2010年「CROSSOVER Re:EVOLUTION(クロスオーバーレボリューション)」の名の下に、総合釣具メーカー「シマノ」とバスを中心とした国内トップクラスの人気を誇る独創的ルアーメーカー「ジャッカル」が業務提携を果たし、リリースされてきた大人気ロッド「POIZON(ポイズン)」シリーズ。同シリーズの中でも、バーサタイル性の高さから圧倒的な人気を誇る「アドレナ」が2024年度遂にモデルチェンジを果たす!今回はジャッカル×シマノのプロスタッフを務める水野浩聡氏にNEWアドレナの特徴を徹底的に語って頂いた。
●文:ルアマガプラス編集部
ジャッカル×シマノプロスタッフにしてオカッパリの「でら」スペシャリスト!水野さん!!
水野浩聡(みずの・ひろあき)
中部地方のため池や大江川、長良川などをホームグラウンドとするスーパーアングラー。フィネスな釣りから撃ち、巻き、ビッグベイトまで多彩にこなす。経験に基づく的確な釣り方で現代のすれバスをモノにする技術を持つ。ジャッカル×シマノプロスタッフ。
2代目から3代目へ。シン・アドレナのテーマとは?
水野「ポイズンシリーズは現在3モデル(アルティマ、グロリアス、アドレナ)ある中で、特にアドレナは高い汎用性を持たせたモデルになっていて、お陰様で多くのバスフィッシングファンに支持されています。しかしその汎用性も時代の進化とともに変わっていきます」
水野「近年はフィールドのハイプレッシャー化も著しく、ときにはニッチな、拘った釣りをしなければならない場面も多く出てくる時代です。
そんな現代のバスの変化に伴って、ロッドも汎用性を持たせながら、その中で確実に今のバスを捉えるための『尖り』も持たせて、タフなフィールドに合わせていかなければならない。
そんな相反する要素を組み込ませたのが3代目のポイズンアドレナです」
――確かに令和のバスフィッシングは簡単に魚を釣らせてくれない、ホントに全国的タフですもんね…。
水野「僕は地元の中部エリアだけでなく、全国各地でオカッパリを中心に釣りをしていますが、これまではキャストのスキルだったり、手数を多くすることで魚を釣ることができました。でも今は釣れるリグやルアー、釣法にちゃんとマッチしたものを使わないと獲れない場面を何度も経験していて、さらにオカッパリという限られた立ち位置のなかで、その時にマッチした釣りを実践しようと思うとどうしてもロッドに頼らざるを得なくなってきたんです。
よって3代目は前作を踏襲しながら、より高いバーサタイル性を持たせたモデルから、汎用性+αの要素を持たせたモデルもラインナップされることとなりました」
3代目アドレナを昇華させる特筆すべき「2つ」の新テクノロジー
――前作のアドレナから進化した特徴的な点があれば教えてください!
水野「NEWアドレナの一番大きな特徴がグリップエンドの『開口端(かいこうたん)』。前作にも採用されたフルカーボンモノコックグリップにさらにエンド部に穴を空けるという新なテクノロジーです。
この開口端は軽量化することはもちろん、穴があることでロッドから手元に伝わる反響をノイズなく、クリアに伝えてくれるので、ロッドからくる水中での情報がより鮮明になるんです」
――ロッドから伝わる情報に雑味がなくなると!?
水野「その通りです!ラインスラックを出す釣りをするとよく分かるんですけど、水面が波立たないような微風を、スラックが出ている中でも感じられるくらい感度が研ぎ澄まされています」
――それはホントにスゴイ!遂にロッドも水中じゃなく空気中の感度も手にしましたか…。
水野「また開口端によりロッドバランスも高まっています。前作も軽く、自然にロッドが上がるような設計でしたが、、それを違和感と感じる場面も少なからずあり、バランスを取るためにグリップエンド側を軽量化し、そのストレスが最大限軽減されてます」
――軽量のフルカーボンモノコックグリップに加えて開口端。強度面は大丈夫なのでしょうか?
