
●文:ルアマガプラス編集部
ハゼとは?
ハゼは、スズキ目ハゼ科に属する魚の総称であり、日本だけでも数百種類が生息している。その中でも、釣りの対象としてもっともポピュラーなのが「マハゼ」だ。河口や内湾の砂泥地といった身近な場所に多く生息し、古くから江戸前の釣りの代表格として親しまれてきた。初心者や家族連れでも手軽に楽しめ、数釣りの面白さと食味の良さから、今なお多くの釣り人を魅了し続ける。
ハゼの生態
マハゼは、河川が海に注ぐ汽水域や、波の穏やかな内湾の砂泥底を好んで生息。肉食性で、ゴカイやイソメなどの多毛類、小さなエビやカニなどの甲殻類を捕食する。春に生まれ、夏から秋にかけて急成長し、冬には産卵のために深場へと移動(落ちハゼ)、産卵後にその一生を終える“年魚”である。この成長サイクルが、季節ごとの釣りの楽しさを生み出している。
泥底の汽水域に生息するハゼ。愛くるしい見た目とは裏腹に縄張り意識が強く、獰猛さもある魚。
ハゼの釣りシーズン
ハゼ釣りは初夏から始まり、晩秋まで楽しむことができる。季節によってハゼのサイズや釣れる場所が変化するのが特徴だ。
簡単に数釣りが楽しめるハゼ。
デキハゼ(6月~8月)
その年に生まれた5~8cmほどの若いハゼが釣れ始めるシーズン。好奇心旺盛で果敢にエサにアタックしてくるため、手軽に数釣りが楽しめる。岸近くの浅瀬に群れていることが多い。
彼岸ハゼ(9月~10月)
秋のお彼岸ごろになると、ハゼは10cm以上に成長し、体高も出て引きも強くなる。サイズ/数ともに最盛期を迎え、ハゼ釣りが最も面白い時期。行動範囲も広がり、少し沖の深みを狙うと良型がヒットする。
落ちハゼ(11月~12月)
冬の産卵を控え、体力を蓄えた大型のハゼが深場へ移動を始めるシーズン。数は釣れなくなるが、15cmを超える「ヒネハゼ(前年生き残った個体)」や20cm級の大型が釣れる可能性があり、一発大物狙いの魅力がある。
ハゼの釣り方
ハゼ釣りはエサ釣りからルアー釣りまで、さまざまなスタイルで楽しむことができる。
ハゼクランク
近年人気が急上昇している、小型のクランクベイト(ルアー)を使った釣り方。底をゴツゴツと叩きながらリールを巻くだけで、ハゼがリアクションバイトしてくる。ゲーム性が高く、手軽でありながら奥深い魅力がある。
小さいクランクベイトを使ってハゼを釣るハゼクランクゲーム。
仕掛け例
- ロッド: 6ft前後のアジング/メバリング用ロッド(ULクラス)
- リール: スピニングリール 1000~2000番
- ライン: PEライン 0.2~0.4号/エステルライン 0.3号前後
- リーダー: フロロカーボン 4lb~6lb(1~1.5号)
- ルアー: ハゼ専用クランクベイト/エリアトラウト用クランクベイト(潜行深度1m前後のもの)
ちょい投げ釣り
ハゼ釣りの最も定番なスタイル。天秤オモリと針だけのシンプルな仕掛けを軽く投げ、海底を引きずったり、止めたりしてアタリを待つ。広範囲を探れるため効率が良く、入門者に最適。
難しいテクニックはいらず、基本的に投げて待つだけで釣れる。
仕掛け例
- ロッド: 1.8m~3m程度のコンパクトロッド/ライトなルアーロッド
- リール: スピニングリール 2000~2500番
- ライン: ナイロンライン 2~3号/PEライン0.6号~0.8号(リーダー2号~3号程度)
- 仕掛け: ちょい投げ用天秤仕掛け
- オモリ: 天秤オモリ 3~8号(5号前後が標準)
- 針: ハゼ針 6~8号(2本針仕掛けが一般的)
- エサ: アオイソメ/ジャリメ(イシゴカイ)等
手竿でのウキ釣り
リールを使わない「ノベ竿」を用いた伝統的な釣り方。自分の足元や護岸際など、ポイントをじっくりと攻めるのに向いている。ウキが「ピクピクッ」と沈む瞬間は、他の釣りにはない風情と興奮がある。
仕掛け例
- ロッド: 3.6m~5.4mの万能延べ竿や清流竿
- ライン(道糸): ナイロンライン 0.8~1.5号(竿の長さと同じぐらい)
- 仕掛け: 市販の玉ウキ仕掛けセットで十分
- ウキ: 小型の玉ウキや棒ウキなど(ウキ止めゴムで固定)
- オモリ: ガン玉/板オモリ(ウキの浮力に合わせて調整)
- ハリス: 0.6~0.8号(5~10cm)
- 針: ハゼ針 5~7号
- エサ: アオイソメ/ジャリメ/ベビーホタテ等
ハゼの食べ方
淡白で上品な旨味を持つハゼは、江戸前の料理に欠かせない食材。様々な調理法で美味しく食べられる。
江戸前の名物であるハゼ料理。旨みが詰まった白身は揚げ物料理にピッタリ。
天ぷら
ハゼ料理の王道。揚げたては外はサクサク、中はふっくらとしており、その味わいは絶品である。抹茶塩や天つゆでいただくのが定番。背開きにして骨を取り除いてから揚げると食べやすい。
唐揚げ
デキハゼのような小型のハゼは、ウロコと内臓を取って丸ごと唐揚げにするのがおすすめ。二度揚げすれば骨までポリポリと食べることができ、お酒の肴や子供のおやつに最適だ。
小型のハゼは唐揚げで丸ごと食べらえる。よく揚げると骨も楽しめる。
甘露煮
醤油/砂糖/みりんなどでじっくりと煮詰めた保存食。骨まで柔らかくなり、ご飯のお供にぴったり。一度素焼きしてから煮ると、身が崩れにくく香ばしく仕上がる。
刺身
落ちハゼシーズンの大型のハゼが手に入った場合に試したい食べ方。丁寧に三枚におろし、皮を引いて造りにする。透明感のある白身は、シコシコとした食感と繊細な甘みがあり、格別の味わいだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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