エリアトラウト『ヴァルケイン』代表・菊地栄一さん。ブラックバス『ボトムアップ』代表・川村光大郎さん。「同世代」そして「こだわり強め」という同周波数を有する2人が、タックル開発に関して、魚種の壁を突破して語り合った。大好評だった2020年ルアーマガジン2月号未掲載の「ルアーカラー編」を遂に公開!


画像: 写真左:菊池栄一/写真右:川村光大郎

写真左:菊池栄一/写真右:川村光大郎

【Profile】

写真左:菊池栄一(きくち・えいいち)

ヴァルケイン代表。エリアシーンのトップを突っ走るエリアトラウトメーカー・ヴァルケインをイチから作り上げたレジェンド。栃木県と静岡県に『アルクスポンド』という、大人気エリアの運営も行っている。こだわり強めのタックルクリエイターとしても支持されている。

【Profile】

写真右:川村光大郎(かわむら・こうたろう)

ボトムアップ代表。情熱のすべてをバスフィッシングにささげる、岸釣りのスペシャリスト。独創的な釣りスタイルもさることながら、作りあげるルアー&フィッシングギアが唯一無二の存在感を放つ。作るからには「今までにないアクション」&「他との明確な違い」を追及。その妥協なきモノ作りに対する信奉者は多い。

わずかな色の違いが釣果の違いに直結!

菊地:エリアトラウトは、他のジャンルのルアーゲームと比較して、ルアーカラー数が凄く多いです。

川村:エリアでは、塗装を飛ばしたようなカラーとかあるじゃないですか? あのわずかな違いで、正直…釣果って変わりますか?

菊地:実は、かなり変わります。同じ色の飛ばしでも、飛ばしの濃度とトーンの違いだけで、反応はガラリと変わります。

川村:エ~~ッ!! だから、こうした薄い飛ばしとか、濃い飛ばしのカラーがあるんですね。

菊地:そうなんですよ。

画像: 表面の飛沫のような紋様が、飛ばしカラー。わずかな雰囲気や色のトーン、濃度の違いで釣果が大きく分かることも珍しくない。

表面の飛沫のような紋様が、飛ばしカラー。わずかな雰囲気や色のトーン、濃度の違いで釣果が大きく分かることも珍しくない。

川村:でも、よ~く見るとツヤとマットがあるじゃないですか? 同じ色でもこの違いはどうですか? 差…感じますか?

菊地:自分は差があると確信していますが、実は…そこはエリア業界でも賛否両論です(笑)。水中ではツヤもマットも同じなのでは? という意見もあります。ただ、自分は使っていて、確実にトラウトの反応が違う実感があるので、関係ある! としか言えないですね。

川村:自分も関係あるのでは…と思っています。確かに水中では、水を通した見え方になるので、陸上で認識できる違いとは異なります。

ですが水中で両タイプを同じように泳がせた場合、人間の視覚で確認するレベルでも、明らかに違いますよね…ツヤありとマットでは…。ツヤありの方が確実に光っていますね。

菊地:そうですよね。

川村:ですね…ツヤ感があるのは、分かります。水中でもまったく一緒ではないですね。

菊地:違いますよね。そしてその違いは、魚も認識していると思います。

川村:そうですね。

全てのルアーカラーには理論が必要!

川村:ちなみに、ひとつのスプーンのカラーラインナップは、だいだい何色くらいですか?

菊地:ヴァルケインのメインスプーン、ハイバーストの定番色は、現在72色あります。

川村:げっっっ…72って…凄いですね。

菊地:そこに、さらにショップさんのオリカラも入れると、自分でも正確に数えていないので、あやふやですが……おそらく200色以上はあるかと思います。

川村:エ~ッ!!!

菊地:エリアのユーザーさんは、結構こだわる方が多いので、カラーにも理論がないと、納得して頂けないんですよ。

川村:凄い色数ですね~。その理論などを伝えるのも大変ですよね。あと、使い分けも大変…。色の使い分けが無限大ですね!!!