水野「強度面を気にされる方は多いと思いますが、テスト時に沢山魚を掛けて、相当ラフな使い方もしましたが全然問題なかったです。安心して使っていただけるかと!」
水野「そしてもう1点の特徴は、実は僕自身もだいぶ拘ったところで、ずばりスピニングタックルにおける『飛距離』。新アドレナのスピニングモデルは、バスロッド初搭載の『Xガイドタッチフリー』という元ガイドが採用されています。
スピニングは重いものを飛ばすことはさほど難しくないのですが、軽くて小粒なルアーほど投げにくい。ライントラブルの大半も、そんな軽いルアーを使用した際に出たたるみによるものです」
水野「Xガイドタッチフリーはガイド自体も軽く、放出される糸の抵抗を極限まで低減してくれるガイド設計になっているので、技量問わずトラブルレスに投げることができます」
――近年オカッパリでも細PE+軽量ルアーを使う方もだいぶ増えていますが、そんなアングラーにも使いやすそうですね。
水野「間違いないです!軽さと感度のクリア化、スピニングの飛距離向上この2点がNEWアドレナの大きな特徴、そして先述した汎用性を向上させたポイントです」
水野さんとシマノが拘った「尖り」とは?
――汎用性+αの要素として、バーサタイル性を持たせつつ、より尖らせた機種やポイントがあればを教えてください!
水野「そうですね、特に拘ったのは2ピースのスピニングモデルの268UL-2と270L+-2。
268ULに関しては虫ルアーをはじめとした軽量リグを遠くに飛ばすことを意識しています。基本僕はシェイキングロッドとして捉えていて、触ってみてもらえばわかるんですがレギュラーに近い調子です。
よく曲がるようにしているんですが、柔らかいだけだとロッドからの反発をもらえないので、ブランクスの中でハリと硬さを出し、しっかりと両立させています」
水野「何故このような調子になっているかというとシェイクを均一のピッチでしたいから。シェイクは人それぞれリズムが違うので差が出やすいのですが、このロッドはメトロノームのように同じリズムのシェイクを自分の中で作りやすいようになっています。
シェイクしやすいテーパー、でも軽量ルアーを遠くに飛ばせるブランクスの反発力、この相反する2つの要素を両立したロッドになってます」
――ミドスト、ホバストにも良さそうですね!
水野「全然いけますね、移動距離を抑えたり、繊細を求められるワッキー系のリグにも最適です!」
「そしてもうひとつが270L+というロッドで、268ULが繊細さを求めるロッドなら、こちらはTN38などのマイクロバイブレーションや軽いメタルなどに適したロッドになっています」
――水野さんも最近かなりやられている釣りですね。
水野「そう!実は近年この手の釣りの需要をかなり感じています。ただ268ULと違うのは操作感をしっかり持っていけないということ。PEタックルで遠投、深いところまで落としたあとロッドのアクションに追従してレスポンスよくアクションを出せるようにセッティングをしています。
MLでも良いかと思ったんですが、力が強くて身切れする経験もあった。逆にLだとアクションレスポンスが悪かったので、操作性は最大限残しつつ、魚を暴れさせないよう適度な柔軟性を持たせたロッドになっています。
近年スピニングの釣りは飛距離欲しいなと思うシーンが多くて、アプローチのアドバンテージをロッドでつくれるということが大きいと感じてます」
――水野さんは近年スピニングに関しては確かに長めのモデルを多用してますよね、逆にベイトに関しては短めのモデルを使用してる!?
水野「そうなんですよ、自分でも計算したらベイトを使う釣りに関しては年間8割がコースを重視していたんです。飛距離を欲するタイミングは秋の一部でしかなかった。なのでベイトに関しては短くて操作性のあるもののほうが使い勝手が良かったんです。逆にスピニングは年々、具(ワーム)が小さくなってるから、それにも対応しながら飛距離も出せて操作性も高めるとなると268UL、270L+は必須のモデルになるんです」
水野さんの右腕となるNEWアドレナはこれだ!
――上記でもすでにご紹介はされていますが、水野さんがおすすめするNEWアドレナの機種、または使用用途やルアーを教えてください!
