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ルアーが切り拓くタフコンディション! シマノ「Btスラプター」海水チューンと奥田学のビッグベイト戦略〈ルアーマガジン9月号〉

ルアーが切り拓くタフコンディション! シマノ「Btスラプター」海水チューンと奥田学のビッグベイト戦略〈ルアーマガジン9月号〉

梅雨時期のコノシロパターンを狙うビッグベイトシーバスゲーム。だが、釣行直前の大雨による急激な水質変化と爆濁りにより、フィールドは沈黙する。この窮地を救ったのが、奥田学が絶対的信頼を置くシマノのグライドベイト「Btスラプター」だ。海水の比重に合わせた緻密なサスペンド化チューンと、レンジ攻略のためのスローアクションを徹底解説。最悪の状況を打破した、ルアーのポテンシャルを極限まで引き出す奥田流の攻略法に迫る。

●文:ルアマガプラス編集部(ルアーマガジン)

【奥田 学/おくだ・まなぶ】ビッグベイトやジャイアントベイト、そしてアンブレラリグなどストロングスタイルを主軸に、常に現場最大級を仕留めるBIG BASSハンター。愛称は誰が呼んだか“ロボ奥田”。直立不動かつ精密機械の如く隙のない動きで狙った獲物を仕留めるのがその名の由来。近年は国内のみならず世界へと繰り出し、淡水海水の大物ゲームに挑んでいる。

最悪の水質変化に立ち向かう「ルアー実弾」の布陣

6月の梅雨時期は、秋と並ぶコノシロパターンの最盛期だ。山陰地方の中海や、今年限定解放された宍道湖を舞台に、ビッグベイトシーバスゲームの可能性を拡張すべく、奥田学は現地へと向かった。

コノシロパターンはメインベイトがサッパに変わる7月までの、わずか1ヶ月に満たない短い好機。しかし、釣行直前の大雨によって状況は激変し、湖水が攪拌されてターンオーバーのような「爆濁り」が発生。地元遊漁船さえも出船を見合わせる最悪の状況下、奥田は自身の理論と厳選されたルアー布陣で挑んだ。

状況打破のために奥田が用意したビッグベイトの布陣は、いずれも独自のギミックを持つ一線級のルアーたちである。

  • Btスラプター(シマノ):全長182mm/重量58gのグライドベイト。リーリングジャークによる鋭い左右のスライド(通称「シュンシュン」)と、ストップ時の急浮上が持ち味の守護神。
  • グラヴィテーター220SF(シマノ):全長220mmのスローフローティングモデル。アーマブーストおよびフラッシュブーストを搭載し、強い存在感でアピールする。
  • Btアーマジョイント280SF(シマノ):全長280mmの超大型ジョイントベイト。圧倒的なボリュームで広範囲から魚を引き寄せる。
  • ランカージャック8(シグナル)やペンシルベイト:表層での展開を視野に入れた選択。

これらの強気な実弾ルアーの中から、状況の変化に合わせて適切な一手を選び抜き、アジャストしていくのが奥田のスタイルである。

守護神「Btスラプター」海水サスペンド化チューン

数あるルアーの中で、奥田が「エサラプター」と呼んで絶対的な信頼を置くのが、復刻を果たした「Btスラプター」だ。しかし、このルアーが本来持つ「シュンシュン」というスライドアクションと急浮上を海水域で発揮させるには、現場での入念なチューニングが不可欠となる。

Btスラプター Nチャートバックストライプ(シマノ)

Btスラプター マットチャート(シマノ) [写真タップで拡大]

Btスラプター チャートホワイト(シマノ) [写真タップで拡大]

もともと淡水用にスローフローティング設定されているため、淡水より比重が約2〜3%高い海水域ではルアーが完全に浮き上がってしまい、水を掴まなくなってしまう。そこで自重を増やし、サスペンドからスローシンキング化へシフトさせる。

板オモリによるウェイト調整

2gの貼り付け用板オモリを半分にカットし、フロントフックの前側に2枚、リアフックの前側に1枚貼り付ける。これにより“若干のフロント重心”を作り出し、水中姿勢の安定と理想的な水を噛むアクションを引き出す。

フック換装による捕食同調

標準フック(フロント#1/リア#2)から、フロント#2/リア#1の「ロングシャンクモデル」へと換装する。軸が長いため、止めて食わせる際にハリ先が魚の口元へ近づき、フッキング率が劇的に向上する。フックの向きはハリ先1本を前側にするのが基本だが、頭方向からのバイトを確実に獲りたい場合は2本を前側にする。こうした現場での細かなアジャストが勝負を分ける。

ディープに沈む魚を引っ張り上げる“レンジ攻略とスローアクション”

実釣当日は無風かつ潮も流れない非常にタフな立ち上がりとなった。さらに大雨の影響で表層の塩分濃度が低下したため、ベイトとなるコノシロは水深3.5〜4mのボトムへ沈み、シーバスのレンジも極めて深かった。

表層付近でのチェイスが望めない絶望的な状況において、奥田はBtスラプターのリーリングジャークの入力を強め、ルアーを意図的に1〜1.5mまで潜らせる攻略法を選択した。そこからの誘いは「スローな1ピッチジャーク」である。リールのハンドル半回転で左右へスローにグライドさせ、狙いのレンジ内での滞留時間を長く取る。これにより、低活性で深いレンジに留まっているシーバスに対して「浮上してバイトする間」を意図的に作り出したのだ。

ルアーの機能性を限界まで引き出すこのアプローチにより、魚の危機感はゼロ、表層への意識も希薄という過酷な条件下から、見事に70UPのシーバスを2本引きずり出すことに成功した。ルアーのレンジコントロール能力と適切なアクション選択が生んだ完全な勝利である。

4. 状況変化に適応する「カラーの3大要素」とタックルバランス

ルアー自体の持つポテンシャルをさらに拡張するのが、現場の光量や水質にアジャストするカラーローテーションだ。奥田は「フラッシング・膨張色・透け感」というカラーの3大要素を内包する厳選された3つのチャート系カラーを使い分ける。

  • Nチャートバックストライプ:「フラッシング」で反射的に誘う。オレンジベリーとチャートバックによる視認性の高さも特徴だ。
  • マットチャート:状況を選ばないオールラウンダー。強い「膨張色」であり、今回のような爆濁りやローライト時に最大の威力を発揮する。
  • チャートホワイト:ラインナップ中で唯一の「透け感」を持つ2トーンカラー。タフな状況でも弱く膨張してナチュラルにアピールする。

また、これらのルアー操作を完全に支えるのがシマノのロッド「キャプチャー1711H-SB/2」だ。ロングレングスによる圧倒的な遠投性能と、リーリングやトゥイッチでの繊細な操作性を両立しておりり、フッキングからファイト、ランディングに至るまで一切の妥協なくBtスラプターの動きを支えきった。

水質の激変という逆境すらも、ルアーの機能理解と緻密なチューニング、そして卓越した操作術によって克服できることを証明した。この奥田の流儀は、ビッグベイトゲームを志すアングラーにとって普遍的な指針となるだろう。

※本記事はWEB向けのダイジェスト版です。フルバージョンは『ルアーマガジン2026年9月号』に掲載されています。

※本記事はWEB向けのダイジェスト版です。フルバージョンは『ルアーマガジン2026年9月号』に掲載されています。

釣行動画はこちら↓

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