菊地:そうなんですよ。結局、細かい使い分けになると、アングラーさんの、それぞれの考え方…という側面が大きいですね。カラーのレギュラーラインナップはもちろんのこと、オリカラにも、もちろん理由と理論はあるのですが、みなさん、ご自分なりの使い分け理論を考えるのが好きな方が多いですね…エリアのアングラーさんは。

画像: エリアトラウト用ルアーのカラー数は豊富だ。

エリアトラウト用ルアーのカラー数は豊富だ。

川村:ルアーの種類とカラーバリエーションの組み合わせが、凄まじいことになっていますね。

菊地:そうなんですよ。

川村:実際、人間の視覚で見ると、かなり近いカラーも存在しますよね。でも…このわずかな違いが重要なこともあるんですよね?

菊地:そうなんです。実際、この色とこの色の違いはなに? って聞かれると、人間の視覚レベルでは、明確に色の違いを答えるのは難しいカラーも存在します。ですが、同じ茶色系統のカラーでも、トーンが違うだけで、あきらかに食い方が変わる…という現実は間違いなくあります。ですから、同じ茶色系のカラーを使って、よりいい食い方になるように、微調整するために必要なんです。

川村:凄いですね…。コレ、雑な人が塗装したら、誤差の範囲内になってしまいますね(笑)。

菊地:まさに、そうなんです(笑)。塗装の丁寧さは必須ですね。自分はシルバー系カラーが好きなのですが…、その場合、わずかなラメの違いとか、飛ばしの雰囲気が違うだけで、まったく反応が変わってしまいます。本当に細かい世界です(笑)。

川村:そこが、また楽しんでしょうね。お話しを伺っているだけで、バスとは違う魅力を感じます。

画像: 対談は、デュオ社の巨大水槽を借りて行なわれた。ジャパンクォリティを追求する釣り界のトップファクトリーだ。

対談は、デュオ社の巨大水槽を借りて行なわれた。ジャパンクォリティを追求する釣り界のトップファクトリーだ。



「釣れない」=「フィールド移動」が通用しないエリアの世界

川村:もし、エリアをやったことがない方が始めるにあたって、何色用意すればいいですか? って聞かれたらどうしますか? 

菊地:そうですね…。そんなときには、最初は10色あれば大丈夫です。ってお答えさせて頂いています。

川村:絞っても10色は必要なんですね。

菊地:そうですね~。バスやソルトのように、釣れなくなったらフィールド移動…という概念がない世界ですから。

川村:目の前に居る魚たちと、徹底的に向き合うしかないですもんね。でも、そこが楽しそうですね。場所移動で逃げられない…。

画像: エリアトラウトの世界、ブラックバスの世界。魚種の違いはあっても、釣り&タックル開発に関する熱い想いは同じ。

エリアトラウトの世界、ブラックバスの世界。魚種の違いはあっても、釣り&タックル開発に関する熱い想いは同じ。

菊地:そうですね…ですから、10色くらいはあった方が、アプローチパターンが選べるので、釣りが楽しくなると思いますよ。

川村:確かにそうでしょうね~。

菊地:さらに、トーナメントになると必要なカラー数が一気に増えます。例えば対戦相手が、オリーブ系カラーで10尾釣っていたとします。そのときに同じオリーブ系でも、ややトーンが違うオリーブがあれば、12尾釣れる可能性がある…というのがトーナメントの世界です。トーナメントを視野に入れると、カラー数は一気に膨れ上がります。

色数を絞って腕で勝負する方法もある!

川村:15年くらい前ですか…、真冬にバスが厳しい頃エリアに行ってました。そのときのワレット(スプーンケース)が残っているのですが…今のワレットと全然違いますよね…。当時はポケットに入るくらいの大きさでした(笑)。

菊地:今でもいらっしゃいますよ、ワレットが小さい方。本当に上手いアングラーさんは5色くらいに絞って、巻き方を変えて対応しています。そんな方は、ワレットも小さいですよ。でも、その分、凄く釣りが難しい。かなり高度なテクニックを駆使しています。エントリーしたての方にはちょっとハードルが高いかもしれませんね。

川村:それは、プロアングラーの方ですか?