268UL-2
水野「まず268ULは軽量ルアー飛距離重視のロッドなので、虫系に代表される小型トップウォーター(ニードバグ)、3inクラスまでの高比重ノーシンカー(ワムワムなど)、ストレートワームのノーシンカーワッキーやジグヘッドワッキー(フリックシェイク、ヤミー)がマッチしてます。
特に一点掛けのワッキー系リグは、ウェイトを乗せて投げやすいので身切れしにくくなってますよ」
【268UL-2 スペック】
- 全長(m):1.98
- 仕舞寸法(cm):104.5
- 継数:2
- 自重:未定
- ルアーウェイト(g):2~7
- 適合ライン(lb):2.5~5
- 本体価格:42,500円
270L+-2
水野「270L+に関しては5gクラスのマイクロバイク(TN38)や軽めのメタル、小型ミノー(リルビル)などが適してます!ソフトベイトなら4~5inクラスの高比重ワーム(ヤミーフィッシュ、カバークローなど)。Lアクションのバーサタイル性を持ちながらも、小型ルアーを遠投した際に魚を掛けられるパワーもしっかりある感じです」
【270L+-2 スペック】
- 全長(m):2.13
- 仕舞寸法(cm):109.5
- 継数:2
- 自重:未定
- ルアーウェイト(g):3~12
- 適合ライン(lb):3~6
- 本体価格:42,700円
168M+
水野「ベイトは168M+がイチオシ!僕個人は1本で何でもやりたい釣り人なんですが、最近ベイトで多用するルアーを考えた時、MとMHを軸とする、むしろMH寄りの釣りをすることが多かった。3/8~1/2ozのチャターやスピナーベイトなど太軸シングルフックのルアーも出来つつ、バイブレーションも投げたい、あわよくば7gクラスのフリーリグなどのボトム操作系の釣りもしたい。でもしっかり掛けるしバラシたくないとなったらMとMHの良さを持ったロッドに落ち着いたんです。
――610Mを超えたバーサタイルと!
そうですね、もちろん伝統の610Mが強いフィールドもあると思いますが、自分の今のスタイルとしては168M+がしっくりくる。なんだったら40gのクルーバーSFやマエコンも投げれちゃう。自分の投げたいルアーが全部投げれちゃうじゃんって(笑)。
――前アドレナでも結構使用頻度高かったモデルですよね。
水野「そうなんですよ、MHだとMでやれてたことが出来なくなってしまうし、Mだとパワーが足りない。だから『M+』っていうのがほんと丁度良いんです」
【168M+ スペック】
- 全長(m):2.03
- 仕舞寸法(cm):171.6
- 自重:未定
- ルアーウェイト(g):7~30
- 適合ライン(lb):8~16
- 本体価格:42,700円
268M+
水野「他にも関わったモデルはパワーフィネスモデルの268M+。これまでバットからティップまで硬め、かつレングスの長いロッドしかなかった。なのでベリーからバットに力を残しつつもMクラスまでパワーを下げて、ティップを少しソフトにしてキャスタビリティを高めました。
カバーの中でフッキングできるパワーはありながらもキャスタビリティや操作性はグッと高まった使いやすい1本になっているかと思います」
【268M+ スペック】
- 全長(m):2.03
- 仕舞寸法(cm):176.8
- 自重:未定
- ルアーウェイト(g):5~21
- 適合ライン(lb):5~10
- 本体価格:42,700円
NEWアドレナを手にした水野浩聡の2024年目標とは!?
――では最後にNEWアドレナと水野さんの今年の抱負をお願いします!
水野「NEWアドレナは僕がオカッパリでバスフィッシングをする中で、魚を確実に獲るためのノウハウとシマノさんによる技術を詰め込んで完成した、今まで以上に狩猟本能が研ぎ澄まされた『釣るためのロッド』です。
NEWアドレナによって確実に獲れる魚は増えると思ってますし、タフで賢い令和のバスを、より多く確実に獲る釣果優先主義のロッドと言っても過言ではありません。
オカッパリという限られた立ち位置ではロッドに頼る場面は多いと思います。自由が効かない、シビアな条件で釣りをすることも多々あると思いますが、NEWアドレナはそんな状況下でもアングラーに大きなアドバンテージをもたらしてくれます!
僕自身も今年は昨年以上の釣果を出すつもりでいますので、YouTubeやSNSもチェックしていただければと思います!皆様も是非フィッシングショーや店頭でNEWアドレナをチェックしてみてください!」
今回のインタビュー模様は下記ルアーマガジンYouTubeチャンネルでも公開中!要チェックです!
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