはヒラメの産卵期にあたる。産卵を終えたヒラメは体力を回復させるために積極的にエサを捕食する“荒食い”の状態になるため、再び釣りやすくなる。夏が近づくにつれてヒラメの活性は高まるが、真夏になると水温が上がりすぎて深場へ移動する傾向がある。
ヒラメの釣り方
ヒラメを狙う釣り方はいくつかあるが、ここでは代表的な2つの釣り方を紹介する。
フィッシュイーターのヒラメはルアーとエサの両方で狙える。
サーフルアー
広大なサーフ(砂浜)からルアーを遠投してヒラメを狙う、もっとも人気のあるスタイル。離岸流やブレイクライン(かけあがり)等、地形に変化がある場所やベイトフィッシュが集まる場所を探し出すことが釣果に繋がりやすい。ルアーをキャストし、着底したらリールのハンドルを巻き、底を切る。アクションとしては、ルアーが底から少し浮いている状態でゆっくり巻き続けるのも良いが、定期的に止め(食わせの間)を入れるストップ&ゴーも有効だ。
一見何もないようなサーフだが、ちょっとした地形の変化を狙うのがヒラメに近づく第一歩。
仕掛け例
- ロッド: 10ft(約3m)前後のサーフ専用ロッド(M~MHクラス)
- リール: 4000番クラスのスピニングリール(遠投性能と巻き取り速度に優れたハイギア/エクストラハイギアモデルが推奨される)
- ライン: PEライン 1.0号~1.5号
- リーダー: フロロカーボン/ナイロン 20lb~30lb(5号~7号)
- ルアー:ハードルアーからソフトルアーまで状況に応じて幅広く使う。
- シンキングペンシル: 90mm~120mm程度のもの 潮の流れに乗せて誘いたい時に有効。
- フローティングミノー: 120mm~140mmのもの アピール力が高く、遠浅のポイントで有効。
- メタルジグ: 30g~40g程度 圧倒的な飛距離が武器で、沖のポイントや強風時に有効。
- ジグヘッド+ワーム: ヒラメ狙いの定番ルアー。10g~30gのジグヘッドに4~5インチのシャッドテールワームを装着して使う。
泳がせ釣り
堤防や船から、活きたアジやイワシをエサにしてヒラメを狙う伝統的な釣り方。生き餌のリアルな動きでヒラメにアピールするため釣果が出やすい面もある。アタリがあってもすぐに合わせず、じっくりと食い込ませることが釣果アップのコツである。
仕掛け例(陸)
- ロッド: 遠投磯竿 2~3号/シーバスロッド/サーフロッド等
- リール: ドラグ機能付きの投げ釣り用リール/4000番程度の汎用スピニングリール
- 道糸: ナイロンライン 4号~6号/PEライン 1号~2号(リーダー6号~8号程度)
- 仕掛け: 市販の泳がせ釣り仕掛け(堤防用)
- オモリ: 10号~30号(潮の流れや水深に応じて調整)
- ハリス: フロロカーボン 5号~7号(長さは1m前後)
- ハリ: ヒラメ専用針/孫針付きのト活きルフック
- エサ: 活きアジ/イワシ/キス/ハゼ等(10cm~15cm程度)
仕掛け例(船)
- ロッド: 泳がせ釣り専用船竿/6:4調子で2m~2.7m程度の汎用船竿等
- リール: 小型~中型電動リール/沖釣り用両軸リール
- 道糸: PEライン 2号~3号(リーダー7号~10号程度)
- 仕掛け: 市販の泳がせ釣り仕掛け(船用)
- オモリ: 30号~80号(潮の流れや水深に応じて調整)
- ハリス: フロロカーボン 6号~8号(長さは1m前後)
- ハリ: ヒラメ専用針/孫針付きのトリプルフック
- エサ: 活きアジ/イワシ等(10cm~15cm程度)
船釣りの場合は船宿推奨のオモリの重さや糸の太さがあるので乗船前に確認しておこう。
ヒラメの食べ方
高級魚ヒラメは、どのように調理しても絶品。特にその上質な白身と、縁側の部分は珍重される。
市場で高級魚とされるヒラメ。刺身やムニエルとの相性が抜群の白身を楽しめる。
刺身/薄造り
新鮮なヒラメの味をもっとも堪能できる食べ方。透明感のある白身は淡白ながらも深い旨味を持ち、もっちりとした食感がたまらない。醤油も良いが、ポン酢にもみじおろしでいただくのがおすすめだ。コリコリとした食感が特徴の「エンガワ」は、ヒレを動かす筋肉の部分で、脂が乗っておりとても美味である。
コリコリとした食感のヒラメ刺身や薄造り。
昆布締め
刺身にひと手間加えた料理。ヒラメの余分な水分が昆布に吸収され、代わりに昆布の旨味が身に移ることで、もっちりと濃厚な味わいに変化する。日本酒との相性は格別である。
ムニエル
フレンチの定番料理。バターの豊かな香りがヒラメの上品な白身と見事に調和する。表面はカリッと、中はふっくらと焼き上げるのがコツだ。レモンを絞ってさっぱりといただく。
潮汁
ヒラメのアラを余すことなく活用できる一品。アラから出る極上の出汁は、他の魚では味わえない上品で深いコクを持つ。酒と塩だけで味を調え、素材の味を最大限に引き出して味わう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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