菊地:そうですね。ヴァルケインで契約しているプロアングラーでも、ひとりそのタイプがいます。そのアングラーは自分で塗った色しか使いません。そのカラー数が大体5色くらい。ただ、その分、使用するルアーの種類は多いですけど。

川村:なるほど、それでアプローチを変えていくんですね。

菊地:そうですね。でも…正直自分が何色を持っているのか覚えていません(笑)。その日のトラウトの食い方を見て、コレはオリーブ系だな…って思ったら、オリーブ系のワレットを見て、そこから先は直感で選んでいます。

川村:瞬発力で決めているんですね。中でもお気に入りの色とかありますか?

菊地:自分はメタリック系が好きです。中でもグリーンメタリック、通称メタグリが大好きです。メタグリがあればどこの釣り場に行っても、自分は釣れないことがありません。正確に言うと、表がグリーンメタリックで裏が黒です。裏には表のメタリックと同じラメが飛ばしてあります。本当に安定して釣れる色です。

画像: 菊地さんが大好きなメタリックグリーン×ブラックのカラー。

菊地さんが大好きなメタリックグリーン×ブラックのカラー。

川村:状況などの細かいことを抜きにしても、単純にトラウトが好きで釣れる色…という認識になるんですか?

菊地:そうですね。

川村:自分も少し前にダイワさんのイベントで、管理釣り場に行く機会がありまして、そのとき確かに一番反応が良かったカラーが、メタリックではなかったですが、表がグリーンで裏が黒でした。

菊地:そうですか! この組み合わせの色は、ある程度どこでも強い色です。水質がクリアでもマッディでも、どちらにも強いです。

情報を繋げていくエリアゲームの本質

川村:例えば、バスのようにアタリ自体が多くはない釣りだと、これだけカラー数があると迷ってしまいがちですが、エリアトラウトの場合は、アタリも一杯あって、釣果も伸ばしながら、カラーの有効性を覚えていけるのがいいですよね。色を変えた1投目で、露骨に違いが分かることもありますか?

菊地:それはありますね。例えばカウント4のレンジで、これくらいの巻きスピードで、このルアーでアタっている場合…が、あるとしますよね。エリアゲームの場合、同じ釣りの再現性が高いです。同じスクールにいることが多いので。そして、アタリの回数や質が変わったら、カラーローテのタイミングかな? とか、ルアーのシルエットを落とした方がいいかな? などが分かりやすいです。

川村:情報を繋げていく釣り方なんですね。

菊地:まさにその通りです。繋げる釣りですね。

画像: クリエイター同士、お互いが開発したルアーの特徴を一瞬で理解することができる。

クリエイター同士、お互いが開発したルアーの特徴を一瞬で理解することができる。

川村:エリアトラウトの色の世界…奥深くて楽しいですね。

菊地:自分は膨大なカラー数を持ち歩いているんで、よく聞かれます。本当にそんなに使うの? って(笑)。でも…自分の場合は、いざというとき用…というのを考えていたら、バッカンの中にいろいろな色が増えてしまいました(笑)。

川村:いざというとき…そんなシチュエーションを考えるのも楽しそうですね。

菊地:楽しいですね(笑)。

川村:魚とルアーカラーの関係性を考えるだけでも楽しいですよね。

菊地:魚種は違っても、その楽しさは共通ですね。

川村:本当にそうですね。

蔵出しクリエーターズクロストーク、いかがだったでしょうか! 異分野のクリエーター同士のトークから生まれる化学反応…釣りの新たな発見や裏付けが見えてくる!? 「釣り」の本質に迫る次なる企画にも、ご期待ください!

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